
高松宮記念(G1)「謎の善戦続き」ナックビーナスの「性格難」? モズスーパーフレアに続けて敗北の真相

24日に行われる高松宮記念(G1、芝1200メートル)にナックビーナス(牝6歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)が出走する。悲願のG1初制覇を達成できるのだろうか。
今やナックビーナスはスプリントG1戦の有力候補の1頭。しかし、G1で通用する能力を示したのは5歳時の昨年、高松宮記念。3歳時からスプリント戦で好走していたが、オープンは勝てても重賞では一歩足りないという実績しかなかった。ところが単勝41.2倍10番人気の馬が3着に激走する。
戦前、杉浦宏昭調教師は「最後まで真剣に走ってくれれば、この馬の持ち味が出せると思う」と語っていた。つまりは真面目に走らない馬ということ。高松宮記念に続いて函館スプリントS(G3、芝1200メートル)に出走すると高松宮記念3着が買われて1番人気に支持された。ところが結果は3着。やはり不真面目な馬だった。
しかし、キーンランドC(G3、芝1200メートル)ではJ.モレイラ騎手とのコンビが実現。力強く逃げ切って重賞初制覇を飾る。2着は今回の高松宮記念で1番人気が予想されるダノンスマッシュ。2馬身半差をつけた。
モレイラ騎手の馬を動かす技術が絶賛されたが、後に杉浦調教師はスポーツ報知の取材に対してこんなエピソードを語っている。「モレイラが乗ったウチの馬でレース後に『本当にバテてるね』と言われた馬がいた。力を出し切るように乗っているんだろう。郷原(洋行)さんが乗る馬もそうだった」。騎手上がりの調教師らしい言葉だ。オールドファンには郷原洋行はなつかしい名前である。
秋は中山のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)にモレイラ騎手とのコンビで参戦。中山ではオール連対の馬。2番人気に支持され、G1初制覇を期待された。しかし、結果は7着。モレイラ騎手は「走りのバランスが悪く、モタれて走っていました」とコメント。キーンランドCで真面目に走らされてしまった反動だったのだろうか。馬に気を抜かせないモレイラ騎手と実は「合わなかった」可能性もある。
今年初戦、中山のカーバンクルS(オープン、芝1200メートル)では驚異的なパワーを発揮する。結果は、今回の高松宮記念で人気になるはずのスプリント界の新星モズスーパーフレアから1馬身1/4差の2着。ただし、58キロを背負いながら1分7秒2で走ったのだ。普通のスプリンターズSならば楽勝できる。これまで速い持ち時計があまりなかったため、勝負弱いのは根本的には鈍足だからだという見方もあった。しかし、それを覆すスピードを証明した。
続く前走オーシャンS(G3、芝1200メートル)。再び中山でモズスーパーフレアと対決した。前走では斤量差が5キロあったが、ここでは54キロの同斤。簡単に勝てるとも思われたが、結果はカーバンクルSとまったく同じ。モズスーパーフレアが1分7秒1で逃げ切り、またもや2着。着差も同じ1馬身1/4。
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