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J.モレイラ「短期免許」条件クリアに暗雲…「スムーズな競馬ができなかった」マスクトディーヴァで痛恨の取りこぼし、残るチャンスはあと「2回」

ヴィクトリアマイル(G1)3着に敗れたマスクトディーヴァ 撮影:Ruriko.I
ヴィクトリアマイル(G1)3着に敗れたマスクトディーヴァ 撮影:Ruriko.I

1番人気マスクトディーヴァ、進路を失い痛恨の敗戦…

 12日に行われたヴィクトリアマイル(G1)は、単勝208.6倍の超人気薄テンハッピーローズが優勝。鞍上の津村明秀騎手はデビュー21年目にして、嬉しい初G1制覇となった。

 勝利インタビューでは「最後の直線は無我夢中で必死に追いました」「G1をやっと勝ちましたが、これで終わりではありません。これからも頑張ります」と喜びを語った津村騎手。レースから引き揚げてくる際、その目には光るものがあった。

 一方、健闘も虚しく3着に敗れたのが、1番人気に支持されていたマスクトディーヴァ(牝4歳、栗東・辻野泰之厩舎)とJ.モレイラ騎手のコンビだ。

 同馬は昨年のローズS(G2)を日本レコードの1分43秒0で勝利。秋華賞(G1)でもリバティアイランドを1馬身差まで追い詰めており、その実力は折り紙付き。前哨戦の阪神牝馬S(G2)でも完勝を決め、最大のライバルだったナミュールも調整が難しいとれる海外遠征帰りだったことから、ここは初G1制覇を飾る絶好のチャンスだった。

 しかし、最後の直線半ばで進路が完全に塞がってしまい、手綱を引っ張る痛恨のロス……。4コーナーではテンハッピーローズと並ぶ位置にいたが、勝ち馬が外を通ったことに対し、本馬は馬群の中を突いたことがアダとなった。ゴール前では進路を内に切り替えて伸びたものの、時すでに遅しだった。

 管理する辻野厩舎にとっても、ここは2021年の開業以来、初G1制覇のチャンスだった。テンハッピーローズは前走で負かしていた相手だっただけに、陣営にとっても悔しい敗戦だったことは想像に難くないだろう。

 また鞍上のJ.モレイラ騎手にとっても、この取りこぼしは誤算だったか。

来年の短期免許取得に黄色信号!?

何とかもう1つG1を勝ちたいJ.モレイラ騎手 撮影:Ruriko.I
何とかもう1つG1を勝ちたいJ.モレイラ騎手 撮影:Ruriko.I

 昨秋に引き続き、今年も4月6日から短期免許で中央競馬に参戦しているモレイラ騎手。もはや日本でもおなじみの名手だが、来年以降の短期免許を取得するには「過去2年間でJRAのG1・2勝」という条件を、来月5日まである今回の短期免許期間内にクリアしなければならない状況だ。

 ステレンボッシュに騎乗した先月の桜花賞(G1)でさっそく1勝目を挙げると、翌週の皐月賞(G1)でも7番人気の伏兵コスモキュランダを僅差の2着に導いた。このブラジル人ジョッキーであればG1・2勝の壁など難なくクリアしそうだと思ったファンも少なくなかったに違いない。

 G1の中休みを挟み、天皇賞・春(G1)はタスティエーラで7着、5日のNHKマイルC(G1)もゴンバデカーブースで4着とやや足踏みしたものの、マスクトディーヴァと臨んだ今回のヴィクトリアマイルはG1・2勝目を挙げる絶好のチャンスだった。

 しかし、不運にも直線でスムーズさを欠いてしまい、星を落とすことに。短期免許の条件クリアも次週以降に持ち越しとなってしまった。なおレース後のモレイラ騎手は「周りの馬の動きから、スムーズな競馬ができませんでした」と、期待に応えられなかったことについてコメントを残している。

「来週開催されるオークス(G1)で引き続きステレンボッシュの手綱を取ればG1勝利を挙げるチャンス大でしたが、モレイラ騎手はブラジルで騎乗を予定しているようです。今回の短期免許は6月5日までなので、来年の短期免許を取得するには、日本ダービー(G1)か安田記念(G1)のどちらかで勝利を挙げなければならない状況となってきました」(競馬誌ライター)

 残るチャンスはあと2回となったモレイラ騎手。皐月賞終了時に漂っていた楽勝ムードから一転、ここにきて暗雲が漂ってきたといえなくもない。

 ただ、ダービーは身元引受調教師である堀宣行師の管理馬ダノンエアズロックかゴンバデカーブースのどちらかに騎乗が濃厚。前者は前哨戦のプリンシパルS(L)を楽勝。昨年のアイビーS(L)でも後にホープフルS(G1)を制するレガレイラ相手に完勝を決めており、ここまで4戦3勝と未知の魅力を秘めた1頭。後者もデビュー2連勝でサウジアラビアロイヤルC(G3)を制し、前走のNHKマイルCでも休み明けながら4着に好走した実力の持ち主だ。

 また安田記念では前哨戦のマイラーズC(G2)を快勝し、前年のマイルCS(G1)でも2着に好走したソウルラッシュと再コンビを組むことが決定しており、チャンスは十分に残されている。残り期間は短くなってきたが“マジックマン”は必ずや真骨頂を発揮してくれるはずだ。

GJ 編集部

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