’08 マイルチャンピオンSを制し、大輪の花を咲かせた黒き薔薇は、当歳馬が大好きな愛情たっぷりのリードホースに!|ブルーメンブラット

 かつて観衆を沸かせた名馬の“今”を紹介!

 走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

 全国で暮らす、名馬の個性と“今”を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!

 今回のコレクションは、2008年のマイルチャンピオンS(G1)などを制した、ブルーメンブラット!

 現在は、北海道勇払郡安平町にあるノーザンファームYearlingで暮らしているとのこと。

 そのお世話をしている景山さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

景山 和樹さん
(ノーザンファームYearling 厩舎長)

ウマ歴:15年
出身地:兵庫県
趣味:野球観戦
休日の過ごし方:子供とゲーム

 

ブルーメンブラット

ニックネーム|ブルーメン、ブル
生年月日|2003年2月20日
生産者|ノーザンファーム
馬主|キャロットファーム
戦績|24戦8勝(2着5回,3着4回)
獲得賞金|3億4,953万円(中央)
主な勝鞍|2008年 マイルチャンピオンS(G1)、2008年 府中牝馬S(G3)
父|アドマイヤベガ
母|マイワイルドフラワー
母父|Topsider
ここにきた日|2023年9月8日

 ブルーメンブラットは、2006年1月にデビューし、2戦目で初勝利を挙げると、1戦挟んで向かったフラワーC(G3)で後に桜花賞(G1)を勝つキストゥヘヴンと、エリザベス女王杯(G1)を勝つフサイチパンドラに次ぐ3着に好走。

 その後、1番人気に推された忘れな草賞(OP)で2着となり、続く矢車賞(500万下・現1勝クラス)では2着馬に1秒差をつけて快勝し、牝馬クラシック戦線に合流。
優駿牝馬(G1)、秋華賞(G1)ともに掲示板圏外に敗れるも、同期のライバルたちと、しのぎを削ってレース経験を積み、翌2007年にはオープン勝ちを含む3勝を挙げました。

 年が明けた2008年の5歳シーズンは、京都牝馬S(G3)の4着から始動。

 サンスポ杯阪神牝馬S(G2)では、逃げたエイジアンウインズにクビ差届かず2着に惜敗し、続くヴィクトリアマイル(G1)では残り400mほどで先頭に立つも、宿敵エイジアンウインズにゴール手前で交わされ、更に外から追い込んできたウオッカにも先着を許し3着に敗れるなど、重賞タイトルに、あと一歩手が届かない競馬が続きます。

 そのような中で、休養を挟んで迎えた府中牝馬S(G3)ではスタートで出遅れを喫し、道中は中団あたりに控えて競馬を進めるも、直線では馬群の中から鋭く脚を伸ばし、前を行くカワカミプリンセスを見事に差し切って、遂に悲願の重賞初制覇。

 勢いに乗って挑んだマイルチャンピオンS(G1)は、毎日王冠(G2)を勝って臨むスーパーホーネットや、同年の読売マイラーズC(G2)を制した重賞5勝馬カンパニーなどの強敵がひしめき合う中、直線で持ち前の末脚を遺憾なく発揮し、追い上げるスーパーホーネットを凌いでG1タイトルを手にしました。

 同馬はG1馬となったことで、クラブ規定で定められた6歳3月の定年を迎える前に引退が決定され、故郷のノーザンファームで繁殖入りとなり、今年までに12頭の産駒を送り出して、母親としての役目を終了。

 23年生まれの当歳達のリードホースとして、お世話をしてもらう為に厩舎へ入厩したそうです。

 食欲もありイケイケタイプのようですが、人懐っこさという面では、かなりクールな、お馬さんなのですね。

 担当している景山さんに、ブルーメンブラットの”印象的なエピソード”を聞いてみました!

「今年最後の産駒を出産し初めてリードホースとして仕事をする事になりましたが、当歳達への面倒見がとても良く、愛情を持って接してくれています。
その反面、厳しさを見せる事もあります。」

 つい数か月前まで子育てをしていたママらしく、リードホースとして当歳馬たちの面倒をしっかり見てくれているのですね。

 優しさも厳しさも、母が持つ愛情の表れだと感じます!

ジッと一点を見つめるブルーメンブラット
放牧地でのブルーメンブラット
ウォーターカップに集まる、ブルーメンブラットと厩舎の当歳達

 当歳達が好きで、いつも一緒にいるそうです。

 繁殖牝馬だった頃は一頭の仔馬のお母さんでしたが、リードホースになった今は、みんなのお母さんとして当歳たちを支えてくれているんですね。

当歳に混じって放牧地でエサを食べるブルーメンブラット

 多くの子供を出産し、牧場に貢献してきたブルーメンブラットは母親を引退しましたが、リードホースとして多くの当歳達の面倒を見てくれています。

 時に優しく、時に厳しく、当歳達と元気いっぱいに放牧地を走り回っています。

 景山さん、ブルーメンブラットのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

 なお、ノーザンファームYearlingさんは競走馬育成牧場ですので、防疫上の観点から一般の見学は不可となっています。

 ノーザンファームYearlingさんのSNSアカウントはありませんが、同じグループ内のノーザンホースパークさんのアカウントには稀に登場しますので、そちらを是非チェックしてみてください♪

X(旧:Twitter)|ノーザンホースパーク
Instagram|northernhorsepark
Facebook|ノーザンホースパーク / Northern Horse Park
WEBサイト|Northern Farm

協力:ノーザンファーム
   ノーザンファームYearling
取材・文:片川 晴喜
編集・デザイン:椎葉 権成
制作:Creem Pan
著作:Creem Pan・GJ

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