
【キングジョージ(G1)展望】世界最強オーギュストロダンに挑戦状を叩きつけるのは? 欧州上半期の祭典でディープインパクトVSハーツクライが実現も

日本時間27日に英アスコット競馬場でキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)が開催される。日本の上半期の締めくくりがグランプリ・宝塚記念(G1)なら、キングジョージ6世&QESはイギリス、アイルランド、フランス、ドイツなど欧州競馬の締めくくりとなる。
中心はディープインパクト産駒最後の大物といわれるオーギュストロダン(牡4歳、愛・A.オブライエン厩舎)だ。
ディープインパクト産駒だが、アイルランド産となるオーギュストロダン。昨年は日本の皐月賞(G1)にあたる英2000ギニー(G1)こそ1番人気を裏切ってしまったが、英・愛ダービー(共にG1)を制覇。秋には米国のブリーダーズCターフ(G1)も勝利し、今や世界のトップホースに君臨している。
今年は始動戦となったドバイシーマクラシック(G1)こそ大敗したものの、前走のプリンスオブウェールズS(G1)でG1・6勝目をゲット。秋にはジャパンC(G1)参戦の可能性もあり、ここで再び欧州No.1を証明しておきたい。
今年の英ダービー馬が挑戦状?
例年であればオーギュストロダンの1強になってもおかしくないが、今年はそうはいかないかもしれない。この春に英国ダービー馬となったシティオブトロイ(牡3歳、愛・A.オブライエン厩舎)が登録しているからだ。
今春は英2000ギニーで1番人気になって惨敗という同厩の大先輩と同じ過程を踏んで英ダービーを制覇。だが、その後は愛ダービーに進まず、今月6日のエクリプスS(G1)で古馬を相手に完勝している。
仮にキングジョージ6世&QESに出走すれば中2週となるが、欧州では珍しくない。また両馬の主戦であるR.ムーア騎手がどちらに騎乗するのかも注目。ただ、同じオブライエン厩舎の3歳馬だけに、このレースの他にも選択肢がありそうだ。
レベルスロマンス(セン6歳、英・C.アップルビー厩舎)も出否未定ながら、出てくれば優勝候補の1頭になる。
今春のドバイシーマクラシックではオーギュストロダンだけでなく、日本のシャフリヤールやリバティアイランドを相手に快勝。G1・5勝を誇る2400mでは間違いなく世界指折りの存在で、キングジョージ6世&QESでオーギュストロダンと対決になれば世界の注目が集まるだろう。
オブライエン厩舎からはG1・4勝の強豪ルクセンブルク(牡5歳、愛・A.オブライエン厩舎)も登録を済ませている。
G1・4勝目となった前走のコロネーションC(G1)の完勝劇も然ることながら、昨秋の愛チャンピオンS(G1)ではオーギュストロダンと半馬身差、香港C(G1)では今春の安田記念(G1)を制したロマンチックウォリアーと短アタマ差の接戦を演じての2着と言った方が、この馬のレベルの高さが伝わるかもしれない。仮に出走すれば、昨年4着よりも上の着順が狙えるはずだ。
世界最強厩舎からもう1頭、ロスアンゼルス(牡3歳、愛・A.オブライエン厩舎)の名も挙げておきたい。
先ほど英国ダービー馬となったシティオブトロイが愛ダービーに出走しなかったと記載したが、代わりにオブライエン厩舎が送り込んだのが、英ダービー3着馬のロスアンゼルスだった。レースでは直線半ばで先頭に立って押し切る横綱相撲。シティオブトロイほどではないが、この馬も世代屈指の実力馬といえるだろう。英ダービー馬同様、他の選択肢も少なくないが、出てくれば当然有力候補だ。
ディープインパクトVSハーツクライ?
最後にコンティニュアス(牡4歳、愛・A.オブライエン厩舎)を挙げておく。
昨秋、日本の菊花賞(G1)にあたる英セントレジャー(G1)を制覇し、凱旋門賞(G1)でも5着に善戦。これだけのトップクラスが、ハーツクライ産駒で日本のパカパカファームの生産馬なのは日本の競馬ファンとして嬉しい限りだろう。
前哨戦のハードウィックS(G2)で5着に敗れたため評価は下がっているが、ドウデュースに代表されるようにハーツクライ産駒は叩き良化型が多い。父はこの舞台で日本最高着順となる3着。当時の世界最強馬を相手に堂々と戦いを演じた。そのリベンジを果たしたい。
他にもサンクルー大賞(G1)を勝ったドバイオナー(セン6歳、英・W.ハガス厩舎)、昨年のコロネーションCの勝ち馬エミリーアップジョン(牝5歳、英・J&T.ゴスデン厩舎)、トップクラスの牝馬ブルーストッキング(牝4歳、英・R.ベケット厩舎)なども登録を済ませており、出てくれば面白い存在になる。
直前の回避も多い欧州だけにあくまで登録段階という紹介になったが、ディープインパクトVSハーツクライという日本でお馴染みの対決が、欧州最高峰の舞台で見られるかもしれない。これだけのメンバーが登録しているだけに、できるだけ多くの馬が無事に出走を迎えられればというのがファンの願いだろう。
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