菅原明良&横山武史「フレッシュコンビ」ワンツーの裏で…平均年齢「55.3歳」の3人が存在感!「前残り」馬場読んだ熟練の技で「15万馬券」を演出
フレッシュな2人がワンツーを決めた今年の宝塚記念
23日、京都競馬場で行われた宝塚記念(G1)は、菅原明良騎手が騎乗した3番人気のブローザホーンが快勝。人馬ともに嬉しいG1初制覇を飾った。
2着には横山武史騎手騎乗の7番人気ソールオリエンスが入り、23歳と25歳のフレッシュな2人がワンツーフィニッシュ。その一方で、人気を集めた55歳・武豊騎手のドウデュースと、45歳C.ルメール騎手のジャスティンパレスはそろって掲示板を外す結果に終わった。
上半期のグランプリは若手とベテランが明暗を分ける形となったが、その10分前に行われた東京メインのパラダイスS(L)は全く違う結末を迎えていた。
フルゲート16頭で争われた芝1400mの一戦は、三浦皇成騎手騎乗のロジリオンが1番人気。前走のNHKマイルC(G1)で3着した実力馬が好相性の7ハロン戦でクロッカスS(L)に続くリステッド競走2勝目を狙った。
ところがロジリオンは、3コーナーで他馬に寄られて位置を下げる痛恨の不利。三浦騎手もレース後に「コントロールの効かない馬がいたので……。せっかく良いスタートを切れたのに、馬が可哀想でした」と嘆くほどだった。
結局、中団からレースを進めたロジリオンは最後の直線でジワジワと脚を伸ばしたが4着まで。1番人気を裏切る結果となった。
平均年齢「55.3歳」の3人が存在感!
そんなロジリオンを尻目に逃げの手を打ち、そのまま先頭でゴールを駆け抜けたのが、同じ3歳牡馬のオーキッドロマンスだ。
6番枠から好スタートを決めると、鞍上を務めた53歳の内田博幸騎手が激しく手綱を押して行く構えを見せた。結局競らせることなくハナを切ると、前半3ハロン35秒5のスローペースに落とし込むことに成功。最後の直線もしぶとく粘ってまんまと逃げ切った。
その内田騎手とオーキッドロマンスをマークするように直後のインを追走していたのは、JRA最年長57歳・柴田善臣騎手が騎乗した7番人気メイショウチタンである。こちらは2番枠からロケットスタートを決めたが、無理には出していかず。うまくポケットの3番手に収まり、16頭の中で最も距離ロスなく最後のコーナーを迎えることができた。
直線では最内を突いてオーキッドロマンスに並びかけそうになる場面も作ったが、4kgの斤量差も響いたか、最後は競り負けての2着に敗れた。
このレースで興味深かったのはワンツーを決めたベテランジョッキー2人のレース後コメントである。
内田騎手は「前回は速い流れに戸惑っていたので、今日はメンコを外して臨みました」、柴田善騎手は「今日は落ち着いてレースをする事ができました」。それぞれのコメントからは、パートナーとの騎乗経験を存分に生かしていたことが分かる。
まさに酸いも甘いも知る2人の熟練の技がもたらした結果だったといえるだろう。
そしてもう一人、忘れてはならない56歳の大ベテランもこのレースで好騎乗を見せていた。それが先月、日本ダービー(G1)3勝目を挙げた横山典弘騎手である。
横山典騎手はこのレースで8番人気のフリームファクシと初コンビ。昨年のきさらぎ賞(G3)を制した実力馬も、その後は苦戦が続いていたが、今回は得意の左回りに加えて意欲の連闘策で、陣営も“仕事人”を鞍上に一発を狙っていたはずだ。しかし、5番手に先行しての3着が精いっぱいだった。
それでもフリームファクシが人気を上回る好走を見せたため、2→7→8番人気で決着した同レースの三連単配当は15万1970円。開催最終週にもかかわらず、前残りに変貌していた府中の芝の傾向を読み切ったことは、ベテラン3人による“合作”だったともいえるだろう。
JRA合計6630勝を挙げる平均年齢55.3歳の3人も、今年に入ってからは合計わずか22勝と苦戦中。それでもここ一番での勝負強さは健在だ。宝塚記念の裏でまざまざとそれを見せつけてくれた。
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