【ユニコーンS(G3)展望】ダート2戦計「22馬身差」大器ムルソーが登場!無傷2連勝「G1馬の弟」ミッキーファイトと初対決へ

東京ダービーのトライアルに生まれ変わったユニコーンS
27日、京都競馬場では3歳馬によるダート重賞、ユニコーンS(G3)が行われる。1996年の創設当初は秋の中山開催だったが、2001年に6月東京開催へ変更。7月のジャパンダートダービー(G1)の前哨戦に位置付けられていた。
そして迎えた2024年。中央・地方の垣根を越えたダート競走の体系整備に伴い、ユニコーンSは東京ダービー(G1)のトライアル競走に指定され、開催時期を約2か月前倒し。東京ダート1600mから京都1900mへと施行条件を変えて行われる。
記念すべき改革元年のユニコーンSで主役を張るのはムルソー(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
父はこの3歳世代が初年度産駒となるレイデオロ。まもなく産駒のデビューから1年が経過するが、まだこれといった大物は出ていない。すでにG1馬のレガレイラなどを輩出しているスワーヴリチャードに比べると、出遅れた感は否めないが、ムルソーがレイデオロの希望の星となる可能性は十分にありそうだ。
デビューはやや遅れて今年の1月。京都芝2000mでA.ルメートル騎手を背に2番人気に推されたが10着に惨敗し競走馬生活をスタートさせた。この敗戦で陣営はあっさりとダート転向を決断すると、これが功を奏した。
2月の京都ダート1900mで迎えた2戦目は、団野大成騎手を背に逃げ切り勝ち。果敢にハナを奪い、道中は13秒台のラップを刻むスローに落とし込むことに成功すると、直線で後続を突き放し、ラスト3ハロンは12秒8ー12秒4ー12秒2の加速ラップで楽々と逃げ切った。
2着馬との着差はなんと2秒3。文字通りの大差勝ち(約14馬身)で初白星をマークすると、3戦目は川田将雅騎手に乗り替わって阪神ダート1800mの3歳1勝クラスへ。
ここでも果敢にハナを切ってペースを握ると、2戦続けてラスト3ハロン最速でまとめて8馬身差で勝利。川田騎手も「能力の高い馬」「今日もいい走りをしてくれている」と称えた。
ただ、川田騎手は「性格の難しいところがあるので、そういう面が徐々に大人になってきてくれれば」と課題も挙げており、前に馬を置いて砂を被る展開になった時に同じようなパフォーマンスを発揮できるかどうかがカギとなる。逆に今回もハナを奪えれば圧勝もあるだろう。
そんなムルソーのライバル筆頭格となるのはミッキーファイト(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)だ。
半兄に2022年のチャンピオンズC(G1)を制したジュンライトボルトがいる良血馬で、父がキングカメハメハからドレフォンに替わった本馬はパワフルな馬体の持ち主。デビュー当初450kg台だった兄に対し、ミッキーファイトは2戦目の前走時が544kgと雄大な馬体を誇る。
昨年10月、東京ダート1600mのデビュー戦を差し切ったが、2着馬とはクビ差だった。暮れの中山で2戦目に臨むと、好位3番手から危なげなく抜け出して5馬身差快勝。2戦連続で上がり最速タイムを叩き出しており、パワーと瞬発力を兼ね備えている。
年明けは3月に実戦復帰を予定していたが、約1か月ずれ込んでの始動戦。初の関西遠征を難なくクリアして無傷の3連勝を飾ることができるか。
関西馬だが京都初参戦となるラムジェット(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)も将来性の高さを感じさせる1頭だ。
昨夏の中京ダート1400mでデビュー戦を勝利で飾ると、その後は1勝クラスで2連敗。しかし続く年末の寒椿賞(2歳1勝クラス)で三浦皇成騎手に乗り替わって3戦ぶりの2勝目を挙げて軌道に乗った。
初めて距離を延ばして臨んだ今年初戦のヒヤシンスS(L)は、後方から大外を通って脚を伸ばし、最後は後続に3馬身の差をつけた。前走後はケンタッキーダービー(米G1)を見据えていたが、選出ポイントで出走は叶わず。今回はさらに300mの距離延長となるが、前走の走りを見る限り難なくこなしそうだ。
マルチャレアル(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、3年前のブリーダーズCディスタフ(米G1)を制したマルシュロレーヌを半姉に持つ良血。デビューから全てダートで4戦2勝だが、2勝はどちらも京都で挙げており、今回も侮れない。
カゼノランナー(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)は、デビューから芝で2戦続けて凡走も、ダート替わりの3戦目で6馬身差の逃げ切り勝ちを収めた。走破時計も同日の古馬2勝クラスを上回っており、ダート替わり2戦目でさらにパフォーマンスを上げてくるようならムルソーの最大のライバルとなるかもしれない。
この他には昨秋のデビュー戦で大差勝ちし、前走の1勝クラスで3戦ぶり勝利を挙げたエイカイソウル(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)、伏竜S(OP)でテーオーパスワードとアタマ差の2着に好走したアラレタバシル(牡3歳、美浦・根本康広厩舎)、青葉賞(G2)と両睨みのカレンブーケドールの半弟サンライズソレイユ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)なども虎視眈々と上位をうかがう。
東京ダービーに向けて勝ち名乗りを上げるのはムルソーか、ミッキーファイトか、それとも思わぬ伏兵馬か。注目の一戦は27日15時35分に発走を迎える。
PICK UP
Ranking
17:30更新
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?- 東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- パンサラッサやサイレンススズカも及ばない、天皇賞・秋(G1)史上最速ラップの歴史
- 競馬界に”2世騎手”たちが続々参入中! 息子たちは偉大なる父を超えることができるのか?
- 2017年競馬「流行語大賞」発表! 浜中俊騎手の「もういいでしょう」を退け『2017競馬・流行語大賞』に選ばれたのは……
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事

UAE競馬史上「最強」のジョッキーが短期免許で日本初参戦! ステレンボッシュ、シックスペンスの名門も「いい馬を用意している」

オジュウチョウサンの主戦と「コンビ結成」で大変身!? 未勝利のまま障害入り直前に覚醒…デビュー9連敗に終止符を打った意外な勝因

今村聖奈「関係者に感謝」ランランガールで87戦ぶり祝杯! 永島まなみとは大きな差も「得るものははるかに多い」

「絶不調時の凌ぎ方」こそ強い者とそうでない者の差が出る?キャプテン渡辺が実行している一番良い方法【徒然なる神のくず競馬トーク】

【激走候補5頭】J.モレイラ不在の週末は波乱必至!? 大荒れ実績十分福島牝馬S(G3)&フローラS(G2)【週末重賞ピックアップ】
















