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【ホープフルS(G1)展望】武豊「完全制覇」か、今村聖奈「快挙」か、三浦皇成「悲願」か!

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 28日、中山競馬場ではG1となって6年目を迎えるホープフルS(G1)が行われる。牡馬クラシック第1弾の皐月賞(G1)と同じ舞台で勝ち名乗りを上げるのは、果たしてどの馬か。中央競馬の1年を締めくくる一戦を展望していこう。

 今年のホープフルSで最大の注目となっているのが、「ポスト武豊」とまでいわれた三浦皇成騎手が悲願のG1制覇を遂げられるかどうか。コンビを組むのは2戦2勝の素質馬ガストリック(牡2歳、美浦・上原博之厩舎)だ。

 デビュー戦は永野猛蔵騎手とのコンビで臨んだ10月東京の芝1800m。調教では特に目立った時計を出していなかったこともあり、4番人気という伏兵馬として初戦を迎えた。

 ガストリックはスタートで立ち遅れ、道中は最後方という位置取り。馬群を追走するのが精一杯に見えたが、4角で大外に持ち出されると、グングンと加速し、1頭だけ違う脚色で12頭をまとめて差し切った。

 予想以上の豪脚を披露したにもかかわらず、2戦目の東京スポーツ杯2歳S(G2)でも5番人気にとどまったガストリック。鞍上を三浦騎手にスイッチしたが、再びスタートで遅れてしまう。道中は中団後方のインでじっと我慢。勝負所で徐々に押し上げ、直線でインを突くと、最後は馬群を割って外から伸びてきたライバル各馬の追撃を封じ込めた。

 2戦連続の豪快な勝利で一躍クラシック候補に名乗りを上げたガストリック。過去2戦は広い東京コースが舞台だったが、今回は小回りの中山2000mへと舞台が替わる。

 最初のポイントは課題のスタートを決められるかどうかだろう。さすがに中山では直線だけの競馬では厳しいはず。まずはスタートを決めて、中団から前目のポジションをとりたいところだ。

 鞍上の三浦騎手は、ガストリックのデビュー戦の勝ちっぷりを見て、前田幸治オーナーに直談判したことでコンビ結成が叶ったという。G1での連敗記録をストップし、是が非でもこのチャンスを物にしたい。

 東京スポーツ杯2歳Sでガストリックに0秒2差の3着に敗れたのがハーツコンチェルト(牡2歳、美浦・武井亮厩舎)だ。

 この馬はガストリックとは対照的にデビュー前から調教で好時計を叩き出し、断然1番人気で初戦を迎えた。

 9月の中京芝2000mで松山弘平騎手を背に8馬身差の圧巻デビューを飾り、大器の片鱗をのぞかせたハーツコンチェルト。2戦目も圧倒的1番人気の支持を受けた。

 バックストレッチで早めに動いて押し切った初戦とは違い、2戦目は終始後方に待機。4コーナーで内をすくったガストリックに対し、こちらは大外を回った。直線では鋭く脚を伸ばしたが「クビ+1/2」差の3着まで。鞍上はレース後、出遅れに加えて1800mへの距離短縮で忙しくなったことも敗因に挙げていた。

 今回は初戦と同じ2000mで、経験済みのコーナー4つの競馬もプラスとなりそう。あとは、初となる右回りに対応できるかどうかだろう。前走の敗戦を糧に巻き返しはなるか。

 別路線組から名前を挙げるとすれば、ファントムシーフ(牡2歳、栗東・西村真幸厩舎)が筆頭格。

 6月の阪神・芝マイル戦で和田竜二騎手を背にデビューVを飾ると、2戦目は福永祐一騎手に乗り替わって9月の野路菊S(OP)へ。1600mから2000mへの距離延長も全く問題にせず、初戦と同じような好位からの競馬で快勝した。

 大味な競馬しか経験がないガストリックとハーツコンチェルトに比べると、スタートセンスも良く、何より立ち回りのうまさは小回り中山の2000mにはうってつけ。初の長距離輸送をこなすことができれば、勝利に近い1頭といえそうだ。

 未勝利戦を勝ったばかりのセレンディピティ(牡2歳、栗東・音無秀孝厩舎)も、その将来を有望視されている。

 初戦は好位追走から抜け出しを図るも、グランヴィノスに力負けともいえる完敗を喫し2着。しかし、2戦目で大きな変わり身を見せた。

 11月の阪神芝2000mで行われた未勝利戦では、スタートが一息で後方からの競馬。この日の芝は先行馬有利のやや前残りの馬場だったが、後方から早めに仕掛けると、最後は4馬身差の圧勝で初勝利を挙げた。

 過去2戦で手綱を取った松山騎手はハーツコンチェルトに騎乗するため、今回はG1完全制覇が懸かる武豊騎手に乗り替わる。昨年12月の朝日杯FS(G1)でリーチを懸けてから1年。前人未到の偉業を達成することはできるか。

 新馬、葉牡丹賞(1勝クラス)を連勝中のミッキーカプチーノ(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、3馬身半差で突き抜けた前走が圧巻の内容。中2週で再度の関東遠征がどうかだが、前走並みのパフォーマンスを出せれば優勝争いに加わってくるだろう。

 京都2歳S(G3)の1~2着馬、グリューネグリーン(牡2歳、美浦・相沢郁厩舎)とトップナイフ(牡2歳、栗東・昆貢厩舎)も不気味な存在だ。前者は兄が中山巧者だったヴェルデグリーンという血統が魅力。後者は前走4角で不利を受けたが、スムーズならグリューネグリーンに先着していてもおかしくなかった。

 この他には、新馬、黄菊賞(1勝クラス)を連勝中のセブンマジシャン(牡2歳、栗東・高野友和厩舎)、前走の百日草特別(1勝クラス)を勝って3戦2勝としたキングズレイン(牡2歳、美浦・手塚貴久厩舎)なども侮れない存在だ。

 また、すでに年間50勝を突破したルーキーの今村聖奈騎手がこのレースでG1初騎乗を迎える。相棒を務めるのは3戦1勝のスカパラダイス(牡2歳、栗東・寺島良厩舎)。デビュー戦では同タッグで見事なマクリで勝利を収めている。重賞初騎乗初制覇を飾ったスーパールーキーが、初G1でどんな騎乗を見せてくれるか楽しみだ。

 来春のクラシックを見据える上でも見逃せないホープフルSは28日、15時25分に発走を予定している。

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