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武豊、福永祐一は順調も、三浦皇成は失速…歴代5位の新人王・今村聖奈「勝負の2年目」に気になる昨年終盤の大ブレーキ

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武豊、福永祐一は順調も、三浦皇成は失速…歴代5位の新人王・今村聖奈「勝負の2年目」に気になる昨年終盤の大ブレーキの画像1
今村聖奈騎手

「ここからが勝負だと思います」

 2023年を迎え、『サンスポ』の取材にそう決意を新たにしている今村聖奈騎手。デビューイヤーとなった昨年は、最終的に歴代5位の51勝(以下、数字はいずれもJRA)を挙げる大活躍。今年は競馬界の新たな顔役として、ますます大きな注目を集めることになりそうだ。

 ちなみにデビュー初年度に今村騎手よりも多くの勝ち星を挙げたのは、三浦皇成騎手(91勝)、武豊騎手(69勝)、加賀武見騎手(58勝)、福永祐一騎手(53勝)の4人。ただし、2年目は武豊騎手が113勝、福永騎手が64勝、加賀騎手が63勝と勝ち星をさらに伸ばした一方、三浦騎手は78勝と失速している。

 武豊騎手と福永騎手がその後、競馬界を代表するジョッキーに成長していった一方、三浦騎手は通算1000勝が目前ながら未だG1勝利には手が届かずと苦戦。ちなみに加賀騎手は3年目にリーディングを獲得すると、そこから5年連続首位とやはり競馬界を代表するジョッキーになっている。

 そういった意味では今村騎手の言葉通り、2年目の浮沈は今後の騎手人生に大きく影響する「勝負の年」といえるだろう。

「勝負の2年目」に気になる昨年終盤の大ブレーキ

 女性ジョッキー初の新人王として注目の2年目を迎える今村騎手だが、さらなる飛躍へ最大の懸念は昨年「終盤の失速」に違いない。下記は本騎手がデビューした昨年3月~10月と、失速ぶりが目立った11月~12月の成績である。

3月~10月(47勝)
勝率0.096、連対率0.174、3着以内率0.248

11月~12月(4勝)
勝率0.034、連対率0.119、3着以内率0.169

 上記の通り、今村騎手は昨年51勝の内、約92%にあたる47勝を10月までの8か月間で上げている。月間に換算すると1か月約6勝。順当に行けば、残り2か月で12勝を上積みした59勝前後まで勝ち星が伸びる見込みだった。

 しかし、11月はまさかの0勝と大きく失速。12月に4勝を上積みして何とか50勝超えを果たしたが、これが今村騎手のデビューイヤーだった。

 この「終盤の失速」には2つの明確な原因がある。

 1つは斤量増だ。10月29日に地方も含めた通算51勝に到達した今村騎手は、11月以降は4キロ減から3キロ減で騎乗している。これまでも多くの若手騎手が苦戦を強いられてきたように、このわずか1キロ増が成績に少なからず影響を与えたことは確かだろう。

 だが、これは当然今年もついて回る課題だ。それどころか、仮に今村騎手が今年も昨年以上の結果を残せば必然的に通算101勝に到達し、現状の3キロ減から2キロ減になる。だが、裏を返せば今村騎手に限らずすべての騎手が通る道だけに、本人にとっても特別な問題点とは言えないだろう。

 そして、もう1つが騎乗馬の質の低下だ。

 今村騎手は現在、小原靖博氏とエージェント契約を結んでいるが、小原氏は他にも福永祐一騎手、岩田康誠騎手、岩田望来騎手を抱えている腕利きだ。現在の今村騎手の活躍も、この敏腕エージェントの力によるところも大きい。

 しかし、昨秋は11月から短期免許で参戦したR.ムーア騎手の仲介を小原氏が担当。その影響で今村騎手は一時的にエージェントがいない状態になっていた。ちなみにムーア騎手が騎乗したのは11月12日~12月4日まで。まさに今村騎手が失速した時期と重なっている。

 その影響を具体的に示したのが、騎乗馬の人気だ。

3月~10月
騎乗回数488回
1番人気52回(約10.6%)
2番人気50回(約10.2%)
3番人気56回(約11.4%)

11月12日~12月4日(ムーア騎手騎乗期間)
騎乗回数56回
1番人気2回(約3.5%)
2番人気3回(約5.3%)
3番人気4回(約7.1%)

 上記が示す通り、小原氏がムーア騎手を担当していた期間は明らかに今村騎手の騎乗馬の質が下がっている。好調だった3月~10月までは全体の約32.2%が3番人気以内であり、3回に1回は勝つチャンスの大きな馬に騎乗していた。しかし、11月12日~12月4日は約15.9%と半減。どんな腕利きの名手でも、馬が弱ければ勝つことが難しいことは、競馬ファンなら誰もが知るところだ。

 だが、この問題は今年大きく好転する見込みだ。

 まずムーア騎手が帰国したことで、今村騎手が再び小原氏とエージェント契約を結んでいる。12月10日以降に3勝を上積みできたように、その影響は小さくない。今年、再び同様のケースに陥る可能性もあるが、まずは昨年末に取り戻した勢いを継続できそうだ。

 また、小原氏にとってファーストドライバーにあたる福永騎手が2月一杯で現役を引退することは、今村騎手にとってグループ内の序列が上がることを意味している。福永騎手といえば、昨年も101勝を挙げたトップジョッキー。そのすべての騎乗馬が今村騎手に回ってくるわけではないが、少なからぬ恩恵に預かる可能性は高い。3月以降、さらなる加速が期待できそうだ。

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