
【JRA2019】弱小馬主、弱小厩舎切り捨ての始まり!? 年度競馬番組に阿鼻叫喚、そして「第13レース」の提言
JRAから2019年度の新しい競馬番組に関する概要が発表された。内容を見てみると、重賞レースの追加等はなく、今年JBCが京都で行われた関係で中止されていた「みやこステークス」が復活した程度。札幌記念はまたしてもG1レースに昇格できなかったが、やはりレースレーティングが足りなかったのだろう。しかし馬主や厩舎関係者にとっては、死活問題にもつながる重大な発表がいくつかあったので確認しておきたい。
まず世間的に大きな話題となった、女性騎手の減量制度について触れたい。これは某スポーツ紙でも「藤田菜七子ルール」と取り上げられたが、女性騎手に限り、一般競走において永久的に2kgの減量特典が課されるというもの。今までは31勝で3kgから2kgに、51勝で2kgから1kgというように、勝利数や年数に応じて最終的にはゼロになったが、それが撤廃されてずっと2kg減の恩恵が受けられるのだ。この措置によって藤田菜七子は、引退まで一般競走で2kg減扱いになるのだから、本人にとってはかなりの朗報。若手騎手が騎乗機会を確保できずに伸び悩む要因の一つに、減量特典が無くなることがあるが、その懸念が無くなるのだから大きいだろう。
今年、現在JRAで25勝の藤田菜七子は、東京・京都・中山・阪神の中央場所ではなかなか勝ち星が増えないが、平坦コースの新潟や坂が厳しくない福島など、関東圏のローカル開催で好結果を残している。このまま経験を積みさらに騎乗技術が増せば、今後も安定した騎乗の確保と勝利数が見込めるだろう。しかし、この新制度は女性騎手を贔屓しており、同じ条件の男性騎手にとって不公平であるという意見も多い。とはいえ地方競馬やフランスなどでは既に似た形で実施されている制度でもあり、まずは実施してみて今後の判断を仰いでいくものになるのではなかろうか。
そもそもJRAの騎手学校は倍率が高く、毎年合格するのは応募者数150名程度に対し6~8名ほど。ゆえにこの減量特典で女性騎手が急激に増えるとは考えにくい。まずは競馬界に多大な貢献を残している藤田菜七子を守り育てるための制度と言っても過言ではないであろう。
厩舎関係者や馬主に大きな影響を与えた新制度が、一部レース名の変更と降級制度の廃止。来年度からはレース名が
1,600万円以下⇒ 3勝クラス
1,000万円以下⇒ 2勝クラス
500万円以下⇒ 1勝クラス
と変更になり、夏季競馬前に収得賞金を2分の1としていた賞金による降級制度が廃止される。つまり毎年夏競馬で見られた、春に500万クラスを勝って、降級を待って再度500万クラスに出走という手法ができなくなるのだ。さらに1000万クラスでくすぶっていた馬が500万に降級できなくなり、厩舎や馬主によっては引退を早めるケースも出てくるだろう。この新制度は夏に発表されていたものであるが、あらためて見てみるとそのインパクトは大きい。
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