【ラジオNIKKEI賞(G3)展望】単勝1.9倍レーベンスティールも撃沈…3歳唯一のハンデ重賞は1番人気が大苦戦中!
JRAで唯一の3歳馬によるハンデ重賞・ラジオNIKKEI賞(G3)が30日、福島競馬場で行われる。7年連続で1番人気が優勝しておらず、昨年も単勝1.9倍の圧倒的支持を得たレーベンスティールが3着に敗れた。今年もその傾向は続くのだろうか?
クラシック戦線で戦ってきたサトノシュトラーセ
今年、その1番人気に支持される可能性が高いのが、サトノシュトラーセ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
今年に入って、あすなろ賞(1勝クラス)を出遅れながら勝利すると毎日杯(G3)へ。メイショウタバルが2着に6馬身差をつけて、観客の度肝を抜いたこの1戦で、サトノシュトラーセは出足がつかず後方からの競馬となってしまい6着。鞍上の藤岡康太騎手は、「もっと前めのポジションを選択していれば、結果は違ったと思います」と肩を落とした。
続いてはM.デムーロ騎手を鞍上に迎え、青葉賞(G2)に挑戦。序盤は後方に控えていたものの、逃げたパワーホールが大きくリードを広げたのを見てか、向正面から早めに上がってポジションを取りに行った。この辺りは前回の1戦を踏まえ、陣営から指示があったのかもしれない。
だが最後の直線で、内から寄ってきたライバルに進路を狭められてしまう。勝負どころでの不利は痛かったが、それでも最後まで諦めずに4着まで迫った勝負根性は称賛に値する。デムーロ騎手が、「すごくもったいない」と悔やむのも当然だろう。
今回もデムーロ騎手が継続して騎乗する予定。「いい馬ですよ」と、その素質を評価しているだけに、ここで結果を出して秋の飛躍へ繋げたいところだ。
開幕週の馬場を味方にできそうなシリウスコルト
そして、ラジオNIKKEI賞は馬場状態の良い開幕週に行われるため、逃げ馬に要注意だ。過去10年で[1-2-3-4]の勝率10%、複勝率60%の成績を残している。その点を考えると前に出る脚を持つシリウスコルト(牡3歳、美浦・宗像義忠厩舎)にも注目が集まる。
前々走の弥生賞ディープインパクト記念(G2)で3着。これまでは道中控えることも多かったが、ここでは序盤から積極的に前に出て主導権を奪い、レースを牽引。最後の直線でコスモキュランダ、シンエンペラーに交わされたものの、粘りを見せて馬券圏内を賑わせた。
騎乗した三浦皇成騎手は「作戦というより、この馬のリズムで走らせてあげられれば能力をしっかり出せるのはわかっていた。少頭数で、行く馬もいなかったので」と、あくまで逃げを狙っていたわけではないと語るものの、このきっぷの良い逃げっぷりは魅力的だ。
皐月賞(G1)はメイショウタバルが前半1000mは57秒5で進む超ハイペースの展開。離れた2番手で進んでいたが、自身のリズムでは走れなかったか、直線では脚が残っておらず、14着と惨敗している。今回は主導権を握ることができれば、重賞初制覇が見えてくるはずだ。
海外帰りのセットアップは芝で見直し
だが、今年のラジオNIKKEI賞は積極策に打って出そうな馬も多い。まず主導権争いに参戦しそうなのは、海外帰りのセットアップ(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だろう。
昨年の札幌2歳S(G3)を逃げて優勝。暮れの朝日杯フューチュリティS(G1)では、好スタートから序盤は先頭に立つも、道中上がってきたシュトラウスにハナを譲って2番手を追走。直線では伸び切れず7着に敗れている。
このまま牡馬クラシックに向かうかと思いきや、近親に22年のJBC2歳優駿(G3)覇者ゴライコウなどがいたこともあり、陣営はダート1600m戦のサウジダービー(G3)を選択。3番人気に支持されたものの、11着と大敗を喫した。
海外帰り初戦となるが、休養を挟んだため、疲れも残っていないようだ。1週前追い切りでは、僚馬と併せられると美浦Wコースで5F69秒4―11秒9(馬なり)をマークしている。芝の復帰戦となる今回は、なんとしてでも結果が欲しいところだろう。
2連勝中のミナデオロなど伏兵陣も多士済々
この他にも2連勝中のミナデオロ(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)、スプリングS(G2)で2着に入ったアレグロブリランテ(牡3歳、美浦・上原佑紀厩舎)、ゆりかもめ賞(1勝クラス)を勝ったウインマクシマム(牡3歳、美浦・畠山吉宏厩舎)なども逃げておかしくはない。あまり人気を集めないかもしれないが、“人気薄の逃げ馬は押さえよ”との格言もある。頭の片隅にでも入れておいて損はないだろう。
開幕週でパンパンの良馬場を味方につけた快速自慢たちが押し切るのか、それともその間隙をついて後方から切れ味鋭い末脚を持つ馬が飛び込んでくるのか。今年のラジオNIKKEI賞の展開や如何に? 発走は15時45分を予定している。
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