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【オークス】「牝馬の国枝」が本領発揮!アパパネ、アーモンドアイらを育てた名伯楽の名牝列伝。ステレンボッシュにこれだけの買い要素

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オークス最有力のステレンボッシュ 撮影:Ruriko.I
オークス最有力のステレンボッシュ 撮影:Ruriko.I

 春のG1シリーズも後半戦に突入、今週末は牝馬三冠戦線の第2ラウンドとなるオークス(G1)が行われる。桜花賞(G1)を制したステレンボッシュが二冠を手にするか、それとも伏兵が下剋上を見せるか、注目の一戦だ。

 中心はステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)だが、国枝厩舎といえばアパパネやアーモンドアイで牝馬三冠を達成するなど、「牝馬の国枝」と呼ばれるほど牝馬の活躍が目立つ。牝馬の管理と仕上げに長けているだけに、ステレンボッシュの二冠達成も現実味を帯びてくる。そこでこれまでの国枝厩舎の管理馬や実績、そしてオークスの展望を検証してみた。まずはこれまで国枝厩舎が管理したG1馬を見てみよう。

■国枝厩舎のG1馬(★牝馬)

★アーモンドアイ(牝馬三冠・ジャパンCなどG1を9勝)
★アパパネ(牝馬三冠・ヴィクトリアマイルなどG1を5勝)
★アカイトリノムスメ(秋華賞)
★ピンクカメオ(NHKマイルC)
★サークルオブライフ(阪神JF)
★ステレンボッシュ(桜花賞)
ブラックホーク(スプリンターズS・安田記念)
マツリダゴッホ(有馬記念)
マイネルキッツ(天皇賞・春)
ダノンプラチナ(朝日杯FS)

 国枝厩舎はこれまでG1を23勝しており、上記10頭中牝馬が6頭。しかし勝利の内訳は牝馬が18勝、牡馬は5勝のみとなっている。牝馬三冠を合計8勝しているが、一方で皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)、菊花賞(G1)の3歳クラシックは未勝利と極端な成績。これが「牝馬の国枝」と呼ばれるゆえんだ。

 今年はステレンボッシュでアパパネ、アーモンドアイに続く桜花賞とオークスの制覇を目指しているが、すでに勝利は濃厚といった雰囲気も漂っている。というのも、オークスの勝利を後押しする材料が盛り沢山なのだ。

■絶好調のエピファネイア産駒

 かつては早熟と呼ばれた同産駒だが、今年はヴィクトリアマイル(G1)をテンハッピーローズが勝利するなどJRAで重賞7勝と絶好調。ブローザホーンは2400mの日経新春杯(G2)を勝ち、天皇賞・春(G1)も2着と長距離でも結果を残している。さらにこの東京開催でも産駒がオークスと同じ芝2400mで2勝しており、今最もトレンドな種牡馬といえるだろう。

■ノーザンファームの生産馬

 ノーザンファームは過去20年のオークスで10勝の好成績。そしてアパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、リバティアイランドと、2010年以降に4頭の三冠牝馬を輩出している。そのうち2頭が国枝厩舎の馬であり、桜花賞を勝利した国枝厩舎のノーザンファーム生産馬は、すべてオークスを勝利しているのも大きな後押しとなる。

■桜花賞組が強い

 ローテーションをみると、オークスの過去10年は前走桜花賞組が【7.5.6.63】で、7勝2着5回3着6回と断然の成績を残している。特に桜花賞1着馬は【4.1.0.3】と、8頭が出走して4頭が勝利、勝率50%という好成績。

■相手関係

 ステレンボッシュは前2走の阪神ジュベナイルF(G1)と桜花賞で、アスコリピチェーノ以外には負けていない。桜花賞から距離延長とコース替わりに不安がないことからも、阪神JF組と桜花賞組に逆転される可能性は低い。

 また初対決となるフローラS(G2)1着アドマイヤベルと2着ラヴァンダ。フラワーC(G3)1着ミアネーロと2着ホーエリート。忘れな草賞(L)1着タガノエルピーダは、前々走で条件戦を敗退、あるいはチューリップ賞(G2)で馬券圏外に敗れており、実績的に大きく差がある。

 スイートピーS(L)を勝った3連勝中のコガネノソラも重賞未経験では荷が重い。桜花賞2着アスコリピチェーノが不在であることからも、ここは相手関係にも恵まれたといっていい。

■戸崎圭太騎手

戸崎圭太騎手も国枝厩舎と好相性 撮影:Ruriko.I
戸崎圭太騎手も国枝厩舎と好相性 撮影:Ruriko.I

 今回騎乗する戸崎圭太騎手は、これまで国枝厩舎の管理馬で重賞を5勝しており、今年もダービー卿チャレンジT(G3)をパラレルヴィジョンで勝利。過去のアカイトリノムスメのクイーンC(G3)と秋華賞(G1)、マジックキャッスルの愛知杯(G3)、アーモンドアイのシンザン記念(G3)を含め、なんと5勝すべてが乗り替わりでのもの。国枝厩舎の戸崎騎手への乗り替わりは、絶好の狙いどころなのだ。

 以上のように、ステレンボッシュのオークス制覇を後押しするデータが満載。しかしデータ以上に重要なことは、国枝厩舎は牝馬の管理や仕上げに長けているというのが一番だろう。繊細で状態が変わりやすい牝馬をこれほどまでに活躍させることができるのだから、ステレンボッシュも万全の仕上げであり、不安は皆無といっていい。

 これほどの実績、データ、そして国枝厩舎の手腕からも、今年のオークスはステレンボッシュの二冠達成が濃厚といえる。

仙谷コウタ

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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