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「祐一さんから引き継いだ手綱」が今年のトレンドに?ダート戦線はまさに“宝の山”

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川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 25日に大井競馬場で行われた牝馬のダートグレード競走・TCK女王盃(G3)。今年は明け4歳馬のグランブリッジ(牝4歳、栗東・新谷功一厩舎)が勝利を収め、騎乗した川田将雅騎手は昨年・一昨年に続く同レース3連覇を達成した。

 この偉業に川田騎手は、「素晴らしい馬たちとともにこの舞台に参加させていただき、その結果3年連続勝たせていただいたというところ。そういった素晴らしい馬の依頼をいただけることをありがたく思います」と関係者への感謝の気持ちを忘れなかった。

 インタビューの中では、「(福永)祐一さんが調教師試験に合格し、ジョッキーを終えるということで、僕がこの馬の手綱を引き継がせていただいた。無事にタイトルを獲ることができてホッとしていますし、祐一さんが作り上げたこの馬を、より良い舞台でより良い走りができるように継続してやっていきたい」とも語っていた。

 というのも、今回コンビを組んだグランブリッジはもともと小沢大仁騎手がデビューから1勝クラスまで手綱を取っていた馬で、関東オークス(G2)から福永祐一騎手にバトンタッチ。以降はすべて重賞ながら4戦2勝・2着2回とパーフェクト連対を続けていた。

 そんな中、主戦の福永騎手が昨年12月に調教師試験に合格。今年2月いっぱいで騎手引退となったため、今回のレースで川田騎手との初コンビが実現。尊敬する先輩が育ててきた馬での一発回答ということで、自身の3連覇とともに喜びもひとしおだったことだろう。

 電撃引退が決まった福永騎手だが、昨年も年間101勝を挙げたトップジョッキーの一人。お手馬にはグランブリッジのような有力馬も多くいた。

 特に昨年の福永騎手を語る上で欠かせないのが、地方交流競走での強さ。その成績は【4-5-1-2/12】で、勝率33.3%に連対率は75%という驚異的な成績だった。

ダート戦線はまさに“宝の山”

 思えばJRA重賞も、3勝のうち芝のレースは皐月賞(G1)のみ。残る2つはフェブラリーS(G1)とカペラS(G3)で挙げたもので、グランブリッジだけでなく福永印のダート馬は“宝の山”と言っても過言ではないのだ。

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リメイク 撮影:Ruriko.I

 中でも筆頭株と言えるのが、カペラSを勝ったリメイク(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)だろう。早くから2月25日にサウジアラビアで行われるリヤドダートスプリント(G3)に照準を合わせて調整を進めており、20日には参戦が正式決定。福永騎手とのコンビで参戦することがメディアで報じられている。

 これにより、福永騎手の現役ラストウィークはサウジアラビアとなることが確定。まずは有終の美を飾ることができるかという点に大きな注目が集まるが、ここをステップに3月はドバイに挑戦するプランも浮上しているだけに、その鞍上を誰が引き継ぐことになるのかも注視したい。

 同じくサウジに向かう組で言えば、25日にサウジC(G1)の招待を受諾したことが報じられたカフェファラオ(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)も福永騎手の代表馬の一頭。昨年はフェブラリーSとマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)を制し、JRA賞最優秀ダートホースにも選出されている。

 2023年の始動戦は3連覇がかかるフェブラリーSとサウジCの両にらみとなっていたが、この度初の海外遠征に挑戦することが決定。『サンケイスポーツ』などの報道によると「鞍上は調整中」となっており、当日サウジにいる福永騎手が手綱を取るのか、はたまた先を見越して異なる騎手に託すのか。陣営の発表が待たれる。

 一方、同レースに参戦を表明しているクラウンプライド(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)も、福永騎手とともにJBCクラシック(G1)で2着、チャンピオンズC(G1)でも2着と3歳時から古馬の一線級を相手に好走を見せてきた実力馬。

 ここに来て自身よりもレーティング上位のカフェファラオやヴァンドギャルドといったところが招待を受諾して同レースへの出走を表明したため、出走の可否が現段階で不透明となっている点は気がかりだが、いずれにせよ今年のダート戦線の中心にいる一頭であることは変わりない。

 最後に、明け3歳にはペリエール(牡3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)という有望株もいる。デビューから3戦続けて福永騎手が手綱を取り、前走の全日本2歳優駿(G1)では3着に敗れるも、1番人気に推されたほどの注目馬。今年は2月19日に東京競馬場で行われるヒヤシンスS(L)から始動する予定で、フェブラリーS当日に同じ条件で行われるレースでどんなパフォーマンスを見せるのか、こちらも目が離せない。

 今回取り上げた注目馬はみな現時点で2月のレースで出走の予定があり、その時はまだ福永騎手が現役として稼働中の時期。3月以降を見据えて引き継ぎがあるのか、はたまた騎手である限りは最後まで面倒を見ることになるのか。直近の大きな注目ポイントとなる。

 川田騎手が大井で口にした「祐一さんから引き継いだ手綱」は2023年のダート界を席巻するキーワードとなるか。今後の動向を見守りたい。

GJ 編集部

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