【エルムS(G3)展望】芝G1大金星を挙げたあの1頭がダート重賞初制覇を狙う! 故障に泣いた大器の復活なるか?
8月4日、札幌競馬場で北海道開催唯一のダート重賞、エルムS(G3)が行われる。今年はかつて芝の重賞で大金星を挙げて、話題となったあの1頭が中心となりそうだ。
2歳時に行われたホープフルS(G1)で14番人気ながら優勝を果たし、次走のUAEダービー(G2)でも7番人気ながら2着と好走したドゥラエレーデ(牡4歳、栗東・池添学厩舎)。舞台を本格的に芝からダートに転向した実績馬が、重賞2勝目を狙う。
UAEから帰国後は日本ダービー(G1)に向かうもスタート直後に躓き、坂井瑠星騎手を振り落として無念の競走中止。その後、宝塚記念(G1)で10着。秋はセントライト記念(G2)から始動し、8着と芝で凡走を続けていた。
陣営はこの結果を受けて、ダート転向を決意。12月のチャンピオンズC(G1)で9番人気ながら3着に食い込むと、年末の東京大賞典(G1)でも3着と上位争いを演じた。
ダート重賞制覇も目前かと思われたものの、3番人気に支持された今年のフェブラリーS(G1)で12着、ドバイワールドC(G1)で5着と勝利を挙げるには至っていない。
ドバイ以来の国内復帰戦となるエルムSで鞍上を務めるのは名手・武豊騎手だ。昨年、武豊騎手はセキフウでエルムSを勝利しているだけに、頼りになる味方となってくれるだろう。ここで結果を出して秋以降の飛躍に繋げることができるかが注目される。
ドゥラエレーデの前には快速逃げ馬ミトノオー(牡4歳、美浦・牧光二厩舎)が立ちふさがる。
3歳初戦から3連勝で兵庫チャンピオンシップ(G2)を制覇。続くジャパンダートダービー(G1)でもミックファイアの3着に入るなど善戦したものの、秋の日本テレビ盃(G2)で6着、浦和記念(G2)で2着、名古屋グランプリ(G2)では9着と安定感の欠ける走りを見せていた。
だが今年になって一変。始動戦のマーチS(G3)で2着に入ると、平安S(G3)では名牝ジェンティルドンナの弟スレイマン、実績馬ハピ、ハギノアレグリアスらを相手に逃げ切り勝ち。約1年ぶりに重賞勝利の美酒に酔った。
きっぷの良い逃げっぷりに定評のあるミトノオー。今回もハナを奪ってレースの主導権を握りたいところだろう。
長期に渡る戦線離脱から復帰を果たすプロミストウォリア(牡7歳、栗東・野中健二厩舎)は、ここで復活の狼煙をあげたい。
昨年、東海S(G2)、アンタレスS(G3)を連勝。快速逃げ馬として飛躍が期待された。だが続く帝王賞(G1)で5着に入ると、その後、足元の不調から長期休養を余儀なくされてしまう。
プロミストウォリアの復帰の一報が伝えられたのは、今年の6月だ。栗東トレセンに帰厩すると、今回のエルムSでも手綱を握るとされる西村淳也騎手を背に順調に調整を消化している。故障に泣いたプロミストウォリアにとって、今後を占う大事な1戦となるのは間違いない。
北海道を得意としているナチュラルハイ(牡4歳、美浦・黒岩陽一厩舎)も侮れない。
昨年は札幌競馬場ダート1700mで行われた3歳以上1勝クラス、ワールドオールスタージョッキーズ第3戦(2勝クラス)を連勝。今年は函館競馬場ダート1700mで行われた大沼S(L)で2着になると、中1週で向かったマリーンS(L)で最後の直線で力強い伸び脚を見せて優勝。オープンクラス初勝利を挙げた。
ナチュラルハイは、初重賞制覇に向けて、タッグを組む永野猛蔵騎手と1週前追い切り。ダートコースで僚馬と併せられると馬なりで6F83秒1ー12秒7を記録した。永野騎手は「北海道3戦目で、硬さも良くなって感じはすごくいい」と上り調子だと明かしている。得意としている舞台で強敵相手にどこまで食い下がることができるだろうか。
この他にも、大沼Sを快勝したサヴァ(牡6歳、栗東・上村洋行厩舎)らがスタンバイ。さらには新進気鋭の若馬や歴戦の古豪なども参戦する予定だ。
勝利の女神はどの馬に微笑むのか。発走は15時35分を予定している。
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