GJ > 競馬ニュース > 西山茂行オーナーが語る  > 3ページ目
NEW

弥生賞(G2)ニシノデイジーは何故「今年0勝」勝浦正樹なのか? 西山茂行オーナーが語るクラシック”異端児”誕生の奇跡【特別インタビュー】

【この記事のキーワード】, , ,

西山オーナー:大野(拓弥騎手)や武藤(雅騎手)、三浦皇成(騎手)だって同じですよ。もし新馬戦から戸崎(圭太騎手)が乗ってれば、行ける限りはずっと戸崎で行きます。巡り合わせで、ニシノデイジーは勝浦だったということです。

調教師や騎手、助手とか厩務員とか、そういう「人と人とのつながり」が楽しみで長いこと馬主をやってるわけですから。もう今回の弥生賞、そして皐月賞も「勝浦で行こう」って決めています。

――勝浦騎手にとって、ニシノデイジーの弥生賞が今年の初勝利になる可能性も。

西山オーナー:いやいや、その前に勝ってもらいましょうよ(笑)。

――ニシノデイジーといえば、桜花賞馬のニシノフラワー(ニシノデイジーの3代母)から続く、生粋の”西山ブランド”。

西山オーナー:それはね。牧場を経営する上で、自分のところで生まれた桜花賞馬(ニシノフラワー)と、自分のところで生まれた皐月賞馬(セイウンスカイ)……それを掛け合わせるのは、やっぱりロマンでしょう。

私は正直、セイウンスカイは「たぶん、ダメな種牡馬なんだろうな」と思ってました。血統がマイナーだし、(セイウンスカイの父)シェリフズスターも全然でしたから。だからセイウンスカイは100打数1安打の突然変異だと思っていたわけですよ。

その上で、セイウンスカイの血を世に残すってなると、桜花賞馬のニシノフラワーで牝馬が生まれてくれれば、(繁殖牝馬として)なんとか残ってくれるだろうなと思っていました。

――幸い牝馬が生まれたが、ニシノミライ(同2代母)は未勝利に終わってしまった。

西山オーナー:私からすれば(牝馬が生まれてくれただけで)大喜び。実は一時的に地方に移籍させるとか、もう少し走っていれば勝てる可能性もあったんですが「セイウンスカイの血を繋ぐんだ」という思いで、早めに引退させて繁殖に上げました。

その娘、ニシノヒナギク(同1代母)も同じ思いで、まだ元気なうちに繁殖に上げたんです。その流れが、ニシノデイジーでやっと花開いてくれたんだと思います。

――まさに西山牧場の執念が生んだ結晶。

西山オーナー:本当に凄いのはニシノフラワーよりも、お母さんのデュプリシト(同4代母)ですね。ニシノフラワーだけじゃなくて、去年引退したネロ(重賞2勝後、種牡馬入り)も同じ血統ですから。あの馬の血がずっと西山牧場を支えてくれて、今でもデュプリシトのおかげで競馬を楽しませてもらっています。

ニシノフラワーは今年で32歳ですけど、まだ元気ですよ。お婆ちゃんでヨロヨロしていますけど。もう歯も無くなって、ミキサーでリンゴとかを砕いて食べさせてますけど、西山牧場で作った桜花賞馬という「生きた見本」がそこにいる。それが牧場の従業員にとって大きいんです。

――それらの血を継ぐ、ニシノデイジーも種牡馬入りが期待される。

弥生賞(G2)ニシノデイジーは何故「今年0勝」勝浦正樹なのか? 西山茂行オーナーが語るクラシック異端児誕生の奇跡【特別インタビュー】の画像3

西山オーナー:まだ早いよ(笑)。まだ皐月賞も走ってないですから。

昨日、ニシノデイジーの攻め馬を見て、週末には弥生賞がある。今は「さあ、この先にどんな風景が待ってるんだろう」っていう気持ちが大きいですね。どんな景色が見えるのか、今から楽しみでしょうがないですよ。それこそが馬主の醍醐味です。

――ニシノデイジーは、まさに馬主の醍醐味を堪能できる素質馬。

西山オーナー:こういう馬が出てくれるまでが、本当に大変なんです。ポテンヒットはいくつかあっても”ホームラン級”の当たりが出るには、三振してもいっぱいバットを振り続けるしかない。毎年40頭、50頭持って、やっとデイジーのような馬が出てきたわけですから。

西山牧場にも苦しい時期がありましたし、父も(先代の正行さん)G1だけでなく重賞を勝つっていうのは「神様からの授かり物」だと言っていました。勝とうと思って勝てるわけではないし、もし勝てたなら「神様から1つ授かり物を頂いた」と思うようにしています。

弥生賞(G2)ニシノデイジーは何故「今年0勝」勝浦正樹なのか? 西山茂行オーナーが語るクラシック”異端児”誕生の奇跡【特別インタビュー】のページです。GJは、競馬、, , , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【天皇賞・春(G1)】ドゥレッツァも、タスティエーラも不安材料たっぷり? キャプテン渡辺「渾身の本命馬」は【徒然なる神のくず競馬トーク】
  2. 【天皇賞・春(G1)予想】「盾男」武豊騎手&サリエラから三連複1点勝負!
  3. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  4. 【天皇賞・春】武豊に次ぐ「長丁場の鬼」が超人気薄で虎視眈々…!?「バテない馬だし京都向き」惨敗で評価急落も条件大好転
  5. 【天皇賞・春(G1)】リピーターはディープボンドではなく「長丁場で大崩れがない」アノ1頭? 単穴は「豊富なスタミナが武器」の堅実派…まさに伏兵といえるベテランも? 超強力“現場ネタ”から紐荒れで狙える伏兵が浮上!?
  6. 【天皇賞・春】堅そうだから本命は上位人気で勝負!C.ルメール不在なら「初G1勝利コンビ」に期待したくなるよね【UMAJOモモのオイシイ競馬】
  7. 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも「鞍上未定」の怪…レース当週C.ルメール復帰予定、何かしらのサプライズも?
  8. 【青葉賞(G2)予想】データも後押しシュガークンの可能性にかけて勝負!キタサンブラック弟を頭に流す
  9. 目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!? 今村聖奈、角田大河の謹慎中に存在感発揮も…安田記念前に師弟関係で遺恨勃発か
  10. 【天皇賞・春】春G1「勝利の方程式」がまたまた出現!14番テーオーロイヤルに“やり過ぎ感”…思い出したい「待て、あわてるな、これは孔明の罠だ」の声