
【リヤドダートスプリント(G3)展望】連覇懸かるダンシングプリンスはD.レーンと新コンビ!福永祐一はこれが正真正銘のラストライド

25日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場では、ダート1200mが舞台のリヤドダートスプリント(G3)が開催される。21年コパノキッキング、22年ダンシングプリンスに続く日本馬の3連覇はあるのか。早速展望していこう。
出馬表に名を連ねた日本馬4頭のうち、最も戴冠に近いのはダンシングプリンス(牡7歳、美浦・宮田敬介厩舎)だろう。
昨年の当レースではC.ルメール騎手を背に好スタート好ダッシュを決めて、圧巻の逃げ切りで、見事1番人気に応えた。帰国初戦の北海道スプリントC(G3)も逃げ切って連勝を4に伸ばしたが、続くクラスターC(G3)は出遅れが大きく響き4着。あえなく連勝はストップした。
そして迎えた前走のJBCスプリント(G1)はクラスターCと同じ盛岡での開催。鞍上がルメール騎手から三浦皇成騎手に戻り、今度は好スタートを決めると、そのまま押し切って勝利。ハナを奪うことさえできれば強いところを改めて証明した。連覇を狙う今年はD.レーン騎手と新コンビを結成。逃げない競馬でも結果を出しているが、やはりスタートを決めることが最も重要となるだろう。
22日に発表された枠順はやや外目の7番ゲート(9頭立て)。オーストラリアの名手によるエスコートで連覇を飾ることができるか。
国内のダート短距離路線は重賞になるとレース数が少なくなるため、年長馬が長く活躍する傾向がある。その筆頭がダンシングプリンスだが、昨年末に新たなスター候補が誕生した。
世代交代を見据えるのは、前走のカペラS(G3)で重賞初制覇を飾ったリメイク(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)だ。頭角を現したのは昨年の春だった。2月から5月にかけて1勝クラス、昇竜S(OP)、端午S(OP)を3連勝。続くユニコーンS(G3)では1番人気に支持されたが、結果的に距離も長かったのか6着に敗れた。
秋はオーバルスプリント(G3)で始動し、2着を確保。そして秋2戦目のカペラSは初の1200m戦にもかかわらず、中団やや後方から直線一気の末脚で差し切り勝ちを収めた。鞍上は昨年の昇竜Sから手綱を取っている福永祐一騎手。先週日曜で日本国内のラスト騎乗を終えたが、このレースが正真正銘の現役ラストライドとなる。
福永騎手はカペラS後に「乗れるのは2月いっぱいなので、今日のような走りをされると乗っていて名残惜しいですが……」とコメントを残していたが、再び得たチャンスで悔いのない騎乗を見せて、最後を締めくくれるかに注目が集まる。
リメイクが勝利したカペラSで2着に入ったのがリュウノユキナ(牡8歳、美浦・小野次郎厩舎)だ。その前走は4馬身差を付けられる完敗を喫したが、2走前のJBCスプリントではダンシングプリンスに3/4馬身差と善戦しており、8歳を迎えてもなお衰えは見せていない。
これまで積んだキャリアは47戦に上るが、本格化した20年9月のながつきS(OP)以降は16戦して「4-10-1-1」という抜群の安定感を誇る。21年8月のクラスターCを最後に勝利からは遠ざかっているが、8歳馬がここでも上位争いに加われるか。
鞍上を務めるのはJRA現役最年長の56歳、柴田善臣騎手。19日の東京競馬では全レース終了後に福永騎手に花束を贈呈する役割を担ったが、今度は自身がお立ち台で花束を受け取る番だ。
4歳時にダートスプリント重賞を3勝したジャスティン(牡7歳、栗東・矢作芳人厩舎)も見限れない。全盛期の5歳時にこのレースに挑戦するも、6着に敗退。その後は一転して長いスランプに陥った。復活の兆しを見せたのは昨年の根岸S(G3)。逃げて僅差の4着に粘り込むと、続く大和S(OP)で1年2か月ぶりの美酒を味わった。
その後はクラスターCで逃げて3着、室町S(OP)は59kgが堪えたか15着に惨敗したが、前走のカペラSで3着と上り調子で2年ぶりの海外遠征を迎える。
JRA勢以外ではアメリカのエリートパワー(牡5歳、米・W.モット厩舎)が最有力か。4歳夏にデビュー4戦目で初勝利を挙げると、そこから怒涛の5連勝中。前走はブリーダーズCスプリントでG1に初挑戦し、中団後方から直線一気の末脚で勝利を飾った。1月に発表されたエクリプス賞の最優秀短距離牡馬部門にも選ばれ、今後のダート短距離界を背負っていくことが期待されている。
他には、前走のブリーダーズCダートマイル(G1)で4着に終わったガンナイト(牡4歳、米・S.アスムッセン厩舎)の巻き返しに期待が懸かる。ダート1400m以下では「5-2-1-0」の好成績を残しており、前走から2ハロンの距離短縮は大きなプラスになるはずだ。
少頭数の9頭立てになった今年もJRA勢が勝ち名乗りを上げるのか。発走は日本時間25日の25時45分を予定している。
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