
武豊、安藤勝己も絶賛の「ユタカマジック」で快勝も複雑!? 桜花賞へ「まあ、いいレースができるんじゃないですかね」

4日、桜花賞(G1)の優先出走権が懸かったトライアル・チューリップ賞(G2)は、7番人気のモズメイメイ(牝3歳、栗東・音無秀孝厩舎)が勝利。果敢にハナを奪って主導権を握ると、最後はハナ差で後続を抑え込んだ。
「ギリギリでしたけど、よく頑張ってくれました」
レース後、そう相棒を称えた武豊騎手だが、まさに騎手の腕で掴んだ重賞制覇だった。「行く馬がいれば行かそうと思っていた」と振り返ったレースで、抜群のスタートを見せたのがモズメイメイだった。スッと先頭に立つと「切り替えました」と、前走と同じペースの主導権を握る競馬に切り替えた。
そこからは、経験豊富な武豊騎手の真骨頂が発揮された。1000m通過59.9秒は、同日同舞台で行われた3歳未勝利戦よりも0.5秒だけ速い絶妙なペース。最後は2着コナコーストにハナ差まで追い詰められただけに、少しでも歯車が狂っていれば結果は変わったかもしれない。
「先週の中山記念(G2)のドーブネもそうですが、まさに『武豊騎手を楽に逃がすとこうなる』という典型的なレースでしたね。2番手が14番人気の未勝利馬ということで、横山典弘騎手が無理をしなかったことも追い風だったと思います。
7番人気の伏兵でしたが、デビュー戦を勝った後に(本馬を管理する)音無調教師がプランを変えて阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)に登録したほどの馬。残念ながら除外になってしまいましたが、これで胸を張って桜花賞に挑めますね」(競馬記者)
この結果には、元JRA騎手のアンカツこと安藤勝己さんも「ユタカちゃんしてやったりの逃げ」と自身のTwitterで絶賛。「能力的に横一線やったと思うけどペース配分で粘り切らせた」とジョッキーの腕によるところが大きいと指摘している。
「ユタカマジック」で快勝も複雑!?
王道トライアルを勝利し、桜花賞でもペースのカギを握る存在になりそうなモズメイメイ。だが、陣営にとっては来月の本番に向けて避けては通れない問題がある。
「絶妙なペース配分で逃げ切ったモズメイメイですが、問題はそのペースを演出した武豊騎手が先日、シンザン記念(G3)を勝ったライトクオンタムとのコンビで桜花賞に挑むことが発表されたことですね。
もちろんモズメイメイ陣営も織り込み済みで武豊騎手に手綱を託していますが、ここまで見事な騎乗を見せられると、さすがに後ろ髪を引かれる思いでしょう。トライアルを勝ったことで有力馬の1頭になりましたし、代打のジョッキーにはこだわりたいところですね」(同)
「阪神の1600で2連勝ですから条件は間違いなく良いと思いますし、あの……まあ、いいレースができるんじゃないですかね」
そんなトップジョッキーならではの事情があってか、勝利騎手インタビューで桜花賞への抱負を聞かれた武豊騎手は、やはりいつもより歯切れが悪そうだった。
PICK UP
Ranking
11:30更新大阪杯「23連敗」の鬼門を超えられるか…スターズオンアース、ヒシイグアスを阻む壁
ディープインパクト「最終世代」の明と暗、桜花賞で有力ライトクオンタムを輩出も、気になる「未デビュー」2頭の現在地
天皇賞・春(G1)アスクビクターモア陣営の「非情采配」にファン激震! 2年続いた菊花賞馬の乗り替わり
- 女性ジョッキーの先駆者・藤田菜七子「成績不振」の裏には取り巻く環境が変わった事も原因か
- 13億円のサウジカップ、9億円のドバイワールドカップ… 賞金と距離以外に何が違っていたのか?パンサラッサ、カフェファラオ、ジオグリフが揃って凡走の謎!
- ディープインパクトやキタサンブラックら栄光の陰で、勝者になれなかった馬たちに待ち受ける悲しい現実…「馬が好き」だからこそ知っておきたい引退馬問題の最前線【特別インタビュー】
- 「自らの腕でつかみ取って厩舎を助ける側なんや」岩田康誠がG1獲りに強い意欲! 「炎上」も経験した名手が掴んだ大阪杯制覇の手応え
- 「地方の刺客」が続々参戦で若手ジョッキーは大ピンチ!? 「4年間未勝利」でも話題、生存競争激化はファンも大歓迎?
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 川田将雅がドバイワールドC(G1)で見せた意外な姿。リーディングジョッキー獲得後の変化が話題に