クイーンS(G3)大本命ディアドラの真の実力は……秋華賞制覇、ドバイ好走でも信用は微妙か
秋華賞後のディアドラはエリザベス女王杯(G1、2200メートル)が12着、京都記念(G2、2200メートル)が6着と結果を出せないままドバイに遠征。ドバイターフ(G1)では3着と好走した(リアルスティールと同着)。これはディアドラにとって2200メートルは長すぎ、ベストは1800~2000メートルという見方もできる。
しかし、ドバイターフを勝ったのはベンバトル(牡4、UAE)。当時、このレースのレーティングトップはヴィブロスの121(117+牝馬のアローワンス4ポンド)で、ベンバトルは114にすぎない(日本馬最下位のクロコスミアでも116)。この日のメイダンは特殊な馬場だったこともあり、素直に高評価できるレースではない。
昨年ドバイターフ優勝、今年は2着だったヴィブロスにしろ国内での重賞制覇は秋華賞(2016年)だけで、持てる能力を把握しがたいところがある。ディアドラのドバイターフ3着は、それほど高く評価しないほうがいいかもしれない。
ディアドラは現役牝馬のトップクラスであることは確かだが、重賞戦線で常に好走できる力があるかというと疑問も残る。なにしろ、2歳から3歳春にかけては取りこぼしが得意技だった。
陣営やマスコミはディアドラは洋芝が得意だと言う。父はハービンジャーであり、昨年は札幌で1000万特別を勝っている。実際に得意だろう。ただし、昨年のクイーンSはアエロリットが逃げ切ったように、このレースは札幌の開幕週でもあり、先行馬に圧倒的に有利だ。
陣営は「せかせるのは良くないし、無理に合わせた競馬をしようとは思っていない」とコメントしている。今回も後方からの競馬になるだろう。洋芝とはいえ、ディアドラの追い込みは届くのだろうか。
こう見てくると、クイーンSでディアドラが苦戦する可能性もある。メンバーを見渡せばソウルスターリング以外は格下で、ソウルスターリングも5連敗中ともがいている。ディアドラとソウルスターリングがともに飛べば配当は大きい。
馬券の心配を別にすれば、ディアドラには更なる成長を期待したい。ディアドラの4歳後半シーズンはクイーンSからスタートする。3歳時、雑草のようなパワーで頂点まで届いた馬だ。まだまだ成長していく余地はあるだろう。
クイーンSでディアドラとルメール騎手がどんなレースをするのか、ディアドラが今後のレースでどんな姿を見せてくれるのか、楽しみは尽きない。
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