【スプリンターズS】「7年ぶり」戴冠かかる大物馬主に最大チャンス!「当確級」を証明した2年前の衝撃再び

今年のスプリンターズS(G1)には、ビクターザウィナーとムゲンの香港馬2頭が出走を予定している。
前者は春の高松宮記念(G1)で3着、後者はG1勝ちこそないものの、プレミアC(G3)でカリフォルニアスパングルを撃破しており、世界的にハイレベルとされる香港の短距離路線でトップクラスの実力を持つ2頭だけに強敵となりそうだ。
対する日本馬も高松宮記念を制したマッドクールをはじめ、悲願のG1獲りがかかるナムラクレア、昨年のスプリンターズSを優勝したママコチャ、セントウルS(G2)を快勝したトウシンマカオなど、抜けた馬はいないものの層は厚い。
「当確級」を証明した2年前の衝撃再び
中でも注目したいのは、春雷S(L)から函館スプリントS(G3)、キーンランドC(G3)の3連勝で勢いのあるサトノレーヴ(牡5、美浦・堀宣行厩舎)だ。
前哨戦の阪急杯(G3)を4着に敗れたため、G1初出走の夢は叶わなかったものの、春から夏にかけて着実に上昇。G3を連勝したことにより、これでもう賞金不足で除外される心配もなくなった。
「北海道の2戦は貫録勝ちに映る完勝でした。3歳春のデビューとキャリアも浅く、まさに伸びしろしかないといった感じですね。血統的にも父ロードカナロア×母父サクラバクシンオーは、昨年の高松宮記念を優勝したファストフォースと同じ。日本の誇る最強スプリンターの血が底力を後押ししているのでしょう。
本馬を所有する里見治オーナーも2017年の宝塚記念(G1)をサトノクラウンが優勝したのを最後にG1タイトルから遠ざかっています。もうかなりのご高齢ですから、なんとしても7年ぶりのG1勝ちといきたいですね。そしてその可能性は非常に高いともいえそうですよ」(競馬記者)
すでに下馬評で1番人気に支持されそうなサトノレーヴだが、平坦コースの函館や札幌だけでなく、スプリンターズSが行われる中山の芝1200mで2戦2勝と負け知らず。特に2年前の勝浦特別(2勝クラス)を快勝した際には、早くも一部のファンからG1級の素材と注目を集めていたのだ。
レースはハナに立ったカンティーユが前半600mを33秒4で飛ばし、サトノレーヴが2番手を追走。直線に入ってカンティーユに並び掛けると坂の途中から一気に加速。ゴール前で手応えに余裕を残したまま、2着に追い上げたモリノドリームを2馬身置き去りにする圧勝を決めた。
そして翌日にスプリンターズSも行われたのだが、優勝したジャンダルムの勝ちタイムは1分7秒8。サトノレーヴが楽勝した勝浦特別は2勝クラスに過ぎなかったが、勝ちタイムではG1よりも0秒1速かったのだ。もちろん、レースレベルや展開も無視できないのとはいえ、少なくとも走破時計のみならG1で当確級の走りを披露していたことになる。
このとき騎乗した浜中俊騎手は「上のクラスに上がっても楽しみです」と潜在能力の高さに太鼓判。本番では長らく主戦を務めているナムラクレアに騎乗すると見られているが、本音は体が2つ欲しいところだろう。
条件クラスを走っていた2年前でさえ、好勝負したのではないかと噂された素質馬がようやく辿り着いた大一番。久々のG1勝利のかかる里見オーナーの願いは叶うだろうか。
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