【RTDリーグ2018村上淳インタビュー】涙の敗退から2年。最高位として「最低でも決勝進出」を掲げた男の決意と自信
――麻雀と将棋の競技としての差は大きい。
村上:競技だけでなく、同じ「プロ」としての実力も全然足りていないですね。将棋や囲碁と違って、麻雀は運の要素が多分に絡んできますし、プロでもアマチュアの方に負けてしまうことがある競技。ただ、そういった点を考慮しても麻雀プロの実力は、まだまだ将棋のプロの方々と比較して未熟だと思っています。
――それはトッププロも含めてということか。
村上:もちろん、そうですね。今の麻雀界はプロ同士の実力差が大き過ぎることも問題視されていますが、仮に自分も含めて『RTDリーグ』に出ているようなプロでも、対局中の目に見えるすべて牌を完全に把握、記憶できているのかと言われれば、必ずしもそうではない。
厳しいことを言えば、それが当然のようにできなければトッププロを名乗る失格はないと思います。
麻雀が今よりもさらにメジャーになって、多くの麻雀プロの年収が何千万円という世界になるには、ルールの整備など競技としての成熟だけでなく、麻雀プロ全体のレベルがそれに伴っていないと。僕自身は、もっともっと時間を掛けるべきだと思いますし、全体的なレベルアップが必要だと思っていますね。
――麻雀界のレベルは上がっている。
村上:上がっていますね、確実に。22年前に僕がプロデビューした時とは比較にならないほど、全体が底上げされたと思います。だけど、将棋界のように国民的な理解と支持を得るには、まだまだ業界の熟成やルールの整備だけでなく、すべての麻雀プロのスキルアップが必要です。
――麻雀に対する強い愛とこだわりを感じる。
村上:職人気質なんで。「ちゃんと良い物を作れるようになる前に、商品を並べてんじゃねえよ」みたいなね(笑)。
――最後にファンの方々にメッセージを。
村上:昔は、負けても「ベストを尽くした結果だし、仕方ない」と考えている時期がありました。でも最近、それはプロとして言ってはいけない言葉だと考えるようになった。例え、自分のベストを尽くしても、敗れた以上は自分の中で「何かが足りなかった」と思うようにしないと。そこを突き詰めないと成長がないし、限界まで探求し続けるのがプロだと思います。
だから僕から、応援してくださっているファンへかける言葉があるとすれば「四の五の言わずに結果を出します」ということ。
2年前に「命を懸ける」と言いましたが、その時の思いは何も変わっていません。「この人、本当に人生を懸けて真剣に勝負しているんだな」というところを1人でも多くの人が感じ取ってくれれば嬉しいですね。