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シンザン記念1番人気に推された「良血」が復活V! 名牝エアグルーヴの孫が重賞に匹敵の好時計で快進撃の予感
![画像はイメージ](/wp-content/uploads/2021/03/20210314_chukyoukeiba_74.jpeg)
先週末から中央競馬は函館開催がスタート。土曜と日曜の2日間にわたって、北の大地で熱戦が繰り広げられた。
9日の日曜メイン11Rは、サマースプリントシリーズ初戦の函館スプリントS(G3)が行われ、2番人気のサトノレーヴが優勝。4月の春雷S(L)に続く連勝を決め、スプリンターズS(G1)の有力候補に名乗りを上げた。
「しっかり勝つことが出来て嬉しく思っています。重賞馬になったので、秋の大きなところに挑戦していけると思う」
レース後、そう振り返ったのは鞍上を務めた浜中俊騎手だ。道中3番手の好位から早めに抜け出して、2着馬に1馬身1/4差をつけるまさに完勝。レース後には元JRA騎手の安藤勝己氏も「今のスプリント界なら頂点まで狙える器やと思う」と自身のXにポストするなど、高い評価を与えている。秋に向けて楽しみな新星が現れたといえるだろう。
そのサトノレーヴが6勝目を挙げた約2時間前。ほとんど遜色ないレースぶりで“2勝目”を飾ったのがクファシル(牡4歳、栗東・池添学厩舎)という馬だった。
シンザン記念1番人気に推された「良血」が復活V!
父モーリス、母グルヴェイグ、その母エアグルーヴという超良血の4歳馬が登場したのは、8Rの3歳上1勝クラス。舞台は函館SSと同じ芝1200mだった。
クファシルは2歳時の2022年11月、デビュー戦でR.ムーア騎手を背に快勝すると、キャリア2戦目でシンザン記念(G3)に出走し、ライトクオンタムやペースセッティングらを抑えて1番人気に支持された逸材である。
しかし、7頭立ての同レースで最下位に敗れると、長らく1勝クラスで低迷。昨年10月にキャリア3度目となる最下位、16着に惨敗した後は骨折もあって長期休養に入っていた。
約8か月ぶりの実戦となった今回は、1勝クラスで惨敗続きだったこともあり、13頭立ての8番人気、単勝オッズ38.1倍の伏兵扱いだった。
![クファシルに騎乗した池添謙一騎手 撮影:Ruriko.I](/wp-content/uploads/2021/04/Ruriko.I_20210418_ikezoekenichi_42.jpeg)
ところが前走に続き2度目となる手綱を取った池添謙一騎手を背に好スタートを決めると、3番手インの好位を確保。余裕の手応えで4コーナーを迎えると、池添騎手がうまくインに誘導。前にいたフィオライアが壁になるシーンもあったが、すぐに外に切り替えて、最後は同馬に3/4馬身差をつけて差し切った。
小回り函館で器用なところを見せたクファシルだが、その走破時計も実に優秀。勝ちタイム1分8秒8は、函館SSを制したサトノレーヴの1分8秒4より0秒4遅いだけだった。しかも背負っていた斤量はサトノレーヴより1kg重い58kg。レース展開や若干の馬場の違いなどはあるかもしれないが、そのレース内容は高く評価していいだろう。
「骨折前に比べると、馬っぷりもよかったですね。最後の直線で一瞬前が詰まって立て直すロスがあったにもかかわらず、勝ち時計は函館SSで6着に入ったゾンニッヒと同じでした。
シンザン記念以降は不甲斐ない競馬が続いていましたが、骨折休養中に陣営がうまく立て直しましたね。母グルヴェイグが3連勝で4歳夏のマーメイドS(G3)を制していますし、今夏の北海道でオープン入りを決めてしまうかもしれませんよ。今日のような走りができれば、条件クラスに留まるような馬ではないはずです」(競馬記者)
シンザン記念で1番人気に推されたエアグルーヴ一族の良血馬が見せた素質は間違いなくホンモノ。昇級後もその走りに注目だ。
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