
わずか「1頭」の初年度産駒がデビュー戦8馬身差の大楽勝! 突如現れた「後継候補」はサウスヴィグラス希望の光となるか

現役時には無敗でクラシック三冠制覇含め、G1を7勝したディープインパクト。彼の名前を知らない人はいないだろう。種牡馬としても三冠馬コントレイルや牝馬三冠ジェンティルドンナを輩出、中央競馬の歴史を変えた一頭である。
そんなディープインパクトが生まれた2002年、後に「地方競馬の歴史を変えた」とまで言われる1頭が走っていた。サウスヴィグラスである。
サウスヴィグラスは父エンドスウィープ、母ダーケストスターという血統。アメリカで生まれ、1998年に東京競馬場でデビュー。2002年1月の根岸S(G3)で初重賞制覇。同年3月の黒船賞(G3)から破竹の勢いで重賞を6連勝し、翌年のJBCスプリント(G1)での勝利を最後に引退、種牡馬入りした。
産駒は初年度から地方競馬を中心に勝ち星を量産。惜しくも2018年に亡くなったが、産駒勝ち上がり率約80%、産駒入着賞金総額歴代1位、地方競馬のリーディングサイアー8回など大成功を収め、地方競馬随一の大種牡馬となったのである。
しかし、地方競馬に多大な貢献をしたサウスヴィグラスだが、実はその輝かしい産駒成績の裏に危機的な問題を抱えている。代表的な後継種牡馬がまだ出ていないのだ。
高い勝ち上がり率を誇るサウスヴィグラス産駒であるが、一方で超大物と呼べる存在は見当たらない。現に重賞を勝った牡馬の産駒は22頭いるが、G1を勝った牡馬は2頭しかいなく、種牡馬入り出来るような馬の数自体が少ない。またサウスヴィグラス自身が18年に亡くなっているため、これ以上産駒が増えることもない。
突如現れた「後継候補」はサウスヴィグラス希望の光となるか
やや行き詰まりを感じるような状況だったが、一筋の光が差した。後継候補になるかもしれない1頭が現れたのである。
その馬は名をステッペンウルフという。現役時は地方重賞の京浜盃を勝った馬で、今年新種牡馬としてデビューしたばかり。種牡馬にはなれたものの、現役時G1を4勝した新種牡馬ルヴァンスレーヴが初年度産駒149頭であるのに対し、ステッペンウルフは初年度産駒がわずか1頭だった。
しかし今月15日、その唯一の産駒ゼロアワー(牝2歳、門別・佐々木国明厩舎)がデビュー戦で周囲の度肝を抜くパフォーマンスを見せた。スタートしてすぐ逃げの手を打つと、そのまま一切後続を寄せ付けず圧勝。2着のルヴァンスレーヴ産駒ソルジャーフィルドに8馬身の差をつけ、次元の違う勝ち方をしたのである。
この勝ちっぷりはステッペンウルフの種牡馬生活にとって光が差すものであったことは間違いないだろう。この1勝を機に種付け数が増えればサウスヴィグラスの苦境を解消する大きな一歩となりえさえする。
突如として現れた可能性の灯火は輝きを放つか、注目したい。
PICK UP
Ranking
11:30更新「最強マイラー」に降りかかった予想外の火の粉…「名義貸し」の発覚したオーナーは馬主資格をはく奪、不運の名馬トロットサンダー【競馬クロニクル 第41回】
JRA宝塚記念(G1)横山典弘「息子愛」でタイトルホルダー救った!? 好アシストに陣営からも感謝の声、横山和生が「最大のピンチ」を脱した裏側
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA今村聖奈「大ブレイク」の陰で悲痛な叫び。「何のために騎手になったのか」乗鞍激減、レース開催日に”お留守番”続出
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRAイチの「豪快王」小島太列伝。愛人、酒席トラブルあっても名騎手、名調教師の生き様に曇りなし
関連記事
JRA ダート名馬のラストクロップが7馬身差の圧勝V!! 最終世代「希望の星」がライバルを圧倒
「6戦合計40馬身差」“川崎のヤマニンウルス”がついに中央へ殴り込み!? 妹は『ウマ娘』藤田晋オーナーが1億円超で落札の血統馬
羽田盃(G1)8頭立てに中央競馬と地方競馬の「温度差」浮彫り UAE競馬史上「最強」のジョッキーが短期免許で日本初参戦! キャプテン渡辺が実行している一番良い方法【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
いまは無き宇都宮競馬場〜ネクラ女医の競馬日記No.21〜
羽田盃(G1)8頭立てに中央競馬と地方競馬の「温度差」浮彫り…3歳No.1フォーエバーヤング不在でも「敵前逃亡」続々、ダート革命に早くも失速の危機