甘デジ「16R比率30%」の激アツSTに必ず突入! 出玉&演出の全てが規格外の巨人パチンコ!!
もともとあるコンテンツを異なる娯楽メディアに展開する「メディアミックス」が一般化されて久しいが、その元の商品、いわゆる原作を別の分野に移植する際に改変を許さない文化が根付いている。その大きすぎる愛情ゆえに「原作と違う」と怒りをぶつけるファンは後を絶たないのである。
しかし、パチンコ業界はそのあたりに寛容であったり、むしろパチンコでしか見ることができない新規映像が搭載されていたりとありがたがることさえある。逆にいえばコンテンツホルダー側の胆力も尋常ではないのだが、こういった懐の深さや柔軟性はパチンコの魅力のひとつである。
このような原作とパチンコで空気感や表現性などが大きく変容している機種の最たる例は『巨人の星』ではないだろうか。分岐点となったのは『CR巨人の星~情熱の炎~』。ストーリーやキャラなど根本のところではきちんと原作を踏襲しつつも、表現や演出の面で大きく逸脱し、まるで異なる世界観を構築している。
過度にチラ見をくり返す明子。ロボット感を爆発させるオズマ。昭和の頑固親父像をより強固にステレオタイプ化させる星一徹。キャラクター性をディフォルメさせた数々の演出は、新しい「巨人の星」といえるだろう。
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新しいどころか、球場をちゃぶ台に見立て巨大化した一徹が鬼の形相でひっくり返す「球場ちゃぶ台返し予告」この演出から発展する巨大ロボを駆使した飛雄馬と花形の対決が展開する「頂上決戦リーチ」など、突き抜けすぎたものも存在する。
しかし、これこそが本機の面白さを高めている要因であり、誰もが知る昭和アニメ、スポ根モノの決定版を現代風に再定義してみせた開発陣の恐ろしいまでの手腕なのである。
その演出を存分に楽しめる甘デジ版『CRA巨人の星~情熱の炎~』は、大当り確率が1/99.9で確変突入率100%のST機。50回転のSTモード「対決モード」にてまとまった出玉を獲得するゲーム性となっている。
STの継続率は約53.5%と低めだが右打ち中は大当りの30%が最大出玉となる16ラウンド約1300発。甘デジでは突出した出玉感を味わえるようになっているのである。
対決モードでは飛雄馬の視点からライバルたちの打撃を封じれば大当りとなる「飛雄馬投魂RUSH」と反対にバッター側の立場となって飛雄馬からホームランを狙う「大リーグボール打倒RUSH」の2つの演出モードが存在し、プレイヤーがどちらかを選べるようになっている。
また、モードは回転数によって3つのゾーンに区切られており、40回転までは上記の演出が展開する「投球ゾーン/バッティングゾーン」となるが、残り4回転までは「対決ゾーン」、そしてラストの4回転は「開眼ゾーン」とマルチに演出が展開。こういった多彩な演出群も本機の魅力のひとつである。
原作と違うことは悪いことではない。そう思わせてくれる貴重なマシンである。
(文=大森町男)
<著者プロフィール>
羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。
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