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浜中俊「私の判断ミスです」不安残るナムラクレアの敗戦…「完璧騎乗」D.レーン、J.モレイラと明暗

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浜中俊騎手 撮影:Ruriko.I
浜中俊騎手 撮影:Ruriko.I

 25日に札幌競馬場で行われたキーンランドC(G3)。「2024ワールドオールスタージョッキーズ」が開催中ということもあり、G3とは思えないほど豪華なジョッキーたちの競演も見どころ十分だった。

 秋のスプリンターズS(G1)を見据える実力馬が集まった一戦を制したのは、D.レーン騎手が騎乗した2番人気サトノレーヴだ。完勝した前走の函館スプリントS(G3)から16キロ増の馬体となったが重苦しさは全くなし。スタートを決めるとすぐに好位をキープ、最後の直線で満を持して追い出して抜け出した。

初コンビのレーン騎手とモレイラ騎手が完璧エスコート

 デビュー最高体重の548キロは、名スプリンターヒシアケボノを思わせる巨体。3歳春にデビューしてキャリアは9戦とまだまだ伸びシロがありそう。初コンビのレーン騎手も「とても強い馬」「抜け出したところで勝ちを確信した」とコメントしていたようにG1級の素質を感じさせる快勝だった。

 また、2着に敗れたとはいえエイシンスポッターも見せ場は十分。こちらも初コンビのJ.モレイラ騎手が完璧な騎乗でエスコート。これまで4コーナーで最後方に近い位置から豪脚を披露していた馬だが、いつもより一列も二列も前につける攻めのポジション取りには唸らされた。

 スタートこそ行き脚がつかなかったものの、内に進路を取って徐々に前との差を詰めていく。インの経済コースを走らせ、最後の直線でもサトノレーヴの作った進路をトレースして最低限のロスで済ませている。「勝ち馬が強かった」と完敗を認めた名手だが、まさに「マジックマン」といえる華麗な手綱捌きにしびれた。

 オオバンブルマイは直線で最後方の位置から大外から豪快に伸びて3着。武豊騎手も「思った通り前半は置かれた」と振り返ったが、スプリント戦でも十分に通用するスピードと切れを証明。今回はマイルから2ハロンの距離短縮と短い直線で届かなかったものの、走った距離と道中のロスを考慮すれば負けてなお強し。陣営としても収穫のあるトライアルとなったのではないか。

 上位に入線した馬の騎手たちが見事な騎乗を見せたのに対し、1番人気に支持されたナムラクレアと浜中俊騎手のコンビは悔いの残る内容で5着。最後の直線でエトヴプレと接触するシーンもあり、ゴール前で伸びを欠いた。

「4コーナー入り口までは内枠を生かして最短距離を通る文句なしのポジション取り。直線に入って前を行くエトヴプレを交わすだけでしたが、結果的に最内を突いたことが仇となりました。

スピードに乗ってさあこれからというタイミングで接触。一度は2番手まで上がりましたが、ゴール前で力尽きて後続馬に交わされてしまいました。ナムラクレアのすぐ後ろにいたエイシンスポッターのモレイラ騎手がここしかないというスペースをうまく利用していただけに明暗が分かれましたね」(競馬記者)

 浜中騎手も「私の判断ミスです」と悔やんだが、せめて2着は確保して欲しかったというのも正直なところ。勝ち馬のサトノレーヴが圧倒的な強さを見せたため、もし接触がなかったとしても、勝てたかどうかは微妙だ。そういう意味では少々物足りなさを感じる敗戦だったかもしれない。

 しかもサトノレーヴのレーン騎手やエイシンスポッターのモレイラ騎手は、2人ともキーンランドCが初コンビ。3年前の小倉2歳S(G3)から乗り続けているパートナーで勝てなかった浜中騎手にとっては皮肉な結末である。この悔しさをバネに悲願のG1タイトルのかかる本番での巻き返しを期待したい。

GJ 編集部

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