
「重賞6勝」田中博康厩舎が大躍進!ローシャムパーク、レーベンスティールが香港遠征…「思い出の地」でレモンポップに続けるか

3日、中京競馬場で行われたチャンピオンズC(G1)は、レモンポップ(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)が勝利した。初距離の1800mに、過去9年で一度も馬券に絡んでいない大外枠と不安が重なり、単勝オッズはやや高めの3.8倍だったとはいえ、不安を一掃する堂々の逃げ切り勝ちでG1・3勝目を飾った。
不利な条件でも勝ち切ったことで、レモンポップ自身はもちろん、管理する田中博厩舎の評判もますます上がっている。今回の仕上げも見事だったが、決してスムーズではなかった過去を乗り越えたことも大きい。
2~3歳時は脚部不安のため、1年以上を休養に充てていたレモンポップ。4歳時からコツコツと勝ち上がり、5歳を迎えた今年は、1月の根岸S(G3)勝利を皮切りに大活躍。これは馬自身の素質に加えて、慎重に進めてきた陣営の努力も実を結んだ結果だろう。
開業6年目の田中博師は、厩舎としても重賞初勝利だった根岸Sを含め、今年はJRA重賞を6勝。函館記念(G3)とオールカマー(G2)を勝ったローシャムパークに、セントライト記念(G2)を勝ったレーベンスティールも同厩舎の管理馬だ。
現時点で重賞6勝は、7勝の中内田充正厩舎と木村哲也厩舎に続き、友道康夫厩舎に並ぶ成績。昨年も美浦の調教師リーディング4位と躍進したが、今年は大舞台でもベテラントレーナーに負けない成績を残している。
飛躍の年を迎えた田中博師は10日、香港のシャティン競馬場で開催される香港国際競走に、先述の重賞馬2頭を送り込む。香港C(G1)にはローシャムパーク、香港ヴァーズ(G1)にはレーベンスティールが出走予定だ。
2頭は出国前に併せ馬を行い、田中師は「いい追い切りができたと思います」と順調ぶりをアピール。3日には2頭とも現地に到着し、あとは本番を迎えるのみ。他の日本馬も含めて強豪が揃う舞台だが、ぜひ好走に期待したい。
「思い出の地」香港G1でさらなる“飛躍の年”へ
そんな田中博師だが、騎手時代に一度だけシャティン競馬場で騎乗経験がある。2009年の香港C、騎乗馬はクィーンスプマンテ。同年に単勝77.1倍でエリザベス女王杯(G1)を制し、騎手として唯一のG1タイトルを掴んだ“あの”コンビだ。
貴重な海外経験だったが、結果はシンガリ10着と悔しい思いをした。調教師として臨む今年は、当時と同じ香港Cへ挑むローシャムパークもいるため、リベンジの気持ちもあるだろう。もちろん、3歳馬レーベンスティールの挑戦も見逃せない。
また、厩舎開業前には香港を含む海外へ学びに行ったこともあり、その経験を生かせる機会でもある。勤勉な同師なら、これほどの結果を出すのも頷けるだろう。
目標には大きく「凱旋門賞制覇」を掲げる田中博厩舎。国内ダートの頂点を極め、次なる大舞台も控える若き指揮官の手腕から、今後も目が離せない。
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