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「短距離のスペシャリスト」安田隆行厩舎と「脱・短距離」角居勝彦厩舎。両極端な2つの名門厩舎から、調教が競走馬に与える「影響」を推察

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sumiii.jpg角居勝彦調教師(Cake6より)

 先週24日の函館2歳S(G3)には、栗東の安田隆行厩舎から名スプリンターの素質を感じさせる大器モンドキャンノが出走。単勝1.8倍の1番人気に推されたものの2着に敗れてしまったが、半馬身前にいたレヴァンテライオンはレースレコードでの勝利。

 それ故に0.1秒差で敗れたモンドキャンノにしても、賞金加算に成功した上々の初重賞だったといえるだろう。勝ち馬も含めて、今年の函館2歳S上位馬は例年になく楽しみな存在になりそうだ。

 さて、その上で今週の競馬に目を移すと、新潟でJRA唯一の千直重賞アイビスサマーダッシュ(G3)が開催される。毎年、スピード自慢が集まるこのレースだが、今年は昨年の覇者ベルカントと千直を連勝中のプリンセスムーンが人気を二分しそうだ。

 ちなみにこの上がり馬プリンセスムーンもまた、安田厩舎の管理馬である。

 それにしても競馬ファンの間では”定番”となりつつあるが、安田厩舎は本当に次から次へとスピード自慢を送り出すものだと感心する。

 過去の代表管理馬は、言わずと知れた2013年の年度代表馬ロードカナロアであり、短距離女王カレンチャン。ちなみにこの2頭は2012年のスプリンターズS(G1)でワン・ツーゴールを決めており、まさに安田厩舎の技術と英知の賜物といえるレースだった。

 他にもセントウルS(G2)を勝ったダッシャーゴーゴーや、北九州記念(G3)を勝ったトウカイミステリーなどの名立たるスプリンターを育てた安田厩舎。グレープブランデーやトランセンドなどダートの活躍馬も目立つが、スタートからある程度押して行って、スピードを活かす競馬を得意としている点は共通している。

 つまり、客観的に見た安田厩舎のモットーはまさしく「スピード」であり、その「持続力」であるように見える。

 そして、そんな安田厩舎と相反するような実績を残しているのが同じく栗東の角居勝彦厩舎だ。

 角居厩舎といえば、牝馬として64年ぶりに日本ダービー(G1)を制したウオッカを始め、ドバイワールドカップ(G1)を制したヴィクトワールピサなど歴史的名馬を輩出した日本を代表する厩舎だ。他にもデルタブルースやポップロック、エピファネイアといった名ステイヤーを輩出していることも、安田厩舎とは大きく異なる点だ。

 そんな角居厩舎の重賞勝利は、実に68勝を数える。だが、実はその中にスプリント重賞が一つもないのだ。ちなみにJRAで1200mの重賞は、1600mに次いで数が多い。従って率直に述べると、これは何らかの明確な「意図」がなければ表れない極端な傾向である。

 実は、その点に対して角居調教師が興味深い話をしている。

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