多井隆晴が麻雀Mリーグ「ドラフト」を斬る!? 運命の8月7日「大波乱」の予感、盤石 「RTDリーグ組」にまさかの……
――麻雀界としてコケられない。
多井:絶対に失敗できませんね。Mリーガーに選ばれた21人が自分の事だけじゃなくて、リーグ全体のことを考えるようにならないと「危ない」と思いますね。基本的に麻雀で「勝つ、勝たない」ばっかりなんですよ。麻雀プロって。
――ライト層へアプローチしていくことが大事。
多井:内輪同士の専門的な会話なんか「家でやれよ」と。麻雀の勉強なんか「黙って一人でやれよ」とね。もう、そういう段階でも、時代でもないんですよね。
プロ野球選手が「今日、素振り100回やりました」なんてTwitterで書かないでしょ。そんなアピールは、ファンも求めてないんですよ。まあ、大した努力もしてないから、そんなことしか書くことがないんでしょうけど。
――いつになく手厳しい。
多井:新聞とかニュースも、まともに見てないやつばっかりなんですよ。僕が解説で時事ネタを使ってもボケても「シーン……」ですよ。他のプロはキョトンとしてますからね。麻雀の勉強だけじゃなくて、もっと視野を広げないと。もう麻雀界自体は『AbemaTV』や、今回のMリーグで広がってるんで。”麻雀打ち集団”から、そろそろ卒業しないと。
――確かに以前、村上淳プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)も「麻雀が将棋のようにメジャー化するには、麻雀プロの意識が足りない」とおっしゃられていた。
多井:全然、足りてないですね。一般のサラリーマンの方でも、朝9時から夕方5時まで仕事するじゃないですか。でもそれって、努力でも何でもないですよね。
じゃあ、麻雀プロで毎日朝9時から夕方5時まで麻雀の仕事とか、麻雀以外にも自分を磨く勉強してる人っているのかなって。そこからさらに”残業”して頑張ってるやつがいるのかなと。僕は20年以上、麻雀プロやってますけど見たことないですね。
だから僕は、非っ常ォォォに心配なんですよ(笑)。
――なるほど(笑)。Mリーグでは赤ドラが入ることに賛否両論がある。
多井:僕としては大賛成。日本一メジャーな大会になるんだから、日本一認知されてるルールでやろうよと。自動配牌の導入にしても、ネット麻雀もそうだし、みんなが自動配牌でやってる中で、僕らプロだけ「右10」「左12」だの。取りにくいったらありゃしないですよ(笑)。
麻雀牌の大きさだって20年前から1.5倍くらい大きくなって。これからもっと大きくなりますよ。おじいちゃん、おばあちゃんでも見やすいように。赤ドラにも実力よりも運の要素が強くなるとか賛否両論ありますけど、僕から言わせれば、プロの意見よりも大衆の意見を聞きたいですね。
Mリーグは大衆に向けたエンタメになるわけですよ。だからファンが一番、慣れ親しんでいるルールが一番いいと僕は思います。それに合わせるのがプロだろと、合わせられないなら弱いだけだと僕は思いますね。
――最後に抱負を。
多井:これだけ大きな大会ができたことは、たとえ選手に選ばれなかったとしても嬉しいですね。絶対に成功させたいですし、もし選手に選んでもらえたら、その企業にどうやって恩返しすることがベストなのか、まずは敵味方よりも麻雀界全体としてMリーグを盛り上げていければと思っています。僕ら麻雀プロにとっての「運命の日」8月7日のドラフトを楽しみにしててください!
(文=浅井宗次郎)