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JRA福永祐一「アンラッキー」から45分後”朗報”にホッコリ!? ビーチサンバ「大出遅れ」も明暗分けた「クビ差」の舞台裏

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「隣の馬がゲートで暴れていて、それにつられてしまい……」

 レース後、本人がそう振り返った通り、スタート直前に隣のアークヴィグラスが暴れてしまい、そちらの方は収まったが、つられたビーチサンバが取り乱しているところでゲートが開いてしまうという不運……。

 大きく出遅れてしまったビーチサンバは、最後方からメンバー最速となる上がり3ハロン32.9秒の豪脚で追い上げたが結局、前にいたクロノジェネシスには及ばなかった。

 福永騎手は「勝った馬が強かった」とクロノジェネシスを称えたが、着差がクビ差だっただけに「出遅れさえなければ……」と多くのファンが指摘する悔しい内容。競馬だけにアークヴィグラスに否はないが、福永騎手にとってはアンラッキーな結果となってしまった。

 一方、そのわずか約45分後に行われた佐賀記念。「依頼を受けて信じられない気持ちでした」と、まさに”僥倖”の中にいたのが佐賀の山本聡哉騎手だ。

「しっかり研究して臨みました」という騎乗馬は本来、福永騎手が騎乗するはずだったヒラボクラターシュ。地方所属の騎手がJRAの現役オープン馬に騎乗する機会はあまりないこともあって「返し馬でも、びっくりするくらい良い馬だなと感じていました」と感激した様子だった。

 好スタートを決めて3番手につけた山本騎手は、最後の直線入り口で前にいた松岡騎手のリーゼントロックに並び掛けながら先頭へ。2頭の一騎打ちをクビ差で制して、見事ヒラボクラターシュを重賞初制覇に導いた。

「3番手くらいの指示でしたし、向正面からの手応えが素晴らしかったです。ヒラボクラターシュには、これからも頑張ってほしいです」

 レース後、そう喜びを表した山本騎手。東京ではアンラッキーな「クビ差」で敗れてしまった福永騎手だったが、「福永さんから電話を頂き、馬の癖などを教えてもらって、とても参考になりました」とアドバイスを送った山本騎手が勝ってくれたことが、せめてもの救いか。

 今年はここまでリーディング3位となる17勝を上げ、牝馬クラシックを狙うビーチサンバの他にも、東京新聞杯(G3)を制したインディチャンプが安田記念(G1)の有力候補に挙げられるなど充実したシーズン序盤を送っている福永騎手。

 今回は雪の”いたずら”もあって明暗が分かれた格好だが、春のG1シーズンに向けての活躍を予感させる「クビ差」だった。

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