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武豊「イチロー引退」に何を思う? 「イチローと友達は北斗神拳の秘奥義」24年来の盟友との共通点、やがて来る「武豊ロス」に競馬界は

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 無論、武豊もイチローも、自身の記録や他者に関するコメントを残すことはある。ただ、それは多くの場合、自分の意思というよりもメディア対応、つまりは競馬界、野球界を盛り上げるために語っている。いわば、両者は「武豊」「イチロー」という看板、欠かせないピースをファンや業界の要求に応じて”演じている”ということなのだろう。

「彼からはとにかく野球愛を感じる。自分も競馬が大好き。会うと『自分もこれでいいんだ』と思える」

 活躍するフィールドは異なるが、同じ業界を代表するアスリート。専門の領域に踏み込むことがなくとも、お互いにリスペクトし合う理由はいくつもあるようだ。

 イチローが「武さんにお酒を教えたのは僕」と公言すれば、武豊も『日刊大衆』で連載するコラムを通じて「1年に1度、たわいもない話をしながら一緒に食事をして、おいしいお酒を飲む――その時間が楽しくて仕方ありません」と語る間柄。米国の拠点を移して騎乗していた際は「イチローと友達」というのが「北斗神拳の秘奥義のよう」に現地の競馬関係者への大きな武器になったという。

 いつになっても年齢を感じさせないハイレベルな結果を残してきた関係だったからこそ、武豊にとってイチローが引退したという事実は大きいはずだ。

 その上で言えることは、イチローが目標に掲げていた50歳までの現役を果たせなかったように「最低60歳」を掲げる武豊にも、いつ「引退」の時が来てもおかしくはないということだ。

 ここ数年の競馬界では武豊の次に、JRA(日本中央競馬会)唯一の女性騎手として活躍する若手の藤田菜七子が大きな注目を浴び続けており、現在リーディングに立っている川田将雅もこれからの競馬界を背負って立つ存在に違いない。

 しかし、彼らが将来的に武豊が去った穴を埋められるのか、今の競馬人気を変わらず支え続けることができるのかというと、あまりにも大きすぎる課題だ。

 大谷翔平、田中将大、ダルビッシュ有らがイチローに続いて大リーグで活躍し、柳田悠岐や山田哲人、昨年MVPを受賞した丸佳浩や山川穂高らが国内で活躍する野球界。ただ、豊富なタレントを有している野球界でも”イチロー・ロス”の影響は極めて大きい。

 果たして、決して遠い未来ではない”武豊ロス”に今の競馬界は耐え得るのか。イチロー引退が野球界に、そして世間に与えたあまりにも大きな衝撃を見て、そんなことを思った。

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