
元JRA藤田伸二氏「ミックファイア凡走」を予告!? 「一銭も買いません!」南関無敗の三冠馬の「異変」を見抜いた大胆予想
ミックファイアの凡走を見抜いていた藤田伸二氏
29日、大井競馬場では地方競馬の総決算、東京大賞典(G1)が少数精鋭の9頭立てで行われた。
単勝1.7倍の断然人気に推されたのは、昨年の当レースと今年3月のドバイワールドC(G1)を制したウシュバテソーロだった。1000m通過が63秒8のスローペースで流れた一戦で、道中は後方2番手という位置取り。4コーナーまでにテンカハルを交わしたが、直線を向いたときはまだ後方3番手という厳しいところにいた。
ハナを切った同じ「テソーロ軍団」のウィルソンテソーロがまんまと逃げ込み態勢に入っていたが、兄貴分のウシュバテソーロが大外一閃。上がり3ハロン37秒0の豪脚を駆使して6頭をまとめて差し切り、見事に連覇を達成した。
ウシュバテソーロから半馬身差の2着には逃げ粘ったウィルソンテソーロ、さらにクビ差の3着にドゥラエレーデが入り、7着までをJRA勢が占める結果となった。
実績あるJRAの強豪馬たちが力を出し切ったなか、ファンの溜息を誘った1頭が、3番人気に支持されるも勝ち馬から2秒4差のブービー8着に沈んだ、地元・大井の雄ミックファイア(牡3歳、大井・渡辺和雄厩舎)である。
ご存じの通り、今年の春は羽田盃を皮切りに、東京ダービー、そしてJRA勢相手のジャパンダートダービー(G1)をいずれも圧勝。史上2頭目となる南関無敗の三冠馬に輝いていた。
この秋は盛岡で開催されたダービーグランプリも勝って、デビューからの連勝を「7」に伸ばしていたが、初めて古馬と対峙した東京大賞典で思いもよらぬ大敗を喫した形だ。
「レース後にミックファイアを管理する渡辺調教師が『あのようなスタートでしたからね』と振り返ったように、ゲートに突進するようなスタートで後手を踏んだことも大きかったと思います。ただ、三冠を達成した時とは異なる馬場(砂)に加えて、フィジカル面も春に比べると万全とはいえない状態だったのではないでしょうか。
馬体重こそ10kg増でしたが、歴戦の古馬の雄大な馬格と比べると、物足りなさを感じましたし、パドックでも集中力を欠いていたように映りました。たとえスタートを決めていたとしても、着順は変わらなかったと思いますよ」(競馬誌ライター)
そんなミックファイアの苦戦をレース2日前の時点で予測していた人物がいた。
「ミックファイアは一銭も買いません!」
無敗の三冠馬をそう評していたのは、JRA騎手として通算1918勝を挙げた藤田伸二氏である。
藤田氏「いい時は(レース)直前に大井に入れていた」
藤田氏は27日に自身のYouTube『藤田伸二チャンネル』で、「【元騎手藤田伸二】ホープフルS&東京大賞典予想ライブ!」と題して生配信を敢行。出走する有力各馬に対する見解などをファンに向けて解説していた。
詳細はぜひ本動画をご覧いただきたいが、東京大賞典のミックファイアを取り上げた際に藤田氏の口から飛び出したのが「ミックファイアは一銭も買いません」という発言だ。
藤田氏によると、競馬新聞などでミックファイアの情報を収集する中で、これまでの調整過程が気になったという。「(ミックファイアが)いい走りをした時は(レース)直前に大井に入れて競馬に使っていた」のだという。
逆に同世代の馬相手に0秒2差と三冠馬らしい走りを見せられなかった前走のダービーグランプリ、そして今回の東京大賞典は、どちらも「(レースの)10日くらい前に大井に入っているんだよね」と、春と秋でレースに至る調整の違いに言及していた。
実際に確認すると、羽田盃、東京ダービー、JDDでは最終追い切りまでを外厩施設の牧場で済ませ、直前に大井に入っていた。ところが、秋の2戦はどちらも外厩で1週前追い切りまで済ませ、最終追い切りを帰厩後に行っていたのだ。
「ミックファイアはもともと爪に不安を抱えており、この秋もJBCクラシック(G1)、チャンピオンズC(G1)と立て続けに“回避”していたのも紛れもない事実です。東京大賞典はファンのためにと何とか間に合わせた状態だったのかもしれません」(同)
藤田氏はほんの数日のちょっとした調整過程の違いから、ミックファイアの凡走を予測していたことになる。
「まだ伸びしろしかありませんし、また一からのスタートですね」
初黒星を喫したミックファイアについて、渡辺師は前を向いたが、次走は何とか万全の状態で出てきてほしいところ。無敗の三冠馬として、多くのファンが逆襲を期待している。
PICK UP
Ranking
11:30更新JRA横山典弘「藤沢和雄と電撃和解」!? 「約5年ぶり」コンビ結成で「コディーノ事件」雪解けか
アイドル女性騎手の電撃移籍にファンは「セクハラ、パワハラ」疑惑を心配? 主催者は否定も……体調不良から復帰したスーパールーキーに待ち受ける厳しい現実
府中の大ケヤキ、実は「偽名」だった!? 伐採試みた作業員が死亡、サイレンススズカも散った「魔の第3コーナー」の怪、ダービーが行われる東京競馬場の都市伝説に迫る
- 【徹底考察】有馬記念(G1) サトノダイヤモンド「世代最強を証明した菊花賞。有馬記念制覇に向け、レジェンドだけに許された最強馬の『領域』に手を掛ける」
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 大井の帝王・的場文男「騎手間のトラブル」で騎乗変更命令…「見習いたくないところ」過去には後輩ジョッキーからもクレーム?
関連記事
スワーヴリチャード「大成功」を予感させるレガレイラの優勝…首位陥落の過大評価説も払拭、ブレイクした名種牡馬たちの条件も難なくクリア
第2のベラジオオペラへ「大本命」がデビュー戦を圧勝! 上村洋行調教師「クラシックへ乗せていきたい」急上昇中のベラジオ軍団から、またも大物誕生か
最終戦も不戦敗…「不完全燃焼」続くM.デムーロは試練の2023年。天皇賞・秋のスターズオンアースなどG1で3度も出走取消、勝ち星も大幅ダウン
「完全に騎手のミス」「勝ちまであった」矢作師が愛弟子にブチ切れ? C.ルメールと明暗分かれた進路取り…坂井瑠星「自分がうまく捌けていれば」
C.ルメールがハーツクライに捧げた魂の走り! ドバイを皮切りにイクイノックスが世界を制覇、脚光を浴びるキングヘイローの世界的名血【競馬ファンが選ぶ2023年競馬10大ニュース①】