
シンザン記念1番人気に推された「良血」が復活V! 名牝エアグルーヴの孫が重賞に匹敵の好時計で快進撃の予感

先週末から中央競馬は函館開催がスタート。土曜と日曜の2日間にわたって、北の大地で熱戦が繰り広げられた。
9日の日曜メイン11Rは、サマースプリントシリーズ初戦の函館スプリントS(G3)が行われ、2番人気のサトノレーヴが優勝。4月の春雷S(L)に続く連勝を決め、スプリンターズS(G1)の有力候補に名乗りを上げた。
「しっかり勝つことが出来て嬉しく思っています。重賞馬になったので、秋の大きなところに挑戦していけると思う」
レース後、そう振り返ったのは鞍上を務めた浜中俊騎手だ。道中3番手の好位から早めに抜け出して、2着馬に1馬身1/4差をつけるまさに完勝。レース後には元JRA騎手の安藤勝己氏も「今のスプリント界なら頂点まで狙える器やと思う」と自身のXにポストするなど、高い評価を与えている。秋に向けて楽しみな新星が現れたといえるだろう。
そのサトノレーヴが6勝目を挙げた約2時間前。ほとんど遜色ないレースぶりで“2勝目”を飾ったのがクファシル(牡4歳、栗東・池添学厩舎)という馬だった。
シンザン記念1番人気に推された「良血」が復活V!
父モーリス、母グルヴェイグ、その母エアグルーヴという超良血の4歳馬が登場したのは、8Rの3歳上1勝クラス。舞台は函館SSと同じ芝1200mだった。
クファシルは2歳時の2022年11月、デビュー戦でR.ムーア騎手を背に快勝すると、キャリア2戦目でシンザン記念(G3)に出走し、ライトクオンタムやペースセッティングらを抑えて1番人気に支持された逸材である。
しかし、7頭立ての同レースで最下位に敗れると、長らく1勝クラスで低迷。昨年10月にキャリア3度目となる最下位、16着に惨敗した後は骨折もあって長期休養に入っていた。
約8か月ぶりの実戦となった今回は、1勝クラスで惨敗続きだったこともあり、13頭立ての8番人気、単勝オッズ38.1倍の伏兵扱いだった。

ところが前走に続き2度目となる手綱を取った池添謙一騎手を背に好スタートを決めると、3番手インの好位を確保。余裕の手応えで4コーナーを迎えると、池添騎手がうまくインに誘導。前にいたフィオライアが壁になるシーンもあったが、すぐに外に切り替えて、最後は同馬に3/4馬身差をつけて差し切った。
小回り函館で器用なところを見せたクファシルだが、その走破時計も実に優秀。勝ちタイム1分8秒8は、函館SSを制したサトノレーヴの1分8秒4より0秒4遅いだけだった。しかも背負っていた斤量はサトノレーヴより1kg重い58kg。レース展開や若干の馬場の違いなどはあるかもしれないが、そのレース内容は高く評価していいだろう。
「骨折前に比べると、馬っぷりもよかったですね。最後の直線で一瞬前が詰まって立て直すロスがあったにもかかわらず、勝ち時計は函館SSで6着に入ったゾンニッヒと同じでした。
シンザン記念以降は不甲斐ない競馬が続いていましたが、骨折休養中に陣営がうまく立て直しましたね。母グルヴェイグが3連勝で4歳夏のマーメイドS(G3)を制していますし、今夏の北海道でオープン入りを決めてしまうかもしれませんよ。今日のような走りができれば、条件クラスに留まるような馬ではないはずです」(競馬記者)
シンザン記念で1番人気に推されたエアグルーヴ一族の良血馬が見せた素質は間違いなくホンモノ。昇級後もその走りに注目だ。
PICK UP
Ranking
11:30更新武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 引退・種牡馬入りが一転して現役復帰!? 数奇な運命をたどることになった競走馬たち
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRAマイネル軍団総帥・岡田繁幸さん逝く。武豊「僕の原点、この馬と一緒に全国区になった」絶体絶命だった天才を世に放った偉大な決断と信念【特別寄稿】
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
関連記事
武豊&ライトクオンタムにも“とばっちり”!? 出世レース1番人気の「超良血馬」がまたもシンガリ負け
【函館スプリントS】いよいよ夏競馬もスタート、函館を徹底解剖!絶対に買うべきアサカラキング、サトノレーヴ、ビッグシーザーを超える穴馬1頭とは?
J.モレイラ「これからも楽しめる」ハクサンムーン弟が超出世レースを快勝! 7戦5勝「遅れてきた大物」が兄の果たせなかったG1制覇に王手!
【阪急杯(G3)】サトノレーヴ「1週前倒しで参戦」サンライズロナウド「雨が降ったら、さらに」栗東・美浦から耳寄り情報! 高松宮記念(G1)を見据える馬たちの状態は
「勝ち馬が一枚上だった」王者の背中を知る男も能力を称賛! 連対率100%キープの「新星」が横綱相撲で3連勝