【皐月賞】パンサラッサ級「大暴走」でまさかの最下位…「力みが強かった」浜中俊も制御できず、メイショウタバルに抱いたファンの不安

好天に恵まれた今年の皐月賞(G1)は、レース直前に右前肢跛行を発症したダノンデサイルが競走除外となり17頭で争われた。
実力拮抗の混戦を制したのは、2番人気に支持されたジャスティンミラノと戸崎圭太騎手のコンビ。先に抜け出したジャンタルマンタルを交わし、後方から猛追したコスモキュランダの追撃もクビ差で凌いだ鞍上の好騎乗が光った。
特筆すべきは1分57秒1という衝撃の勝ちタイムだ。それまでは2015年の中山金杯(G3)でラブリーデイがマークした1分57秒8が中山芝2000mのレコードだったのだが、この時期に3歳馬がレースレコードどころかコースレコードまで更新してしまった。
ただこの日の中山競馬場の芝コースは、牝馬限定の2勝クラスだった8Rを勝ったエンパイアウエストが1分58秒2を叩き出していたように、高速馬場といっていい状態。ちなみにこの時計も例年なら皐月賞の水準レベルだったのだから、G1なら1分57秒台突入は想定の範囲内だったかもしれない。
浜中俊騎手が暴走気味の逃避行で轟沈

その一方で、この驚異的なレコードの立役者となったのが、浜中俊騎手が騎乗した4番人気のメイショウタバル(牡3、栗東・石橋守厩舎)だろう。
前走で鮮やかな逃げ切り勝ちを決めた馬が引いたのは1枠2番の絶好枠。迷いなくハナを奪った浜中騎手も前走の再現を狙ったはずだ。2番手の馬を2馬身3馬身と離し、瞬く間に大逃げのような逃避行となった。
1000m通過はなんと57秒5。この数字を目撃した実況アナも驚きを隠せず、競馬場内の観客もどよめいた。道中で息を入れるタイミングもなく、最終コーナー入り口までは先頭を守ったものの、直線に入って早々にジャンタルマンタルに交わされ、その後はズルズルと後退。17頭立ての最下位でゴール板を通過した。
「返し馬は落ち着いていましたが、ゲート入りに手間取ってテンションが上がってしまいました。リズム良く運ぼうと思いましたが、掛かってしまいました。力みが強かったです」
レース後の浜中騎手がそう振り返ったように、実際のところはパートナーの折り合いがつかないまま、引っ掛かってしまったというところか。重馬場ながら歴代上位の勝ち時計で毎日杯(G3)を圧勝していただけにファンの期待を背負ったが、ここまでの大敗は陣営も予想していなかったはずだ。
「浜中騎手の判断については、正直何とも言えません。ですが、さすがに57秒5という数字を見せられると、暴走したように映ったファンも少なくなかったでしょう。ちなみに2年前にイクイノックスが優勝した天皇賞・秋(G1)でパンサラッサがマークしたのが57秒4でした。
また、ファンの中には浜中騎手だから不安だったという声も出ていました。おそらく思い浮かんだのは、アーモンドアイがラストランを勝利で飾った2020年のジャパンC(G1)のことでしょう。このレースでキセキに乗っていたのが浜中騎手でした」(競馬記者)
芝2400m戦のG1をキセキで逃げた浜中騎手は57秒9の猛ラップを刻んだ結果8着に敗戦。偶然の一致かもしれないとはいえ、ネットの掲示板やSNSなどで一部のファンから「浜中の体内時計は壊れている」という声が出たのもわからなくはない。
だが、毎日杯の圧勝だけで4番人気に押し上げられたと考えれば、今回の大敗だけで浜中騎手のみに責任を追及するのもどうかという気もする。むしろこれで人気が急落するようなら日本ダービー(G1)で不気味な存在となる可能性もあるのではないか。
元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のSNSで「ある意味でメイショウタバルは勿体なかった。殿負けも納得のペースやったけど、能力の片鱗は見せとる。人気落としたタイミングでまた一発あるよ」と述べていたように、まだまだ見限れない。
2009年のロジユニヴァースは激流に巻き込まれて、1番人気に支持された皐月賞を14着に惨敗したが、次走の日本ダービーで巻き返して優勝した。ゴールドシップ産駒で母父フレンチデピュティのメイショウタバルは重の鬼ともいえる血統。ダービー当日の馬場が渋るようなら逆襲があっても驚けない馬だ。
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