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今村聖奈が挑む「初G1」と「師匠超え」!衝撃のデビューイヤー、最後も爪痕を残せるか…

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今村聖奈騎手

 年末の風物詩である有馬記念(G1)も終わり、いよいよ2022年の中央競馬も残すところ1日。28日には中山競馬場でホープフルS(G1)が行われる。

 2017年からG1に昇格した暮れの2歳王者決定戦。2018年の優勝馬・サートゥルナーリアが翌年の皐月賞(G1)を制し、2019年の優勝馬・コントレイルは無敗の三冠を達成と、クラシック戦線につながる重要な一戦となっている。

 今年も有望株の激突に注目が集まる中、もうひとつ話題を集めているのが今村聖奈騎手。スカパラダイス(牡2歳、栗東・寺島良厩舎)とともに参戦するルーキーにとって、今回がキャリア初のG1競走騎乗となる。

 今年の3月にデビューを果たした19歳は、初月から4勝を挙げる上々のスタートを切ると、5月には早々と年間10勝を達成。牧原由貴子騎手と西原玲奈騎手が持っていたJRA女性騎手によるデビュー年の最多勝利記録を22年ぶりに更新してみせた。

 さらに7月には、テイエムスパーダと挑んだCBC賞(G3)で重賞初騎乗・初勝利という快挙も達成。ルーキーの重賞勝利は2008年の三浦皇成騎手以来で14年ぶり10人目、加えて重賞初騎乗での勝利は1998年の池添謙一騎手以来となる24年ぶり4人目というW偉業達成だった。

 8月にはJRA見習い騎手のG1騎乗可能ラインとなる通算31勝目(※地方との合算)をゲット。とはいえG1の大舞台とは縁遠い日々が続いていたが、最後のチャンスとなるホープフルSにスカパラダイスが参戦を表明。当初は抽選対象であったが、回避馬が出たことでG1の出馬表に「今村聖奈」の文字が刻まれることとなった。

衝撃のデビューイヤー、最後も爪痕を残せるか…

 スカパラダイスは自身が所属する寺島厩舎の管理馬で、8月の新馬戦で自ら勝利に導いた相棒。これまで10回重賞に出走があった中、自厩舎の管理馬で挑む重賞は今回が初とあって、普段からお世話になっている恩師に良い結果を届けたいという気持ちも強いはずだ。

 思えば、重賞初騎乗だったCBC賞は激流の1200m戦でも臆することなく逃げの手を打ち、影をも踏ませぬ圧巻のレコード勝ち。今回のG1初騎乗でも度胸満点の騎乗ぶりに期待が高まる。

 11月は月間1勝とやや苦しむ姿が見られたものの、12月17日に史上5人目となるルーキーイヤーの年間50勝を達成。勿論、女性騎手では初の快挙である。

 先週も自厩舎のモックモックで新馬戦を制し、これで今年の勝利数は51。福永祐一騎手が1年目に記録した「53勝」まであと2つと迫った。

 今村騎手にとって、福永騎手はデビュー時に「目標とする騎手」として名前を挙げていた憧れの存在。騎乗する競馬場が一緒になった際には、朝の芝コースを実際に歩いて馬場を確認する福永騎手の日課について行く姿が度々SNS上でアップされるなど、いわば“師弟”のような関係が見て取れる。

 26日の深夜に関西テレビで放送された『8SPORTS』では、2人による初の対談も実現。福永騎手からは「今のままの聖奈で良い。向上心を持ち続けて、大きなケガなく行ってほしい」とエールを送られた。

 数々の快挙を成し遂げ、話題を振りまいたルーキー・今村聖奈の1年目。最終日はホープフルSが行われる中山競馬場で、憧れの師匠とともに戦うことになる。

 福永騎手は調教師試験に合格したため、一緒にレースに参加することができるのは2月末まで。残された時間はあまりにも短いが、まずはこの1年の進化と成長を師匠に見せつけるチャンスと言えるだろう。

 初のG1騎乗と、憧れの師匠の記録への挑戦。泣いても笑っても今年の騎乗はあと6鞍、その中でどんなインパクトを残して2022年を締め括るのか。最終日も今村聖奈から目が離せない。

木場七也

木場七也

29歳・右投右打。

本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。

ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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