JRAスプリングS(G2)「朝日杯FS2着」クリノガウディー「偶然の適性」ファンタジスト置き去り実績は魅力
17日に行われる皐月賞(G1、芝2000メートル)の前哨戦スプリングS(G2、芝1800メートル)に出走する有力馬の1頭がクリノガウディー(牡3歳、栗東・藤沢則雄厩舎)。優勝できる可能性はあるのだろうか。
クリノガウディーは昨年暮れの2歳チャンピオン決定戦、朝日杯FS(G1、芝1600メートル)で7番人気ながら2着となり、3歳牡馬クラシック戦線の有力馬の1頭として注目されることになった。1枠1番という絶好枠だった鞍上の藤岡佑介騎手は、2番手の1番人気グランアレグリアと3番手の2番人気アドマイヤマーズを前に見る形で4番手からの競馬。直線でまずアドマイヤマーズがグランアレグリアをつかまえ、その後からグランアレグリアに襲いかかって2着に上がった。
アドマイヤマーズには2馬身差をつけられたが、3着グランアレグリアには半馬身、そしてこのスプリングSで1番人気に支持されそうな4着ファンタジストには2馬身先着した。ファンタジストが実績的に距離不安を抱えるだけに、ここを優勝してもなんの不思議もない。1800メートルの新馬戦でデビュー。上がり3F最速の末脚で差し切って優勝しているので距離不安はないはず。最終追い切り後、藤沢則雄調教師は「折り合いの心配はなく1800メートルまでは大丈夫」と語っている。
ところが、クリノガウディーは朝日杯FSに出走することもなく、したがって皐月賞を目指すこともなかった可能性もあったという。
「実はクリノガウディーの新馬戦は1200メートルの予定だったんです。しかし、除外されたため1800メートルの新馬戦に回りました。藤沢則厩舎はクリノガウディーの兄や姉も管理していて、いずれも短距離で走っています。藤沢則調教師はもともとクリノガウディーの素質を高く買ってはいましたが、もし1200メートルの新馬戦に出走していたら、朝日杯FSには出走していなかったかもしれません」(競馬記者)
藤沢則調教師が「1800メートルまでは大丈夫」と強調するのはそういう背景があってのこと。1800メートルは新馬戦を勝っているので問題ないが、皐月賞の2000メートルは距離的に未知だということだろう。ただし、2戦目に選択した1800メートルの東スポ杯2歳S(G3)は7着に負けている。どうしたのだろうか。
「東スポ杯2歳Sは札幌2歳Sの勝ち馬ニシノデイジーなど高レベルの素質馬が揃いました。クリノガウディーの鞍上戸崎圭太騎手は2、3番手の先行策を取って、直線では一旦先頭に立っています。しかし、差し有利の展開となって、ゴール前は差し馬4頭が横一線の大接戦でした。先行馬総崩れでしたがこの馬が再先着。2戦目の重賞で0.5秒差ならば健闘と言っていいでしょう」(別の競馬誌ライター)
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