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【函館スプリントS(G3)展望】サマースプリントシリーズ開幕戦!武豊×ウォーターナビレラは1200mで今度こそ復活なるか

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トウシンマカオ 撮影:Ruriko.I

 安田記念(G1)が終わり、いよいよ夏競馬が到来する。11日に函館競馬場で行われるのは、サマースプリントシリーズの開幕戦・函館スプリントS(G3)である。

 昨年は当レースを制したナムラクレアが北九州記念(G3)でも3着に入りポイントを加算。7頭が4ポイント差以内の混戦を断ち、サマースプリント王に輝いた。今年はどの馬がロケットスタートを決めるのか、30回目を迎える函館SSを展望していきたい。


 主役候補は昨年の京阪杯(G3)を制したトウシンマカオ(牡4歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。

 それまでリステッド競走を2勝していたが、重賞ではあと一歩のところで敗れていた。古馬相手に重賞初制覇を飾り、今春のスプリント路線で主役候補に名乗りを上げたが、その後はパッとしていない。

 58.5kgのハンデも堪えたか、重賞2連勝を狙った2走前のシルクロードS(G3)で4着に敗れると、大目標に定めていた前走・高松宮記念(G1)ではまさかの15着に大敗。単勝7.9倍の5番人気に支持されたが、初の不良馬場に泣く形で春を終えた。

 鞍上を務めた鮫島克駿騎手も「体形が他のスプリンターと比べると小さいですし、スピードを要求される馬場ならまた違うと思います」と敗因を分析していたが、実りの秋に向けて、昨年に続き夏の北海道で地力強化を目指す。

 トウシンマカオが昨年走ったのは8月札幌のキーンランドC(G3)。この時は歴戦の古馬に交じって1番人気に支持されたが、4着に敗れている。本馬にとって唯一の洋芝で人気を裏切っているだけに、実績的には頭一つ抜けているものの過度の信頼は禁物かもしれない。

 また、函館SSは開幕週に行われることもあって、先行馬が圧倒的に有利なレースでもある。昨秋以降は差す競馬で飛躍を遂げたトウシンマカオにとって、開幕週の馬場も懸念の一つになるだろう。


 洋芝経験1度のトウシンマカオに対して、ズラリとそろったのは北海道開催を待ちわびていた“洋芝巧者”たちだ。その筆頭が洋芝で通算「4-0-1-0」の好成績を誇るヴァトレニ(セ5歳、栗東・長谷川浩大厩舎)である。

 グラスワンダー産駒の本馬が初めて洋芝を走ったのは3歳の夏。札幌で初勝利を挙げると、同地で3連勝を飾り、一気に準オープンまで駆け上がった。

 その後は3勝クラスでやや停滞していたが、4歳春に中京で4勝目を挙げオープン入りすると、夏の北海道で青函S(OP)優勝、キーンランドCで3着と重賞でも通用するところを見せた。また、キーンランドCではトウシンマカオに先着しているように、洋芝なら互角以上の力を持っている。

 今年に入ってからは2走前の北九州短距離S(OP)でオープン2勝目を飾ったが、前走の鞍馬S(OP)は59kgを背負って9着に敗退。成績にはややムラがあるものの、自分の競馬ができれば、あっさり重賞初制覇があってもおかしくないだろう。

 昨年の当レースでナムラクレアの2着だったジュビリーヘッド(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)も、その後の青函Sでもヴァトレニの2着に入るなど洋芝を得意とする1頭だ。

 北海道での通算成績は「1-3-0-1」と勝ち鞍は1つだけだが、連対率は80%に上る。ただし洋芝限定というわけではなく、3走前には中山のカーバンクルS(OP)を勝利。続くオーシャンS(G3)は5着に敗れたが、1番人気に支持されていた。

 鞍上は主戦の横山和生騎手が東京で騎乗するため、西村淳也騎手がテン乗り予定。同騎手は今年のダイヤモンドS(G3)を制覇し、春には福島牝馬S(G3)、マイラーズC(G2)、京都新聞杯(G2)と重賞騎乗機会3連続で2着と活躍中だ。頭角を現しつつある6年目の若手が、函館の開幕週で爪痕を残せるか。

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ブトンドール 撮影:Ruriko.I

 ブトンドール(牝3歳、栗東・池添学厩舎)は、昨夏の函館で新馬、函館2歳S(G3)を連勝。その後はファンタジーS(G3)で2着し、4月の桜花賞(G1)まで3歳牝馬の王道路線を歩んだ。

 その桜花賞は9着に敗れたが、やはり距離が長すぎた。1200m戦なら改めて見直しは必要だろう。昨年のナムラクレア以外にも軽斤量を味方につけた3歳牝馬が激走することも多いレースだけに、あっさり重賞2勝目を飾ってもおかしくはない。

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ウォーターナビレラ 撮影:Ruriko.I

 ウォーターナビレラ(牝4歳、栗東・武幸四郎厩舎)は、昨年の桜花賞をハナ差で惜敗するまでは世代牝馬の中心的存在だった。ところが、オークス(G1)以降は5戦連続で2桁着順と低迷中。前走の高松宮記念で初スプリントに挑戦するも16着に大敗し、出口の見えないトンネルに入り込んでしまっている。2戦ぶりに鞍上を武豊騎手に戻し、反撃の糸口を見つけたい。


 この他には、過去2年の夏を北海道で過ごし6戦2勝、2着2回のヴィズサクセス(牡6歳、美浦・奥村武厩舎)、19年の当レース覇者の古豪カイザーメランジェ(牡8歳、美浦・中野栄治厩舎)、昨年のファンタジーSでブトンドールを破ったリバーラ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)なども侮れない存在だ。

 G1での活躍も期待されるトウシンマカオがその実力を発揮するのか、それともここに狙いを定めた洋芝巧者たちが足をすくうのか。函館SSは11日、15時25分に発走を迎える。

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