
JRA根岸S(G3)「初ダート」ステルヴィオに「35連敗中」の現実……。天下のノーザンファームに「弱点」発覚で激走は期待薄!?
31日、東京競馬場で行われるダートの7ハロン戦・根岸S(G3)には、芝のG1勝ち馬ステルヴィオ(牡6歳、美浦・木村哲也厩舎)が出走する。
キャリア17戦すべてで芝のレースを使われてきたステルヴィオ。勝算を見込んでの参戦なのか、それともあくまでも高松宮記念(G1)への叩き台なのだろうか。
ステルヴィオを生産したのはノーザンファーム。2011年から10年連続で生産者リーディングに輝くなど、21世紀の日本競馬界を牽引してきた。昨年は国内の平地G1・24レースのうち、実に15レースを制し、年間最多記録を更新。今年も年始から9つの重賞のうち7レースを制している。
ノーザン1強時代と言われて久しいが、その勢いはとどまるどころか年々加速しているといっても過言ではない。そんなノーザンファームにとって最も得意な条件は、芝の中距離を中心としたクラシックが開催されるマイル以上の距離。逆に芝の短距離とダート路線は他の生産者にも付け入る隙を与えてきた部分がある。
それでも昨年12月に開催されたダート王決定戦のチャンピオンズC(G1)では、勝ったチュウワウィザードを筆頭に、2着ゴールドドリーム、4着クリソベリルとノーザンファーム生産馬が上位を賑わせた。ダート界にもノーザンファームの強豪馬が流入してきているという現実がある。
しかし、来月のフェブラリーS(G1)の出走予定馬のなかには、今のところノーザンファームの有力どころは名を連ねていない。チュウワウィザードはサウジCの招待を受諾。ゴールドドリームは引退し、クリソベリルは故障で戦列を離れている。
前哨戦の根岸Sには27頭が登録しているが、ノーザンファーム生産馬はステルヴィオだけだ。年の最初のG1・フェブラリーSで好スタートを切りたいノーザンファームは、ステルヴィオに白羽の矢を立てたということなのだろう。
ステルヴィオは、昨年1400mを中心に使われ、勝利こそなかったが、G2で2着2回と復調の兆しを見せていた。しかし、前走の阪神C(G2)で12着に敗れ、今後の動向が注目されていた中でのダート初挑戦。昨年のモズアスコットと臨戦過程が似ていることもあって、激走に期待する声もあるが、ノーザンファーム生産馬は芝からダート替わりを苦手としている。
特に芝からのダート重賞挑戦は、2003年の武蔵野S(G3)を勝ったサイレントディールを最後に20年近く勝ち馬は出ておらず、現在「35連敗中」だ。
今年も生産者リーディング部門で独走間違いなしのノーザンファーム。クリソベリルの離脱などで一転ピンチに陥ったダート路線でステルヴィオの復活は夢に終わるのか。
6歳を迎え新境地に挑むステルヴィオに注目だ。
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