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C.ルメール「単勝1.1倍」7馬身差の圧勝劇に「新しいレモンポップ」の声! G1・2連勝も昨夏「他界」した全兄の分まで…陣営が描く壮大な夢
![東京競馬場](/wp-content/uploads/2020/12/tokyo2020_keiba_suta-to02.jpeg)
アッシュルバニパルを高評価していた田中博康調教師
「夢を持って戦っていける馬」
昨年11月、東京ダート1600mの新馬戦を快勝したアッシュルバニパル(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)をそう評価したのは、同馬を管理する田中博調教師だ。
同馬は、この世代がラストクロップとなるアロゲート産駒。現役時代に米国のG1を2勝したケイヴロックを全兄に持つ良血だ。昨年3月に米国で行われたOBS(オカラ・ブリーダーズ・セール社)マーチセールで、ノーザンファームの吉田勝己氏が105万ドルで落札した。
G1・3勝のレモンポップなどを手掛ける関東の腕利きである田中博調教師も「素晴らしい馬を預けていただくことになった」と期待を語っており、デビュー戦で3/4馬身差の快勝を決めると、冒頭のコメントが飛び出したのである。
「新馬戦の後には(アッシュルバニパルに騎乗した)J.モレイラ騎手も『まだ子どもっぽいところもあるけどナイスホース。ポテンシャルがあると思います』と、素質を高く評価していましたよ。
ちなみにアッシュルバニパルの兄ケイヴロックは一昨年、デビュー3連勝でデルマーフューチュリティ(G1)とアメリカンファラオS(G1)を制覇した期待の1頭だったのですが、蹄葉炎を発症してしまい昨年8月に惜しくも他界。通算成績は4戦3勝2着1回、仮にアクシデントがなければ相当の活躍が期待できたと思います」(競馬誌ライター)
そんなアッシュルバニパルは先月20日、約5ヶ月の休養を挟んで2戦目に臨んだものの、1番人気2着と取りこぼした。道中は馬群の中でキックバックを受ける厳しい展開となり、最後の直線で外に出すと猛然と追い込んできたものの、わずかハナ差で届かなかった。
そこから約1ヶ月、18日に行われた東京6Rの3歳1勝クラス(ダート1600m)でアッシュルバニパルが仕切り直しの一戦を迎えた。
鞍上に新コンビのC.ルメール騎手を迎えた今回は、単勝オッズ1.1倍という圧倒的支持。スタートはそこまで速くなかったが、道中は外目の4番手をスムーズに追走。最後の直線入り口で馬なりのまま先頭に並びかけ、ルメール騎手がゴーサインを出すとみるみる後続を引き離していく。最後は2着に7馬身差をつける大楽勝だった。
「新しいレモンポップ」の声も
レース後にはルメール騎手も「乗りやすくて特に注文をつけるところがない」「これからが楽しみ」とベタ褒め。SNSやネット掲示板にも「これは怪物かもしれない」という驚きの声や、同馬が田中博厩舎ということもあって「アッシュルバニパルこそ新しいレモンポップや」「レモンポップがカトレアS勝った時と同じくらい衝撃受けました」といった絶賛の声が多数寄せられていた。
「ルメール騎手もゴール前では後ろを確認していた上、手綱を緩める余裕を見せるなど、本当に強いレースぶりでしたね。
勝ちタイムの1分36秒2は東京ダート1600mの3歳戦で今年の最速タイ。先月のユニコーンS(G3)を制し、東京ダービー(G1)でも有力馬の1頭であるラムジェットがヒヤシンスS(L)でマークした勝ちタイムを0秒1上回ったのですから評価できます」(同)
また、管理する田中博調教師はレース後、Xの公式アカウントを通じて「(蹄葉炎で亡くなった)兄の無念を晴らせるような馬になるようにサポートしていきたいですね」と、今後の展望についてコメントを残した。
志半ばでこの世を去った兄ケイヴロックの分まで……自己条件を圧勝したアッシュルバニパルと田中博厩舎が描く夢は無限大だ。
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