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武豊「9年ぶり」参戦も再び「横山家」が乱入!? 中山記念(G2)横山典弘×ジャスタウェイに完敗した苦い記憶

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 先月はライトクオンタムでシンザン記念(G3)、今月はドウデュースで京都記念(G2)を制するなど、年初から好調が窺える武豊騎手。先週も1勝を重ね今年14勝とし、全国リーディングでも10位(19日終了時点)に入っている。

 来月には54歳を迎えるレジェンドだが、今もなお一線級で活躍を続けているのだから、流石としか言いようがない。ドウデュースで挑むドバイターフ(G1)は勿論だが、この後もさらなる活躍に期待がかかる。

 そんな武豊騎手は、今週末の中山記念(G2)でドーブネ(牡4、栗東・武幸四郎厩舎)に騎乗を予定しており、2014年以来9年ぶりの参戦となる。G1馬など強敵相手となるが、陣営も勝算あっての挑戦だろう。

 ただ、武豊騎手は前回の中山記念で、苦い経験があったことにも触れておきたい。

 当時、武豊騎手が騎乗したのは1番人気のトウケイヘイロー。同馬は前年に鳴尾記念(G3)→ 函館記念(G3)→札幌記念(G2)と、武豊騎手とのコンビで重賞3連勝を飾った実力馬で、同年暮れには香港カップ(G1)で2着に入るなど、まさに充実期を迎えていた。

 そんなトウケイヘイローと当時人気を分け合っていたのが、のちにドバイデューティフリー(G1)を制してレーティング世界1位に選ばれるジャスタウェイだ。

 3歳のクラシックは結果を残すことが出来なかったものの、古馬となってから徐々に頭角を現したジャスタウェイ。前年の天皇賞・秋(G1)では、三冠牝馬ジェンティルドンナ相手に4馬身差の圧勝を決めており、こちらも充実一途を辿っていた。

 ただ、トウケイヘイローが逃げ馬だったのに対し、ジャスタウェイは差し馬。開幕週に行われる中山記念では、先行馬に分があると考えたファンも少なくなかっただろう。さらにいえば、ジャスタウェイを天皇賞・秋で勝利に導いた福永祐一騎手が騎乗停止中で、鞍上が横山典弘騎手にスイッチしたこともあってか、下馬評ではトウケイヘイローの方に人気が集まった。

 しかし、レースはスタートから波乱の幕開けとなる。

「ゲートの出が最悪のタイミングでした。つっかえて、前扉に顔が当たってしまい、下がったところでゲートが開きました」

 レース後に武豊騎手がそう振り返った通り、常に好スタートを決めるトウケイヘイローがまさかの大出遅れで、最後方からの競馬を余儀なくされてしまう。道中で挽回して向正面ではハナに立ったが、最後の直線では逃げ切る余力は残っておらず、徐々に失速し始める。

 そんなトウケイヘイローを、内から巧みに交わしていったのがジャスタウェイだった。最後は強烈な末脚で突き放し、終わってみれば後続に3馬身半差をつける圧勝。鞍上の横山典騎手は「最後狭いところに入りましたが、馬が強いからなのか、あんなところから出てくることができました」と謙遜したが、トリッキーな中山コースを知り尽くす熟練の腕が光った。

 結果的に、武豊騎手とトウケイヘイローは完敗の6着。代役だった横山典騎手が好騎乗で結果を残したのに対し、武豊騎手は良く知るパートナーと人気に応えることが出来なかった。

「9年ぶり」参戦も再び「横山家」が乱入!?

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横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 あれから9年。今年の中山記念はチャレンジC(G3)連覇を果たしたソーヴァリアントが主役となりそうだが、その鞍上を務めるのは横山典騎手の息子・横山武史騎手である。

 ソーヴァリアントの前走で勝利に導いたC.ルメール騎手が、今週末はサウジアラビア遠征のため騎乗できず、横山武騎手が代役を任された背景も、どこか9年前と似たようなシチュエーションに映る。

 久しぶりの中山記念参戦となる武豊騎手だが、「横山家」にあの時の借りを返せるだろうか。

GJ 編集部

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