全員20歳以上…競馬場「公式」アイドルグループ爆誕!? 「廃止ドミノ」を乗り越えた佐賀競馬のPR戦略に注目
「廃止ドミノ」を乗り越え奮闘する地方競馬
マカオ競馬が4月1日をもって廃止となり、約40年の歴史に幕を閉じることとなった。
過去には、武豊騎手をはじめ多くの日本人騎手が騎乗してきた。岡部幸雄元騎手と中野省吾騎手によるマカオダービー(G1)制覇や田中正一騎手によるマカオギニーズ(G1)制覇など、日本競馬にとっても縁がある。
廃止理由は経営難だ。マカオ競馬は数年前から赤字が続いており、運営するマカオジョッキークラブはマカオ政府に対して経営権の解除を申し入れた。マカオと言えばIR(統合型リゾート)のカジノで知られるギャンブルの本場だが、こうして経営難が続けば存続することは難しい。
かつて日本の地方競馬も経営難により廃止が続出した。特に2001年からの12年間で13場が廃止された勢いは「廃止ドミノ」と表現されるほどだった。原因はバブル崩壊の影響や娯楽の多様化など様々に挙げられている。大井競馬場など人口の多い大都市近郊を除けば、地方競馬場は集客に難儀していた。
そんな状況を打破したのが12年のインターネット投票開始だ。JRAのIPAT方式を活用したこのシステムの導入をきっかけに全競馬場の売上が上昇。「廃止ドミノ」を止める救世主となった。
公式アイドル爆誕!? 佐賀競馬のPR戦略に注目
そんな中、奮闘を見せているのが佐賀競馬だ。
全国で7番目に人口が少ない佐賀県にありながら、過去最高売上を3年連続で更新する好調ぶり。その理由はナイター開催数の増加と、新マスコットキャラクターの発表や佐賀県特産品プレゼントキャンペーンなど斬新なPR戦略が挙げられる。
特に佐藤哲三元騎手など著名なゲストを招いたイベントやライブ配信が好評。ゲストは競馬関係者だけでなく、プロ野球選手など他スポーツ関係者、アイドル、声優、お笑い芸人、YouTuberなど多岐にわたる。
そんな佐賀競馬が次なる一手として発表したのが、公式女性アイドルグループ『UMATENA』のデビューだ。
メンバーは全員20歳以上で人生経験も多様。「大人の青春」というコンセプトも「大人の遊び」である競馬にぴったり。佐賀競馬は公式サイトにて「アイドルや声優を応援する『推し活』がムーブメントとして盛り上がりをみせており、佐賀競馬もこの潮流に乗るべく、今回のプロジェクトを企画しました」と説明している。
競馬界でアイドルと言えばオグリキャップなどアイドルホースや、最近では女性騎手を指すのが一般的だった。そのため歌って踊れるいわゆる「王道のアイドル」は逆に目立つかもしれない。また芸能事務所所属アイドルの起用ではなく、地方競馬独自で運営するという試みも史上初だ。
「競馬ファンに夢と幸運をもたらす存在」が目標の『UMATENA』。競馬ファンだけでなく、佐賀競馬の経営にも夢と幸運をもたらすことができるか注目だ。
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