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【京都記念(G2)】マカヒキ徹底考察 「『最強世代』のダービー馬が待望の復帰戦!気になる状態面を『3歳凱旋門賞』に挑んだ名馬と比較検証」

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 それを推し量る上で今回の復帰戦は大きな材料となる。その上で、まず課題となるのは国内戦よりも遥かに負担の大きい海外遠征で喫した大敗劇から、完全に立ち直っているかという点だろう。

 例えば昨年のイスパーン賞(仏G1)を圧勝して、一時は世界No.1にまで登りつめたエイシンヒカリは、次走のプリンスオブウェールズ(英G1)で大敗。国内に復帰しても精彩を欠いたまま引退している。やはり海外遠征のリスクは、決して小さくはないということなのだろう。

 その上で、マカヒキの以前に3歳馬として凱旋門賞に挑んだ馬はヴィクトワールピサ、キズナ、ハープスターの3頭が該当する。いずれも本馬と同じ、春のクラシックホースだった。だが、これらの国内復帰戦はまちまちだ。

 2010年の皐月賞馬ヴィクトワールピサは、凱旋門賞では7着(8位入線)だった。その後、わずか約2カ月後にジャパンC(G1)で復帰している。1位入線のブエナビスタ(2着)からは0.3秒差をつけられたが、3着を確保した。

 次走で有馬記念(G1)を制している事実を考慮しても、凱旋門賞敗戦によるダメージはほぼなかったといえるだろう。

 2012年の日本ダービー馬キズナは、マカヒキと同じようにニエル賞(G2)を快勝して本番に挑んだが4着。だが、こちらは同年の有馬記念で復帰するプランもあったものの、ダメージが抜けきっていないという理由で回避。

 結局、復帰戦は約半年後の大阪杯(G2)となったが、このレースを快勝している。時間は掛かったが、きっちりと立て直せたということだろう。

 2013年の桜花賞馬ハープスターは6着。こちらも同年のジャパンCで復帰して5着だった。ただし3コーナーで多少の不利があり、上がり3ハロンの末脚自体は勝ったエピファネイアと互角の脚を使えている。

 2着で同年の天皇賞馬ジャスタウェイとは0.2秒差。ある程度の力は出し切れたといえるだろう。

 無論、これらはあくまで参考に過ぎない。だが、3頭の復帰戦を見た限り、少なくとも凱旋門賞のダメージが、その後の競走生活に大きく影響したということはなさそうだ。

 関西の名門・友道康夫厩舎(そして何よりも、世界最高のスタッフと設備を誇るノーザンファーム)に所属するマカヒキも、時間を掛けてしっかりと立て直しが図られた以上、能力を発揮できる状態にあると考えるのが妥当か。

 実際に年明けの先月7日に帰厩したマカヒキは、そこから順調に調整を消化している。栗東のCウッドで行なわれた1週前追い切りでは、3頭併せで7ハロンというハードな内容ながら全体96.4秒、ラスト11.5秒と抜群のキレを見せて最先着を果たしている。

 ただ、その上で重箱の隅を突くならば「精神面」のダメージか。

 確かに先述した3頭は、いずれも復帰戦で本来の一定の能力を発揮しているが、敗れた凱旋門賞でもある程度のパフォーマンスは見せていた。しかし、何の見せ場もなく14着に大敗したマカヒキに限っては、快勝したニエル賞を含めたこれまでの本馬の走りを見る限り、あまりにも不可解な敗戦だった。

 その上で気になるのは、やはり精神面だ。凱旋門賞で勝負どころを前にして早々に手応えが怪しくなった理由をあえて追求すれば、故障ではない以上「気持ちが切れた」と見るのが妥当だ。

 それが今後の競馬にどのような影響をもたらすのか。今回の復帰戦はそういった意味でも重要な試金石となる。
(監修=下田照雄(栗東担当))

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