武豊、池添謙一ら“ぶっつけ本番”は吉と出るか凶と出るか…有馬記念(G1)は「リハーサル有無」が明暗分ける?

24日に中山競馬場で行われる有馬記念(G1)。21日の公開枠順抽選会では、16番スターズオンアースや15番スルーセブンシーズ、13番タスティエーラといった下馬評の高かった馬がこぞって外枠に入り、人気をやや下げている印象だ。
それもそのはず、中山の芝2500mはスタート直後を含めてコーナーが6回もある特殊なコースで、道中は内々で脚を溜めて距離ロスなく回ってくるのが勝利の方程式だからだ。そのため、外すぎない10番ジャスティンパレスや、理想の内目に入った5番ドウデュース、4番タイトルホルダーといった馬の評価が上がっている。
有馬記念前日の土曜に中山・芝で行われた5つのレースを見ても、やはり「内前」がやや有利な状態。馬券に絡んだ(3着以内の)15頭のうち9頭が4角3番手以内、全15頭が同8番手以内という位置取りだった。つまり、今の中山・芝コースは、中団~後方からの直線一気はほぼ不可能と考えていいだろう。
そこで重要になるのは、鞍上が「当日の芝の状態」をどれだけ把握できるかだ。
「リハーサル有無」が明暗分ける?
日曜の中山は有馬記念の前までに5つの芝レースが組まれている。特に9RのグッドラックH(2勝クラス)は本番と同じコースで行われるため、前有利なのか後ろ有利なのか、内が伸びるのか外が伸びるのか、騎手が芝の状態を把握するには打ってつけのレースといえるだろう。
しかし、その一方で今年は有馬記念に“ぶっつけ本番”で臨む騎手が少なくない。

ドウデュースと3戦ぶりにコンビを組む武豊騎手は、有馬記念がこの日に騎乗する唯一のレース。スルーセブンシーズの池添謙一騎手も、有馬記念がこの日最初に跨るレースである(直後の12Rに騎乗予定)。
タイトルホルダーの横山和生騎手も武騎手と同様に“一鞍入魂”で大一番に臨むが、前日に同コースで行われたグレイトフルS(3勝クラス)で騎乗しており、馬場の傾向が大きく変わらなければ芝の状態をある程度つかめた状態でタイトルホルダーに騎乗できるだろう。
武騎手や池添騎手とは対照的に“リハーサル”十分で有馬記念に臨めるのは、T.マーカンド騎手やR.ムーア騎手といった助っ人たちだ。
ディープボンドのマーカンド騎手はグッドラックHこそ騎乗馬がいないが、前日のグレイトフルSに騎乗し、日曜も他の芝レースには参戦予定。タスティエーラのムーア騎手はグッドラックHを含めて3回の“リハーサル”を経て本番を迎える。
中山の芝2500mは年間に10鞍前後しか組まれておらず、歴戦のベテランであっても関西所属の武騎手や池添騎手も騎乗するのは年間数鞍といったところ。そんな特殊なコースだけに、やはり馬場の傾向を直前に身をもって体験できるかどうかは大きなファクターになるのではないか。
今年の有馬記念は枠順とともに、鞍上の“リハーサル”の有無が勝敗を分けるポイントになってもおかしくはない。
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