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キタサンブラック×武豊の「大物」いよいよ登場!? イクイノックス、ソールオリエンスの勢いを継ぐ、2023年期待の2歳キタサンブラック産駒特集

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キタサンブラック×武豊の「大物」いよいよ登場!? イクイノックス、ソールオリエンスの勢いを継ぐ、2023年期待の2歳キタサンブラック産駒特集の画像1
ソールオリエンス 撮影:Ruriko.I

 またまた、キタサンブラックから大物が登場だ。

 16日に行われた皐月賞(G1)は、キタサンブラック産駒のソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)が勝利。3戦3勝と無敗の皐月賞馬が誕生した。

 レース後、横山武史騎手が「本当に走る馬、良い馬」と称賛を惜しまなかった上がり3ハロン35.5秒は、2位タイに0.9秒差をつける圧巻の末脚。重馬場をモノともしないパフォーマンスには元JRA騎手の安藤勝己氏も「混戦の下馬評を終わってみれば、牡馬にも怪物がおった感じやね」(公式Twitter)と絶賛している。

 また、1枠1番からの勝利は前回がコントレイルで、その前がナリタブライアン。歴史はソールオリエンスが三冠級の器であることを物語っており、先日のドバイシーマクラシック(G1)で世界No.1の称号を手にしたイクイノックスを超える、キタサンブラックの代表産駒になる可能性を秘めている。

 他にも先日の桜花賞(G1)で2着したコナコースト、今週末のマイラーズC(G2)で上位人気になることが濃厚なガイアフォースとジャスティンスカイなど、最近活躍したキタサンブラック産駒を挙げれば枚挙に暇がない状況。

 明け4歳のイクイノックス世代が初年度ということもあって、まだ産駒数が少ないため種牡馬リーディングこそ7位(4月17日現在)だが、産駒の平均収得賞金額を示すアーニングインデックスは驚異の2.43。リーディング首位のロードカナロアの1.31も然ることながら、リバティアイランドら大物を続々と送り出しているドゥラメンテでさえ1.77である以上、1000万円だった種付料も今後さらに高騰することになるだろう。

 今回は、そんなキタサンブラック産駒の2021年生まれ、今夏以降のデビューを控える2歳馬に注目したい。

 

・テーオーマーシャル(牡、ダイヤモンドハイの2021)

 デビュー時期も所属厩舎も未定ながら最初にこの馬を挙げた最大の理由は、三嶋牧場の生産馬だからだ。中小牧場の1つで生産数も大手には劣るが、現在の生産者リーディングでノーザンファーム、社台ファームに次ぐ3位と驚異的な躍進ぶりを見せている。

 2010年頃まではメイショウベルーガ(エリザベス女王杯2着)の活躍が目立つ程度だったが、2020年以降になってダノンキングリーが安田記念(G1)を制覇。さらに最近は今年の高松宮記念(G1)を勝ったファストフォースを筆頭に、メイショウハリオ(帝王賞)、テーオーロイヤル(ダイヤモンドS)、アートハウス(ローズS)など活躍馬が続々……。今や非ノーザンの旗印になっていると言っても過言ではないだろう。

 テーオーマーシャルは、今世代で唯一の三嶋牧場生産のキタサンブラック産駒。3代母に女傑ファストフレンドがいる関係でダート馬になる可能性もあるが、ハマればG1級の大物になるかもしれない。今から楽しみな存在だ。

 

・ルージュサリナス(牝、サファリミスの2021)

 最初にいきなり隠し玉を挙げさせていただいたが、イクイノックス、コナコースト、ジャスティンスカイがノーザンファーム産、ソールオリエンスが社台ファーム産、ガイアフォースが追分ファーム産と当然、しっかりとセオリーを踏んでいくことも重要だ。

 そんな中でルージュサリナスを上げたのは、ノーザンファーム生産馬で、母サファリミスが亜1000ギニー(G1)などを勝利した良血馬だからだ。東京ホースレーシングの所属馬で、美浦の木村哲也厩舎への入厩予定と動向がはっきりしている点も好感が持てる。

 姉妹に目立った活躍馬はまだいないものの母父Not For Saleはダノンファンタジー(阪神ジュベナイルフィリーズ)、サトノレイナス(桜花賞2着)など牝馬の早期活躍が目立つ。今年のキタサンブラック産駒の中でもPOG向けの1頭と言えるだろう。

・ブラックライズ(モーニングリズの2021)

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武豊騎手 撮影;Ruriko.I

 キタサンブラックの現役時代の活躍は、主戦だった武豊騎手の存在なくして語れない。武豊騎手にとっても特別な1頭であり、産駒第1号のジャスティンスカイが誕生した際には「ぜひ乗ってみたい」と早くも主戦騎手に立候補していた。

 しかし、現在のところキタサンブラック×武豊騎手で主だった活躍馬はいない。この2頭は、そんなファンの夢を実現してくれるかもしれない存在だ。

 まずブラックライズはインゼルレーシングの所属馬。武豊ファンを公言するキーファーズが立ち上げた一口馬主クラブだ。キーファーズほどではないが、やはり武豊騎手の起用率は高く、必然的にコンビ結成が期待できる。近親に仏ダービー馬のブラムトがおり、キーファーズらしいスケール感溢れる馬と言えるだろう。キタサンブラックを手掛けた清水久詞厩舎に入厩予定という点も話題を呼びそうだ。

・ファピオラ(マニーズオンシャーロットの2021)

 ファピオラは武豊騎手の実弟である武幸四郎厩舎に入厩予定だ。エースレーシングはまだこれからの馬主で武豊騎手との接点も少ないが、今年の桜花賞のライトクオンタム、皐月賞のタッチウッドのように「この厩舎に預けたからには……」という期待感はある。

 母マニーズオンシャーロットは米G3の勝ち馬。本馬が2番仔だが、3歳の姉ウィングヘヴンはデビュー戦1着、1勝クラスで2着と今後走ってきそうな雰囲気がある。


 どの種牡馬にも共通して言えることだが、最も注目されるのが初年度であり、2年目はやや落ちて、3年目となると新たな種牡馬が登場する関係もあって、種付数が大きく落ち込むケースが一般的だ。あのディープインパクトでさえ、初年度215頭から3年目は171頭まで種付数を落としている。

 残念ながら、今年の2歳馬はキタサンブラックにとって「魔の3年目」と言える世代だ。実際に初年度130頭だった種付数も92頭まで落ち込んでおり、血統登録頭数は54頭しかいない。

 ディープインパクトは3世代目からもキズナ(日本ダービー)、アユサン(桜花賞)、ラキシス(エリザベス女王杯)、デニムアンドルビー(ジャパンC2着)などの活躍馬を出したが、キタサンブラックはどうか。

 ここで大物が出てくるようなら、いよいよ日本最高の種牡馬として扱われることになるだろう。

GJ 編集部

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