【激走候補5頭】J.モレイラ不在の週末は波乱必至!? 大荒れ実績十分福島牝馬S(G3)&フローラS(G2)【週末重賞ピックアップ】
先週の開催は阪神競馬場で春の嵐が吹き荒れた。13日のアーリントンC(G3)はJ.モレイラ騎手の騎乗した1番人気ディスペランツァが優勝したものの、2着には横山典弘騎手の15番人気のアレンジャーが飛び込み、3着には4番人気のチャンネルトンネルで決着。3連単の払戻は20万円超えの大波乱となった。
来日するたびに凄まじい成績を残している香港のマジックマンことモレイラ騎手の神通力は今年も健在。先述のアーリントンCのみならず、マスクトディーヴァで阪神牝馬S(G2)、ステレンボッシュで桜花賞(G1)を制覇、皐月賞(G1)も7番人気のコスモキュランダで勝ち馬ジャスティンミラノにクビ差の2着など、【3.1.0.0】と重賞を中心に無類の勝負強さを発揮している。
こうなると重賞では、モレイラ騎手が騎乗する馬を押さえるのは必須だと考える人も多いだろう。
だが、今週末は3つの競馬場で土日合わせて、3つの重賞が開催されるにもかかわらず、モレイラ騎手の騎乗馬は重賞、平場も含めてゼロだ。この件に関してJRAから何も発表がされていないため、おそらくG1が中休みの間に英気を養うつもりなのかもしれない。
その一方、頼れる助っ人が突如姿を消した今週末。乗れば単勝オッズ1倍台もザラにあった名手がいないとなれば、重賞で有力馬の人気が分散することとなる。さらに鬼の居ぬ間にとばかりに、いつも以上に気合いの入る騎手や陣営も多くなり、結果的に馬券妙味はたっぷりとなることも十分ありえるだろう。
さらに今週は過去に波乱となったレースが各地で行われることになる。それらの中で高額配当の使者となってくれそうな激アツ馬をピックアップしてみた。
福島牝馬S(G3)激走馬はこれ!?
20日に福島競馬場で行われる牝馬限定重賞の福島牝馬S(G3)は、過去10年で1番人気が【0.4.1.5】と1番人気の勝率が低いレース。15年には1着3番人気→2着9番人気→3着13番人気が入り、3連単は50万円超えとなった。ほかにも高額配当が飛び出した年も多く、荒れる重賞のひとつとして知られている。
今回も絶対的な主役はいないだろう。だが小回りのコースであることから、逃げ、先行優勢となる傾向があるだけに、逃げ馬のラリュエル(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)は注目したい1頭である。
長らく3勝クラスでくすぶっていたが、前走で一変。豊橋S(3勝クラス)では16番の大外に入ったこともあり、12番人気と決して前評判は高くなかったものの、きれいなスタートを決めて主導権を奪う。そのまま軽快な走りでラップを刻み、最後の直線でも脚は止まること無く、後続の追撃を封じて優勝を果たした。
強い勝ち方をした前走後はグリーンウッドへと放牧に出され、ここを目標に調整してきたという。トレセンに戻ってからも状態は好調そのもので、「追い切りは馬場がそこまで良くない時間帯だったものの、終いはこの馬らしい良い動きを見せた」とスタッフもデキに太鼓判を押している。
長いスランプからの脱出を誓うライトクオンタム(牝4歳、栗東・武幸四郎厩舎)も押さえたい1頭だ。
前走の小倉日経オープン(OP)では、吉田隼人騎手を背に好位からジリジリと上がっていき、勝ち馬から0.1秒差の3着と好走。もともと東京新聞杯(G3)を目指していたものの、除外の憂き目にあっての出走だった。急な変更、苦手とする重い馬場、さらに不得手な距離とマイナス要因は多かったものの、一定の結果を出したこともあり、復調気配はプンプン漂っている。
展開次第では上位進出もあり得る実力を秘めているタガノパッション(牝6歳、栗東・武幸四郎厩舎)も侮れない。
前走は小倉大賞典(G3)を除外になったため、中山牝馬S(G3)へ。スタッフは「調整が難しかった」と明かしているが、メンバー中で上がり最速の脚も使えていた。万全の状態であればさらに上位も目指せただろう。
6歳になっても時折気難しい面は見せるものの、堅実さは健在。愛知杯(G3)2着以来となる菱田裕二騎手とのコンビというのも好材料だ。
フローラS(G2)激アツ馬
21日に東京競馬場で行われるフローラS(G2)。こちらも過去10年では【1.2.0.7】と1番人気の信頼度は低い。14年には4番人気→6番人気→13番人気で決着し、3連単で100万馬券が飛び出したこともあった。今回も波乱に警戒しておきたい。
ここで推したいのはまずエルフストラック(牝3歳、栗東・中村直也厩舎)だ。
前走のフラワーC(G3)では9番人気ながら逃げて5着。最後こそ苦しくなってラチ沿いから左に進路がよれてしまったが、それでも勝ち馬から0.2秒差と健闘している。
今週の追い切りでも先行馬の後ろから外を回って楽に先着。時計も出ていた。スタッフも「状態はいいし、メンバー的にも大きな差はないでしょう。うまく流れが向けば」と色気を見せている。
もう1頭はマルコタージュ(牝3歳、美浦・小島茂之厩舎)だ。前走のフラワーCは、スタートで1〜2馬身ほど立ち遅れてしまい、最後方からの競馬。これが響いて8着に終わったが、最後は長く良い脚を使っていた。
課題のゲートに関しては練習などで修正を試みているという。スタッフも「心身ともに状態は安定していますし、なんとかオークス(G1)への出走権利を」と意欲を見せていた。
はたして今週は平穏決着となるか、それとも波乱の結末となるか……。何とか的中してG1シーズンにおける谷間の週にしっかりと軍資金を確保したいところだ。
(構成=GJ編集部)
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