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負かした馬たちのG1勝利数は「10」!! スイープトウショウら名馬たちと激戦を繰り広げたあの馬は今…? vol.43
かつて観衆を沸かせた名馬の“今”を紹介!
走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。
全国で暮らす、名馬の個性と“今”を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!
今回のコレクションは、2003年、2004年のクイーンS(G3)などを制した、オースミハルカ!
現在は、北海道浦河郡浦河町にある、鮫川啓一牧場で暮らしているとのこと。
そのお世話をしている鮫川さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!
鮫川 啓一さん
(鮫川啓一牧場 代表)
ウマ歴:25年
出身地:北海道
趣味:田舎で過ごす
休日の過ごし方:ドライブ
オースミハルカ
ニックネーム|ハルカ
生年月日|2000年4月2日
生産者|鮫川啓一牧場
馬主|山路秀則
戦績|22戦6勝(2着3回,3着3回)
獲得賞金|3億23万円 (中央)
主な勝鞍|2003年 チューリップ賞(G3)、2003,2004年 クイーンS(G3)、2004年 府中牝馬S(G3)
父|フサイチコンコルド
母|ホッコーオウカ
母父|リンドシェーバー
ここにきた日|2006年
スティルインラブ、ファインモーション、テイエムオーシャンらを破る活躍
オースミハルカは、2002年8月に札幌競馬の2歳新馬でデビュー。
当時2年目の若手であり、この後オースミハルカの主戦騎手として22戦中17戦で手綱を取ることとなる川島信二騎手を背に新馬勝ちを収めました。
2003年、3歳となったオースミハルカは、牝馬クラシック路線を目指し、桜花賞(G1)トライアルのチューリップ賞(G3)から始動。
レースはシーイズトウショウとの追い比べから抜け出したオースミハルカが、1番人気1.7倍の人気を集め、後に3冠牝馬となるスティルインラブの追撃を凌いで、初重賞制覇を果たしました。
その後、桜花賞(G1)とオークス(G1)では、それぞれ6着、10着に敗れ、次走は8月のクイーンS(G3)に出走。
デビューから6連勝でG1レース2勝を挙げたファインモーションが断トツの1番人気、2番人気にはG1レース3勝を挙げて、これがラストランとなったテイエムオーシャンがいましたが、オースミハルカは逃げ戦法から懸命に押し切って、強豪2頭を従えて先頭でゴールし、重賞2勝目を挙げました。
アドマイヤグルーヴにスイープトウショウ…名牝に阻まれたG1タイトル
その後4戦ほど勝利から遠ざかっていたオースミハルカですが、2004年のクイーンS(G3)では、再びの逃げ戦法で同レース連覇を果たし、次走の府中牝馬S(G3)では、またもやスティルインラブの追撃を凌いで重賞を連勝します。
ここまで重賞4勝、負かした名馬たちのG1勝利数は実に10勝にも上り、オースミハルカもG1馬に値する力を持っていることは明確でしたが、なかなか栄光には手が届かずにいました。
しかし、ここにきて古馬の重賞レースを連勝するなど、“充実期”を迎えたオースミハルカは、この勢いのまま、待望のG1タイトルを手中に収めるべく、次走エリザベス女王杯(G1)に出走。
2番手で競馬を進めると、直線で逃げたメイショウバトラーを捉えて先頭へと立ちますが、中団から脚を溜めて差したアドマイヤグルーヴの強烈な伸びに屈し、3/4馬身差の2着に敗れてしまいました。
そして翌年11月、リベンジに燃えるオースミハルカは、再びエリザベス女王杯(G1)に出走。
同年の秋華賞(G1)を勝ったエアメサイア、昨年の秋華賞(G1)馬で同年の宝塚記念(G1)を勝ったスイープトウショウなど、G1馬5頭がひしめき合う顔ぶれでした。
レースは逃げの手に出たオースミハルカが、向正面で10馬身近くまでリードを広げると、最終コーナーでも未だ5馬身のリードを保って直線へ。
直線は逃げ込みを図るオースミハルカが後続を大きく離し、ラスト200m地点を過ぎても2番手スイープトウショウに5馬身差を付ける独走状態に。
逃げ馬の脚が止まりづらい直線平坦な京都のターフも相まって、実況も、「先頭は完全にオースミハルカ、今年はついに逃げ切るか!?」と叫び、いよいよオースミハルカに大願成就の時が訪れたと、誰もが思いました。
