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JRA「リスグラシュー2世」が出世レースでポスト・コントレイルに名乗り!? 「プチスランプ」矢作芳人厩舎を救えるか!

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 23日(土)、東京競馬場では2歳限定競走のアイビーS(L)が行われる。特別登録は8頭と少ないが、アスクビクターモア、ブラックボイス、ドウデュースなど好メンバーが揃った。

 そんな中、注目したいのがルージュラテール(牝2歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 デビュー前には矢作調教師が「リスグラシューぐらいのイメージで」と、G1を4勝した名牝の名前を出したほどの期待馬。実際、6月のデビュー戦では前評判に違わぬ走りを見せた。

 阪神芝1600mで、7頭立てという少頭数だったが、素質馬が揃い注目度は高かった。レース直前には元騎手の安藤勝己氏が「G1級が何頭かおって、ゆくゆく伝説の…ってなるかもしれないよ」とツイートしたほどだ。

 もちろんルージュラテールも安藤氏が「G1級」と評したうちの1頭。レースでは、3番人気に推されたものの、先に抜け出しを図ったルージュラテールはゴール直前でダノンスコーピオンに捕まり、クビ差の2着に敗れた。

 その後は8月の新潟未勝利戦(芝1600m)に出走。スタートでやや遅れたが、すぐにリカバリーし、好位にとりつくと直線で長くいい脚を使って快勝した。レース後には安藤氏が「ルージュラテール順当やね」と、Twitterで異例ともいえる未勝利戦に言及。「これで新馬前のつぶやきに納得してもらえたでしょ」とG1級という評価に改めて太鼓判を押した。

 今回は他の選択肢もあるなか、距離を1ハロン延ばしての牡牝混合戦となるが、いい状態でレースに臨めそうだ。20日に行われた最終追い切りでは栗東坂路で馬なりのまま52秒1という好時計をマークした。ただし、2歳の若駒だけにまだ不安な点もあるという。

「前走で初勝利に導いた川田将雅騎手もコメントしていますが、(ルージュラテールは)手前を替えるのが苦手なようで、前走時も最後は手前を替えずにゴールしています。他にもフォームにばらつきがあったり、硬さが残っていたりと、今後に向けての課題は少なくありません。

逆に捉えれば、これらの課題を解消すれば、“伸びしろ”はまだまだあるといえます。奇しくもデビューからの過程(2着→1着)もリスグラシューと同じで、アイビーSで骨っぽい牡馬勢を蹴散らせば、リスグラシュー2世の襲名にも少しは近づけるかもですね」(競馬誌ライター)

 今年も好メンバーが揃ったアイビーSだが、特に牝馬にとっては屈指の出世レースとなっている。16年覇者ソウルスターリングはG1を2勝、18年覇者のクロノジェネシスもこれまでG1を4勝している。

 管理する矢作調教師にとってもこのレースは是が非でも勝っておきたいところだろう。

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 昨年はコントレイルで牡馬三冠を達成するなどの活躍で、自身3度目の全国リーディングトレーナーに輝いた。今年も序盤は絶好調でリーディング首位を走っていたが、夏場に入るとややスランプ状態に陥り、現在は首位の座を明け渡し、リーディング3位に落ち着いている。

 厩舎の絶対的エース、コントレイルは天皇賞・秋(G1)とジャパンC(G1)での引退が決まっており、牝馬のエース格ラヴズオンリーユーはクラブ規約で来春の繁殖入りが既定路線。宝塚記念2着馬のユニコーンライオンは、蟻洞のため長期休養予定と、次代のエースが不在となりそう。矢作厩舎としては、ポスト・コントレイル、ポスト・ラヴズオンリーユーになり得る存在を見つけておきたいところだろう。

 奇しくも2年前の有馬記念(G1)で有終の美を飾ったリスグラシューは、そのタスキを当時2歳のコントレイルにつなぎ、矢作厩舎を支えてきた。

 今度はルージュラテールがコントレイルからそのタスキを受け取り、そしてつないでいくことはできるか。“リスグラシュー2世”にとってアイビーSは今後を占う試金石となりそうだ。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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