マカヒキがムーア騎手とのコンビで京都記念へ。「ダービーを勝っても報われない」男泣きを見せた川田将雅の心中やいかに……
マカヒキ(競馬つらつらより)もはやお決まりとなった外国人騎手への乗り替わりだが、今回の一件は疑問を呈さざるを得ない。
凱旋門賞で14着に敗れたマカヒキの復帰戦が、2月の京都記念に決定。鞍上には世界の名手R.ムーア騎手が選ばれることとなった。管理する友道調教師は、「オーナーの考えもありますし、僕自身も世界NO.1のジョッキーに乗ってほしいと思っていました」とコメントしている。
この事実を知った時、真っ先に思い出したのは、昨年の日本ダービーで見せた川田将雅騎手の男泣きだった。サトノダイヤモンドとのハナ差8センチの大接戦を制し、ウイニングランのさなかに彼が馬上でこぼした万感の涙。2016年を代表する名場面ともいうべきその光景を覚えている人は少なくないだろう。
「これだけ素晴らしい馬に乗せていただけたことを光栄に思いますし、ダービー馬にさせてあげられてホッとしています」。レース後のインタビューで川田騎手はそう答えた。与えられた任務をまっとうした男の凛々しい顔つきであった。
川田&マカヒキが初コンビを組んだのは皐月賞。それまで若駒S→弥生賞の鞍上はC.ルメール騎手だったが、サトノダイヤモンドというお手馬がいたため、有力馬に騎乗予定のなかった川田騎手にお鉢が回ってきたのだ。この時はディーマジェスティの後塵を拝して2着に敗北。とはいえハイペースの流れを読んでの後方待機は的確な判断であり、問題のない好騎乗だったと言えるだろう。
続くダービーではスタートから積極的にポジションを取りに行き、皐月賞とは異なる中団前目で運ぶ展開。「そんなに出していって最後に息切れするのではないか」とヒヤヒヤしたが、直線で力強く抜け出すとサトノダイヤモンドとの叩き合いを制した。川田騎手の思い切った騎乗が功を奏した形だ。
大一番で経験の少ないポジション取りを敢行し、そのまま優勝に導いた手腕は当然ながら評価されるべきだろう。しかし、マカヒキの凱旋門賞挑戦が発表された時、鞍上に選ばれたのはルメール騎手だった。「ダービージョッキーでも乗り替わりになるのか」という声が出て自然だが、この変更にはまだ理解できる点が多かった。すでにマカヒキへの騎乗経験がある元相棒であり、もともとフランスのトップ騎手として凱旋門賞の舞台シャンティイ競馬場も熟知している。そのような背景を思えば、乗り替わりは仕方なかったと考えられなくもないからだ。
だが、今回のムーア騎手へのチェンジには疑問ばかりが浮かぶ。もちろん、ムーア騎手が世界トップの実力を持つ名手であることは百も承知である。それでも私は、「なぜ川田ではいけないのか?」という思いを禁じ得ない。2016年のリーディングでは上位2人に大きく離されたが、この厳しい時代に自己最多の135勝を挙げて全国3位。重賞勝利数も過去最高の12を記録しているトップジョッキーである。マカヒキには2戦騎乗して1着1回2着2回。一目でそれとわかる明らかなミスをしたわけでもないのだ。
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