
【マーチS(G3)展望】“ダート界のブエナビスタ”が再始動!重賞2勝サンライズホープは巻き返しへ
26日、中山競馬場では古馬による中距離ダート重賞、マーチS(G3)が行われる。過去10年で1番人気の馬が「1-1-2-6」という不振。その一方で、単勝オッズ20倍台の馬が3勝するなど、ハンデ戦だけあって荒れる要素は満載だ。早速展望していこう。
中心は4歳初戦を迎えるハピ(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)だ。3歳1月にデビュー戦を勝利で飾ると、3連勝で鳳雛S(L)を制覇。4連勝を懸けたジャパンダートダービー(G1)は直線一気の競馬で4着に敗れたが、その後はダート中距離路線で着実に上位争いを演じている。
特に地力の高さを見せたのが、前走のチャンピオンズC(G1)だ。スタート後は押してハナを切る勢いだったが、外から主張した2~3頭を前に行かせて好位のインを確保すると、じっくり脚を溜めて4角へ。直線では先んじて抜け出したクラウンプライドとの差がなかなか詰まらず、逆に大外から追い込んできたジュンライトボルトに交わされての3着だった。
先着を許した2頭とは力の差を感じさせる内容だったが、デビュー戦以来となる先行策で結果を残したのは大きな収穫だったといえるだろう。
鞍上を務めた横山典弘騎手は「肝が据わっていて、ブエナビスタみたい」「1年先、2年先には凄いことになっているかもしれません」と自身が手綱を取った2010年の年度代表馬を引き合いに出すほど同馬を高く評価しており、古馬初戦でその片鱗を見せられるかに注目だ。
ハピと1番人気を争うのはサンライズホープ(牡6歳、栗東・羽月友彦厩舎)か。
21年シリウスS(G3)と昨年のみやこS(G3)を勝っており、重賞2勝の実績はメンバーの中でも最上位の存在だ。以前は先行して結果を残していたが、スランプに陥っていた3走前のみやこSで出遅れて後方からの競馬となったことが奏功。ハギノアレグリアス、オメガパフューム、ハピ、タイセイドレフォンといった実力馬を撫で切り、追い込みという新たな武器を手に入れた。
続くチャンピオンズCでも後方から上がり2位タイの末脚を駆使して6着に健闘。ただし、前走の東京大賞典(G1)では序盤は後方に控えるも、3角で一気に先頭に立つ早仕掛けが裏目に出てしまい、4着に敗れている。
キャリア23戦目で初めて臨む中山で重賞3勝目をゲットできるか。鞍上は18日のファルコンS(G3)をタマモブラックタイとのコンビで制して勢いに乗る幸英明騎手が務める。
ハピとサンライズホープに続く3番手集団は混戦模様だが、過去3年のレパードS(G3)覇者を取り上げたい。
まず、昨年のレパードSを7番人気で制したのがカフジオクタゴン(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)。2~3着に破ったのがタイセイドレフォンとハピなら、ここでも上位争いを演じる能力はあるだろう。
その後は交流重賞で3戦して白山大賞典(G3)と佐賀記念(G3)がともに3着。2走前のJBCクラシック(G1)は7着に敗れたが、直線での不利が大きく、この敗戦は度外視していいだろう。
佐賀記念の後は今月16日の名古屋大賞典(G3)にエントリーしていたが、あえなく除外となり、久々に中央でのレースを迎える。
21年のレパードSを1番人気で勝利したのはメイショウムラクモ(牡5歳、美浦・和田勇介厩舎)だ。その後は21年12月の師走S(L)で10着に敗れたのを最後に体調が整わず、約1年間の休養があった。
今年1月のポルックスS(OP)で戦列復帰を果たしたが、久々の実戦で全く勝負にならず。勝ち馬から2秒5差の最下位14着に惨敗した。この中間は調教でも好タイムを出しており、叩き2戦目でガラリ一変があってもおかしくない。
20年のレパードSを7番人気で制したケンシンコウ(牡6歳、美浦・小西一男厩舎)は、昨年の当レースでも2着した実力馬。折り合いに難のある馬だけに鞍上が主戦の田辺裕信騎手に戻るのは心強い。
ウィリアムバローズ(牡5歳、栗東・上村洋行厩舎)は関西馬だが、中山で5戦3勝、2着2回とパーフェクト連対を継続中。重賞初挑戦となった2走前のみやこSは14着に惨敗したが、得意舞台なら侮れない。
これ以外には、昨年のプロキオンS(G3)を制したゲンパチルシファー(牡7歳、栗東・佐々木晶三厩舎)、東海S(G2)で3着に好走したハヤブサナンデクン(牡7歳、栗東・吉村圭司厩舎)、自己条件を3連勝しオープン入りした上がり馬のロードヴァレンチ(セ4歳、美浦・中舘英二厩舎)などが虎視眈々と上位を狙う。
ハピが4歳初戦で重賞初Vを飾るのか、それともサンライズホープが意地を見せるのか。注目のマーチSは26日の15時30分に発走予定となっている。
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