
武豊クリンチャー「ユタカ・マジック」凱旋門賞(G1)で大逆転!? 「奇跡」を起こす4つの要素とライバル

7日、フランスのパリロンシャン競馬場で、世界の頂点を決める凱旋門賞(G1)が行われる。
日本からはクリンチャー(牡4歳、栗東・宮本博厩舎)が出走するが、武豊騎手も『日刊スポーツ』のインタビューに「実績は、過去にここへトライしてきた馬と比べるとあまりない」と話している通り、ここでは格下の存在。前哨戦のフォワ賞(G2)でも最下位に沈んでおり、厳しい戦いが予想されている。
ただ、前進が見込める要素も多数存在する。
1つはクリンチャー自身が典型的な叩き良化型であること。5月の天皇賞・春(G1)以来となったフォワ賞で敗れた後、宮本調教師が「息遣いが激しくなるほど、目一杯やりました」と話すほどのハードな調整。状態は明らかに上昇傾向にあり、今年の京都記念(G2)でレイデオロやアルアインといった同世代のクラシックホースを退けた時の状態に近づきつつあるようだ。
2つ目は、武豊騎手と宮本調教師が口をそろえて願っている「雨」の可能性も高まってきたことだ。ここ数日はずっと晴れだったパリだが、どうやらレース前日辺りから雨の気配。昨年の菊花賞(G1)2着や、先述した京都記念など雨で渋った馬場を得意とするクリンチャーにとっては、この上ない朗報だろう。
さらに3つ目の要素として、今年の凱旋門賞は2014年以来の20頭がエントリーしたことも大きい。他頭数になればそれだけゴチャつく可能性が高まり、タイトな馬群が密集する凱旋門賞ではなおさらだ。これも前から積極的なレース運びを狙うクリンチャーにとって追い風。有力馬がスムーズさを欠くことで、上位進出の可能性が高まる。
「ゴチャつく可能性」といえば、オープンストレッチが使用されないことも”乱戦”を願うクリンチャーにとっては大きい。これが4つ目の要素だ。
最後の直線で内側に約6m仮柵が移動することでインコースが大きく広がり、各馬の進路確保を狙いとした新ロンシャン競馬場の名物である。しかし、現地の騎手からも賛否両論が巻き起こっており、今年の凱旋門賞では使用されないことが決まった。武豊騎手が「意外性が武器」と語るクリンチャー。数々の奇跡を起こしてきたユタカ・マジックで前評判を覆すような激走が期待される。
しかし、述べるまでもなく凱旋門賞は世界最強馬決定戦。今年も欧州を中心に世界各国から強豪が集っている。
PICK UP
Ranking
5:30更新「最強マイラー」に降りかかった予想外の火の粉…「名義貸し」の発覚したオーナーは馬主資格をはく奪、不運の名馬トロットサンダー【競馬クロニクル 第41回】
「そういえば、ビリーヴは牝馬やったな」から20年…「JRA賞」の栄誉は孫世代へ
武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
- 「死活問題」発生に競馬YouTuberが絶滅の危機!? 突然の動画削除にファンも動揺…… チャンネル配信者らに何が起こったのか
- 「元イエスタカス」ダッシングブレイズ重賞制覇に高須院長も「イエス」!? 名前に翻弄された素質馬の飛躍が話題
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客