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JRA武豊「反則級スタート」も17着大敗……天皇賞・秋(G1)キタサンブラックで見せた後世に語り継がれる「ユタカマジック」の凄み

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JRA武豊「反則級スタート」も17着大敗……天皇賞・秋(G1)キタサンブラックで見せた後世に語り継がれる「ユタカマジック」の凄みの画像1
武豊騎手

 19日、中京競馬場で開催されたファルコンS(G3)は、2番人気のプルパレイが内から抜け出して優勝。重賞初制覇を飾り、NHKマイルC(G1)へ大きく存在をアピールした。

 その一方、絶好のスタートを切りながらも17着に大敗したのが、デュガ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)と武豊騎手である。

 絶好“過ぎる”スタートだった。実際に中継でも「17番デュガが好スタート」と実況されており、横一線から約半馬身ほど前に出る“超”ロケットスタートを決めている。ここまで5戦2勝ながら、ここ2走は逃げる競馬で連勝中だっただけに、この日もすんなりハナに立つと思われた。

 しかし、内からライバル達が激しく抵抗すると、デュガは好位まで後退。レース後、武豊騎手が「ハナに行けないと脆いですね」と指摘した通り、その後は特に見せ場もなく17着に沈んだ。

 大人気競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でお馴染みの藤田晋オーナーの所有馬だっただけに注目を集めていたデュガだが、一見チグハグにも見えるレースぶりに、ネット上の一部のファンからは「逃げてくれよ」「最高のスタートだったのに」といった嘆き節もあったようだ。

「どうやらあのロケットスタートは、武豊騎手が意図したものではなかったようです。というのもレース後に、JRAから戒告があったようで、どうやら馬の方がゲートが開く直前に前扉へ突進してしまったようですね。

結果的に他馬より半馬身ほど前に出るフライングのような形になりましたが、ダメージは当然あったでしょうし、武豊騎手としても想定外の展開。17着と大きく負けてしまいましたが、完全な力負けとは言い切れないと思います」(競馬記者)

 武豊騎手の騎乗馬によるゲート突進といえば、やはり2017年の天皇賞・秋(G1)を思い出したファンも少なくないのではないだろうか。

 当時、武豊騎手は1番人気のキタサンブラックに騎乗していたが、あろうことかスタート直前に前扉へ突進するアクシデント。逃げが身上のキタサンブラックが大きく出遅れたこともあって、5万2000人詰めかけた東京競馬場がどよめきに包まれた。

 しかし、そこからの武豊騎手の騎乗は、後世に語り継がれる“ユタカマジック”の1つだろう。

「慌てずに状況に合わせて走りました」

 降り続く雨の影響で、歴史的な不良馬場の中で行われた天皇賞・秋だった。各馬が荒れた馬場を嫌って外を回る中、1頭だけスルスルとポジションを挽回すると、最後の直線を迎える頃には先頭集団……つまりは、いつもの勝ちパターンに入っていた。

 あれから5年。この日のファルコンSを勝利したのは、当時キタサンブラックと死闘を演じたサトノクラウンのM.デムーロ騎手だ。

 デュガにもキタサンブラックのような逆転勝利が期待されたが、当時の現役最強馬だった後者と、3歳春を迎えたばかりの前者では、競走馬としての完成度が違う。レース後、武豊騎手は「周りを気にするので、精神面で成長してくれれば」と相棒の課題を指摘した。

 ちなみにレース後、JRAの公式ホームページには「デュガ号の騎手武豊は、発馬機内での御法(突進された)について戒告」と記載されており、これは2017年の「キタサンブラック号の騎手武豊は、発馬機内での御法(突進された)について戒告」とまったく同じである。

 残念ながら5年ぶりのマジック発動とはならなかったが、この日のデュガの大敗ぶりを見れば見るほど、あの時のキタサンブラックの騎乗の“凄み”が改めて浮き彫りになった今年のファルコンSだった。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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