武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
「うれしいことがあり、そうでもないこともあった、先週の競馬。今週末は、中京でたくさんのいいことに出会えるように頑張ります」
公私ともに饒舌な稀代のエンターテイナーが日記をわずか2行で終えたのは、これが今年最初で最後だった。その事実だけで、少ない言葉数の中にも主戦騎手として筆舌に尽くし難い葛藤があったことは容易に想像できるだろう。
7月、8月編 盟友エアスピネル乗り替わりに揺れた夏競馬
巻き返しを図りたい7月だったが、この月はわずか6勝に終わってしまう。中間で大きな連敗があり、リーディング争いからも大きく後退。最終週で4勝を上げたものの、厳しい1カ月となった。
だが、世の中「捨てる神あれば拾う神あり」だ。
7月9日、10日に行われたセレクトセールでは「武豊騎手と凱旋門賞を勝つのが夢」と熱く語るキーファーズの松島正昭氏が高額馬を次々と落札。これには武豊騎手も「感激。その期待に応えられるように、一層頑張るのみです」と気持ちを新たにしている。キタサンブラックで叶えられなかった夢を、キーファーズと叶えられるのか。数年後が楽しみだ。
今年も皐月賞を勝ったアルアインの松山弘平騎手が、日本ダービー敗戦後にあっさり降ろされるなど、何かと非情な乗り替わりが目に付く昨今。8月には、これまでのキャリアでずっと”勝者側”だった武豊騎手が時代の波に飲まれた瞬間があった。
母エアメサイアのキャリア12戦すべてで手綱を執り、その息子エアスピネルもデビュー戦からずっと共に歩んできた武豊騎手だったが、札幌記念(G2)では無念の乗り替わりを告げられた。秋華賞馬の息子として、生まれながらにG1制覇を期待されていた”大器”で結果を残せなかった以上、仕方のない騎手変更であったが、競馬ファンの間では大きな議論を呼んだ。
その一方で、エアスピネルが出走した札幌記念と同日に行われた北九州記念(G3)をダイアナヘイローで勝利するなど、調子を取り戻しつつあった武豊騎手。月末に行われたWASJ(ワールドオールスタージョッキーズ)でも優勝争いを演じるなど、G1シーズンを迎える秋に向け、再びエンジンが掛かってきた。
9月、10月編 伝説の不良馬場キタサンブラック「神騎乗」で復活!
「参戦したい気持ちはもちろんですが、見続けることも大事なこと。ニッポン競馬の悲願達成の日まで、情熱を絶やさずに見守るつもりです。手が届きそうなところに見える”夢の凱旋門賞”ですが、最後の扉の重さは格別のものがあります。ボク自身の手でこじ開けたいという気持ちが、心の中でたぎっています」
武豊騎手が参加することが叶わなかった世界の頂上決戦に対する「熱い思い」を語ったのは9月の末だが、フランスには行けなかったものの、お隣の韓国ではしっかりと日本競馬の顔役としての存在感を発揮した。
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