しかしゴール直前、必死に押し切ろうとするオースミハルカに、外から追い込んだスイープトウショウが上がり33.2の猛烈な脚を繰り出し、最後はオースミハルカを1/2馬身捉えて1着でゴール。
自身も完璧な競馬をしたオースミハルカでしたが、馬・騎手共に初となる悲願のG1タイトルは、2年連続で阻まれてしまいました。
第30回 エリザベス女王杯(G1) 2005.11.13 京都 曇・良 芝2,200m 18頭
![現役時代のオースミハルカ](/wp-content/uploads/2024/05/240522_itbc-07.jpg)
引退後、母としても重賞馬を輩出
翌年はヴィクトリアM(G1)を引退レースに見据えて、前哨戦となる京都牝馬S(G3)に出走しましたが、ここで8着に敗れたことで予定を変更し、このレースを最後に競走馬登録を抹消。
生まれ故郷であり、現在も暮らしている鮫川啓一牧場に移動し、繁殖牝馬として第二の馬生をスタートさせました。
母としては、2021年までに11頭の産駒を競馬界へと送り出し、兵庫チャンピオンシップ(G2)やダイオライト記念(G2)を制したオースミイチバンを輩出。
このオースミイチバンを始め、中央競馬で4勝を挙げたオースミラナキラなど、オースミハルカ産駒の主戦を川島信二騎手が務めることも多く、関係者・競馬ファンから愛され続けたコンビでした。
「かしこさ」、「食欲」が☆5とのことで、食事を楽しむことが健康の秘訣と言われていますし、24歳でも食欲旺盛なのは素晴らしいことですね!
担当している鮫川さんに、オースミハルカの“印象的なエピソード”を聞いてみました!
「オースミハルカは牧場にいた仔馬の頃から、競馬でも走りそうな雰囲気を持っていました。」
鮫川さんのウマ歴が25年とのことで、ちょうどオースミハルカがお腹にいる頃から見てきておられるのですね。
結果として重賞4勝を挙げる活躍をしたオースミハルカ、相馬眼的中ですね!
![放牧地を駆けるオースミハルカ](/wp-content/uploads/2024/05/240522_itbc-08.jpg)
![初仔のオースミアザレアと](/wp-content/uploads/2024/05/240522_itbc-09.jpg)
![3番仔のオースミイチバンと](/wp-content/uploads/2024/05/240522_itbc-10.jpg)
![オースミハルカ(左)と母のホッコーオウカ(右)](/wp-content/uploads/2024/05/240522_itbc-11.jpg)
![ホッコーオウカと一緒に](/wp-content/uploads/2024/05/240522_itbc-12.jpg)
晩年になり弱くなっていたホッコーオウカを、護るようにして寄り添っていたそうです。
![しつこく付きまとうと・・・](/wp-content/uploads/2024/05/240522_itbc-13.jpg)
確かに緊張感のある表情、目つきをしていますね…
しつこく、いろいろしてくる馬(人)は苦手なようです。
たくさんの方々に見守られながら24年が経ちました。
これからも暖かく見守って頂けると有難いです。
鮫川さん、オースミハルカのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!
なお、オースミハルカの見学は、6月1日~10月末の14時~16時に可能となっており、見学を希望される方は、鮫川啓一牧場さんのホームページ内「牧場見学」をお読みになって、メールで必要事項を記入のうえ、必ず前々日までにお申込をお願いします。
鮫川啓一牧場「牧場見学」
http://samekawa-posy.a.la9.jp/99_blank041.html
そして、鮫川啓一牧場さんの公式アカウントではありませんが、こまめにオースミハルカの姿を投稿されているXアカウントがありますので、そちらをぜひフォローしてみてください♫
X(旧:Twitter)|@Shark_Tehm1975
協力:鮫川啓一牧場
取材・文:片川 晴喜
編集・デザイン:椎葉 権成
制作:Creem Pan
著作:Creem Pan・GJ
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