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【関屋記念(G3)展望】国枝栄VS堀宣行VS木村哲也! 夏のマイル王、そして秋の実りを見据え関東のトップ厩舎が激突

画像はイメージ
画像はイメージです 撮影:Ruriko.I

秋のマイルCSを見据えたサマーマイルシリーズ第3戦

 11日、サマーマイルシリーズ第3戦・関屋記念(G3、芝1600m)が新潟競馬場で開催される。夏のマイル王の行方はもちろん、秋のマイルCS(G1)を見据えた一戦。さっそく展望したい。

 関屋記念といえば、ハンデ戦が中心の夏重賞では数少ない別定戦。そんな背景もあって、毎年の出走馬のレベルは低くない。今年も多士済々なメンバーが集まった混戦が期待されるが、パラレルヴィジョン(牡5歳、美浦・国枝栄厩舎)は期待の1頭だ。

パラレルヴィジョンの近5走成績
パラレルヴィジョンの近5走成績

 ここまで14戦6勝と高い勝率を誇っているパラレルヴィジョン。だが、父がオールラウンダーのキズナということもあって、その競走生活は試行錯誤の繰り返しだ。

 3歳春と遅い芝2000mのデビュー戦を快勝した本馬は、1勝クラスも連勝。秋の神戸新聞杯(G2)では後の天皇賞馬ジャスティンパレスらを相手に1番人気に推されるほどの逸材だ。芝2200mの菊花賞トライアルで7着に敗れると、陣営はベスト条件を求めて徐々に距離を短縮させていく。昨秋に勝ち上がった3勝クラスはダートのマイル戦だった。

 今回の関屋記念で最有力候補の1頭に挙がるパラレルヴィジョンだが、芝のマイル戦線に登場したのは、今年1月のニューイヤーS(L)だ。ここを快勝すると、続くダービー卿チャレンジT(G3)で重賞初制覇。今春の安田記念(G1)では6番人気と高い評価を受けた。

 だが、結果は13着。1番人気で勝利したロマンチックウォリアーを意識する競馬を試みたものの、勝負所で差をつけられた。大敗だが、C.ルメール騎手は「馬場を気にしていた」と発言しており、ここは巻き返しの一戦となりそうだ。今回は三浦皇成騎手が手綱を取る。


 春にマイル重賞を勝って飛躍したのはパラレルヴィジョンだけではない。東京新聞杯(G3)の覇者サクラトゥジュール(牡7歳、美浦・堀宣行厩舎)が秋を見据えての登場だ。

サクラトゥジュールの近5走成績
サクラトゥジュールの近5走成績

 昨年の関屋記念では6着に敗れるも、上がり3ハロンは最速の32.8秒を記録するなど、確かな末脚を持つサクラトゥジュール。どちらかといえば後方から強烈な末脚を発揮する追い込みタイプだけに展開待ちといった弱みはあるが、成長の跡を示したのが前走の東京新聞杯だった。

 レース後、開口一番で「何よりも前半にリラックスさせて運びたかった」と振り返ったR.キング騎手のコメント通り、スタートから上手く流れに乗った。道中6番手と積極的なレース運びを見せると、最後の直線では1枠1番を活かして内から強襲。逃げ粘るウインカーネリアンをしっかりと捉えた。

 一方で1番人気のマスクトディーヴァは、後方から鋭い決め手を発揮するも6着止まり。重賞初制覇と共に殻を破った感のあるサクラトゥジュールがどういったポジションから競馬を進めるかは、今年の関屋記念の1つの見所といえるだろう。今回は佐々木大輔騎手が騎乗する見込みだ。


 昨年はアヴェラーレとディヴィーナがワンツーゴールを決めるなど、関屋記念は夏らしく牝馬の活躍が目立つレースでもある。今年はプレサージュリフト(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)に期待がかかる。

 デビュー2戦目のクイーンC(G3)で後の二冠馬スターズオンアースを破って重賞初制覇を果たすなど、プレサージュリフトといえば強烈な決め手がトレードマークだった。

 だが、今のプレサージュリフトは当時とは真逆の番手から粘り込む競馬が板についている。前走のメイS(OP)も3番手からしぶとい末脚を発揮。先行有利の展開で、最後は前を行く2頭を交わして1番人気に応えた。

 レース後、鞍上のルメール騎手は「スタートがめちゃくちゃ速かった。その分、良いポジションが取れた」と序盤のアドバンテージが勝因だったことを強調。「いつもは伸びてきても最後に止まってしまうが、今日はゴールまで伸びてくれた」と成長に手応えを感じている様子だった。スタートさえ決まれば、重賞2勝目のチャンスは目の前だ。


 サマーマイルシリーズの行方を占うという意味では、第1戦の米子S(L)を勝っているトゥードジボン(牡5歳、栗東・四位洋文厩舎)のモチベーションは高いはずだ。

トゥードジボンの近5走成績
トゥードジボンの近5走成績

 年明けの京都金杯(G3)で1番人気に推されたトゥードジボンだったが、ここで3着に敗れて賞金加算に失敗すると3戦連続で二けた着順に大敗するなど、春はやや歯車が狂った印象だった。

 しかし、松山弘平騎手と初コンビを組んだ前走の米子Sでは、スタートから積極手にハナに立つと後続を翻弄。終わってみれば2着ディオに1馬身半差をつける完勝だった。今回も引き続き松山騎手が騎乗する見込みで、展開のカギを握っているのはこの馬かもしれない。

 この関屋記念を勝てば、サマーマイルシリーズ優勝はほぼ手中に入るはず。夏のマイル王の座に輝くためにも、ここは格好をつけておきたい。

 奇しくも今年の関屋記念は国枝厩舎、堀厩舎、木村厩舎といった今の関東をリードするトップステーブル同士の争いとなったが、米子Sで2着したディオ(牡5歳、栗東・辻野泰之厩舎)、今年の京都金杯を勝ったコレペティトール(牡4歳、栗東・中竹和也厩舎)、スプリント路線から参戦するサンライズロナウド(牡5歳、栗東・安田翔伍厩舎)、上がり馬のジュンブロッサム(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)など、関西馬も虎視眈々と逆転を狙っている。

 また、3歳馬のディスペランツァ(牡3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)、ロジリオン(牡3歳、美浦・古賀慎明厩舎)も興味深い存在と言えるだろう。

 求めるものは夏の王か、秋の実りか、それともその両方か。陣営の思惑が絡み合う夏の新潟マイル決戦・関屋記念は11日の15時45分に発走予定だ。夏の変則開催も終わり、通常通り11Rの開催となる。

GJ 編集部

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