
【宝塚記念(G1)展望】最多得票ドウデュース×武豊が主役! 雪辱期すジャスティンパレス、4歳世代の星ベラジオオペラ、D.レーン×シュトルーヴェらが上半期の総決算に集結

<目次>
- 歴代最多23万8367票を獲得したドウデュース
- ジャスティンパレスとルメール騎手は4戦4勝の好相性
- 大阪杯でG1初勝利をゲットしたベラジオオペラ
- G2連勝中の上がり馬シュトルーヴェ
- 大阪杯2着ローシャムパークら侮れない伏兵陣
23日に行われる上半期の総決算、第65回宝塚記念(G1)。今年は18年ぶり、グレード制が導入された1984年以降では4回目となる京都競馬場での開催となる。
歴代最多23万8367票を獲得したドウデュース
今年、中心となるのは、歴代最多となる23万8367票を獲得したドウデュース(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)であることは間違いないだろう。

昨年末、武豊騎手を背に有馬記念(G1)を制覇。今年は3月30日にメイダン競馬場で開催されたドバイターフ(G1)から始動。ダントツの1番人気に支持されたものの、直線で前が塞がってしまい、脚を余す格好の5着に終わっていた。
だが、不完全燃焼に終わったためか、海外遠征帰りの疲れもさほどなさそうだ。栗東CWコースで、3頭併せで行われた1週前追い切りでは、武豊騎手が騎乗し、6F79秒8−10秒8の時計を叩き出した。元々、稽古では走るタイプではあるものの、その圧巻の走りに、武豊騎手も「調教だけでお金を取れる馬」と満足気だったという。
また、ドウデュース陣営は10月に行われる凱旋門賞(仏G1)への2度目の挑戦も視野に入れている。
思い返せば18年前、京都競馬場で開催された宝塚記念を制したのは武豊騎手×ディープインパクトだった。このコンビは勢いに乗り、凱旋門賞へ挑戦したものの、無念の失格。武豊騎手にとっては苦い思い出となっていることは想像に難くない。リベンジを狙う武豊騎手にとっても、これ以上ない舞台が整っている。
宝塚記念を快勝し、昨年制した有馬記念とのグランプリ連覇を成功させて世界最高峰の一戦へ向かいたいところだ。
ジャスティンパレスとルメール騎手は4戦4勝の好相性

そのドウデュース×武豊騎手の前に立ちふさがるのは、C.ルメール騎手が鞍上に復帰したジャスティンパレス(牡5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。

このコンビで昨年の天皇賞・春(G1)を制覇。しかし、ルメール騎手が後の重賞戦線でイクイノックスを選択したこともあり、コンビ解消。それから、鮫島克駿騎手で宝塚記念を3着、横山武史騎手で天皇賞・秋(G1)2着、有馬記念4着。今年になって、ドバイシーマクラシック(G1)ではJ.モレイラ騎手に手綱が託されるも4着と、勝利は遠かった。
そんなジャスティンパレスとルメール騎手は4戦4勝の好相性。彼が戻ってきたことはなによりも好材料と言えるだろう。
ルメール騎手が騎乗して3頭で併せられた1週前追い切りでは、6F80秒3−11秒7をマーク。僚馬相手にクビ差遅れたものの、ルメール騎手は「フットワークはすごく柔らかかった。競馬の日はベストコンディションになると思う」と、今後、さらに状態が良くなると期待をかけている。
最高のパートナーが戻ってきたジャスティンパレスが、ドウデュース×武豊騎手を相手に、どこまで迫れるか、注目が集まる。
大阪杯でG1初勝利をゲットしたベラジオオペラ

打倒ドウデュースの2番手は、新鋭のベラジオオペラ(牡4歳、栗東・上村洋行厩舎)だ。

今年は京都記念(G2)2着後に出走した大阪杯(G1)で、見事にG1初勝利をゲット。2番手を追走から最後の直線で先頭に立つと、後方から脚を伸ばしてきたローシャムパークとルージュエヴァイユの追撃を、持ち前の勝負根性で凌ぎ切って見せた。
1週前追い切りでは上村師自らが手綱を取り、併せ馬。6F81秒5−10秒8と、最後は鋭い切れ味の末脚を繰り出して、上々のタイムを記録している。上村師も「いい動きだった」と好感触を得ていたようだ。
クラシックで好走した同世代が軒並み伸び悩んでいる現4歳世代。年長馬相手に苦戦の続く世代レベルの低さを危ぶむ声も一部で出ているが、先週のエプソムC(G3)では、トップクラスの1頭レーベンスティールが、59キロを背負って他馬を圧倒した。大阪杯優勝で一足先に反撃の狼煙を上げたベラジオオペラもこれに続きたい。
G2連勝中の上がり馬シュトルーヴェ

去勢後、中距離戦で3連勝を記録しているシュトルーヴェ(セ5歳、美浦・堀宣行厩舎)は、名手D.レーン騎手とともに大舞台での勝利を誓う。
前走の目黒記念(G2)は、モレイラ騎手を背に強烈なインパクトを残す勝利を挙げた。後方で脚をため、最後の直線で外に出されると、上がり最速となる32秒9の末脚を発揮。先を行くライバルを交わし、優勝を飾っている。これは直前に行われた日本ダービー(G1)で最速上がりをマークしたレガレイラの33秒2を上回る出色の切れ味だった。
レース後、モレイラ騎手は、「使うたびにステップアップしている」と語っていた。ここに来て目覚ましい成長曲線を描いているシュトルーヴェが、レーン騎手のエスコートで、G1初勝利を収めても不思議ではない。
大阪杯2着ローシャムパークら侮れない伏兵陣


この他には、前走の天皇賞・春で2着に好走したほか中長距離重賞で好成績を残しているブローザホーン(牡5歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)、大阪杯で2着に入ったローシャムパーク(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)、今回は川田将雅騎手を鞍上に迎えた大阪杯3着のルージュエヴァイユ(牝5歳、美浦・黒岩陽一厩舎)、スランプからの脱却が期待されるソールオリエンス(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)なども虎視眈々と上位進出をうかがう。
今年の宝塚記念は歴代最多得票で選出されたドウデュースが、競馬ファンからの期待に応えるのか、それともライバルが意地を見せるのか。発走は23日、15時40分の予定だ。
(文=GJ編集部)
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